<成長と反抗期>
淵澤)「そもそも、“反抗期”必要なんですか?」
自見)「産まれた赤ちゃんにって、
お父さんお母さんだけの世界ですよね。
でもいつまでもその世界だけに居るわけには、いきませんよ
“自分”や“社会”に目覚めていく過程が必要なんです。
ある意味、“反抗期”は、蛹が蝶に脱皮する事と
考えてもいいと思います」
淵澤)「“反抗期”はどう接すればいいですか?」
自見)「ご両親は過度に巻き込まれずに、
冷静に対応することが重要です。
イヤイヤ期で靴を履くのが嫌で、
子供が靴をポイと投げてしまう。
そこで叱ると、お母さんが注目していると思って、
また同じことをする。
そうではなく「あれ?お靴履くの嫌なの」と
繰り返し質問する。
そうすると子供は「僕は、お靴履くの嫌なのかなあ?」と
客観性が出てきます。
蛹が蝶に脱皮する自我の目覚めになります。
だから、言葉を繰り返すという行為は非常に効果があります。
私たち医療の世界では“ミラーイング”と言っています。
鏡になって、相手の心を写してあげる。
これは様々な場面で、使うことができます」
淵澤)「最近は“反抗期がなかった”なんて人もいます」
自見)「緩やかな反抗期、という方も多いと思います。
人によっては10代前半。また20代になってからという方も
いると思います。昭和の時代から比べると
思春期の時期が遅れてきていますよ、
っと指摘される精神科医の先生もいらっしゃいます」
淵澤)「人によって時期は様々でも、
思春期があるというのは良いことなんでしょうか?」
自見)「思春期は素晴らしい自然のプロセスだと思います」