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教育評論家の尾木直樹さん。コロナ禍の教育現場で必要なことは学力向上よりもメンタルケア。

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10月11日(日)の放送では教育評論家の尾木直樹さんに、コロナ禍における教育現場についてお伺いしました。

尾木    いま、保育園や幼稚園では「コロナごっこ」があるんです。
   マスクを外したら「マスク」と言ったり、
   密になったら「密」と言ったり。
   先日、保育園の先生が笑顔を見せようとマスクを外したら、
   園児が驚いてマスクをするように促したそうです。浸透しすぎていて、
   いま文科省は「マスクを外す指導もやりましょう」と。

自見 私は小児科医ですけれども、子供の発育にとって
   笑顔を見ないというのは、とても悪い影響なんです。

尾木 最近、ある小学校の校長先生にお伺いしたんですが
   「マスク」をしての登校では心の変化が表れない。
   そして何を聞いても同じトーンで返ってくる。
   これは学力よりも、メンタルケアのほうが重要だと。

自見 いま「デジタル庁」という話があるように
   国全体がITC教育に向かっています。
   (※Information and Communication Technology)
   でも学校現場は先生と生徒が「向き合う」ことが大切なので
   ITCの管理は国が引き取ってやったほうがいいんじゃないかなと。

尾木 そこの分野は50歳以上の先生は超苦手なんですよ。
   若手の先生に助けてもらっている中で、
   オンラインなんか、できっこないんです。
   自治体や国からの支援で進めてもらわないと。
   一応、システムはできているんです。

自見 GIGAスクール構想ですね。

尾木 今年度の3月までに出来上がる予定でしたけどなかなか進まない。
    
淵澤   なぜですか?

尾木 色々な要因はあって。
   自治体の首長さんに取材の電話なんかいれてわかってきたのは
   「貧しい自治体はお金を出せない(政府が何割か負担しても)」
   というんですよ。

   それと先生方の意識の問題も大きいと思います。
   僕の中にも、まだ残っている気配があるんですけれども
   (※尾木さんは元教師)
   「授業は生でやって、なんぼのものか」みたいなね。
   そこに誇り、プライドをかけているんですよ。
   うまい先生は、本当に上手ですから。
   生徒が40人いたらガッチリ心をつかんで
   そして学力も保証しますから。

自見 日本の学校教育の先生たちのチカラは、本当にすごいです!

尾木 世界でもトップクラスです。それだけ自信があります。
   だからパソコンがいじれる、ITCの担当の教師は
   職員室でバカにされてるんですよ。
   その感覚、僕も現場にいたからわかるんですけど。

   でもね。そうじゃないんだと。
   先生方は忙しすぎて目の前のことに追われているので
   視野がグローバルになっていないんですよ。
   ほんとに、もったいないです。

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