10月25日(日)の放送では教育評論家の尾木直樹さんに、教師時代のお話をお伺いしました。
自見 前回の放送では尾木ママが学生時代、
体罰を目の当たりにされたお話を伺いました。
そんな尾木ママがなぜ教師に?
尾木 実は就活の時まで教師は思ってもみなかったんです。
ジャーナリストや雑誌の記者など、文章関係になりたかったんです。
でも就職で悩んでいたら母親が「直樹は学校の先生が一番向いているよ」と。
僕は学校の先生が一番嫌いなのに、なんて理解のない親なんだろうと(笑)
でも母は「だから向いているのよ。不登校の子供の気持ちがよくわかるから
いい先生になれるわよ」と。
自見 お母様も小学校の先生でしたよね。
尾木 本能的にわかったのかもしれませんね。
自見 尾木ママが教壇に立たれた頃(1974年~)
校内暴力が全盛だったそうですね。
そしてその頃、毎日、学級通信というものを、
独自に発行されていたとか?
尾木 一番多かった年は333号。今日こんな素敵なことがあったよと、
いいことを報告する新聞なんです。
自見 手書き?
尾木 手書きです。ガリガリと(笑)
朝だけではなく帰りにも。朝刊、夕刊(笑)
目立たない子。みんなが帰った後にゴミを捨てに行ったなど
いいことしか書きません。それを読むと
人間認識力も出てきて、仲のいいクラスになるんです。
自見 今は「イジメ」が社会問題になっています。
解決の糸口、どうお考えになりますか?
尾木 イジメの原因はストレスです。
悪いストレスを排除していくという方法をとるのが一つ。
それと、よくイジメられる方も悪いという人もいます。
それはないの。イジメる方が200%悪い。
イジメてる側の子は「だってあの子は嘘を言う。遅刻をする」など
悪い点をあげつらいますが、人間は誰もが弱点はあります。
それをイジメという形で攻撃することは恥ずかしい。
もし問題点があるなら、問題点として指摘し、
サポートしてあげればいい。
イジメは人権侵害の虐待行為として、僕は絶対に許さない。
また逆に、イジメられることで自分の存在を感じる子がいるんです。
イジメられても「先生、僕、気にしてない」と
ニコニコ笑ってるんです。
僕は、イジメられていることに対し、悔しい!許せない!と
思う子になってほしいとイジメられていた子に
注意したことがありました。
もちろんイジメていた子達も、後で注意しました。
「彼はイジメられて喜んでいる。先生が見てもそうだった。
でもそれを楽しむような 人間になってはダメだよ」と。
すると中学1年生でも両方にちゃんと伝わりました。