• Facebook
  • Twitter
  • LINE

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーで、東北大学大学院医学系研究科、医学部微生物学分野教授の押谷仁さん。新型コロナを日本で抑えられている理由。

  • LINEで送る

9月13日(日)の放送では政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーで、東北大学大学院医学系研究科、医学部微生物学分野教授の押谷仁さんに「新型コロナ」についてお伺いしました。

淵澤   「新型コロナウイルス」。未知のウイルスと言われていますが、
    これまでにわかったことは?

押谷  2003年に流行した「SARSコロナウイルス」とよく似た
    ウイルスです。
    疫学、どのように広がってどのような病気を起こすのかということは
    かなりSARSとは違う。SARSの場合はほとんどの場合、
    重症化しました。
    新型コロナは重症化しない人達もかなりいます。
    そのようなことが、このウイルスの制御をかなり難しくしています。

淵澤  当初は「日本でも数万人規模の死者が出る」と言われてきました。
    最近、押谷さんは「医療が崩壊するといった最悪のシナリオが
    起きる可能性は低まってきた」と分析されています。
    日本では上手に、封じ込めている?
    
押谷  このウイルスを、完全に封じ込めることは難しいと思っています。
    日本はこれまである程度「制御」出来ています。
    日本は「医療レベルが高い」「多くの人が医療にアクセスできる」
    そして「多くの感染者を見逃してこなかった」ことが、
    爆発的な感染がおこらなかった一番の理由だと考えられます。
    同時に8割ぐらいの人は誰にも感染させていない。
    
淵澤  かかったとしても、誰かにうつしていない?

押谷  ある地域で感染者の方が出たら、
    必ず大きな流行になるというイメージを
    持ってる方が多いと思いますが、決してそうではない。
    僕らは「感染連鎖」と呼んでいますけど。
    「感染連鎖」は消えていってしまう。そういうウイルスなのです。
    その一方で我々が「クラスター」と呼んでいる感染者が
    たくさん出ること。
    そういうのが、繋がってしまうと大きな流行になります。
    そういうことさえ防いでいけば、大きな流行は起こさないと
    いうようなウイルスだと我々は理解しています。
    
淵澤  でも感染力は弱いわけではないんですよね。

押谷  我々は「感染性」と言っていますが
    SARSと比べても感染するチカラはかなり強いです。
    一部の人が多くの人に感染させてしまう。
    そういうことが起こるのでいま、世界中で大きな流行が起きていて、
    日本でも流行が拡大してきたということが、
    背景にはあると考えられます。

淵澤  日本は頑張っているということですよね。

押谷  流行を出来るだけ抑えるような方向に来ていると考えています。

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >