3月15日(日)の放送では男子400メートルハードルの日本記録保持者の
為末大さんに子供の頃のお話をお伺いします。
淵澤 為末さんは子供の頃、陸上以外のスポーツもされていたそうですね。
為末 最初は水泳をやっていました。そして体操、空手もほんのちょっとやって
いました。この中で一番長くやっていたのは水泳ですね。
淵澤 陸上に行かれたきっかけは?
為末 これは簡単な話で、他のスポーツがダメで。
足だけ極端に速かったんです。
陸上以外はないでしょう、という状態でした(笑)
淵澤 消去法だったんですね(笑)
為末 ただ身体能力は非常に高くて。
サッカーや野球もやったんです。
サッカーをやるとボールよりも先に走ってしまう。
野球をやっても「アイツ盗塁しかしない」(笑)
だから陸上しかないと。
そこで初めて褒められて。
細かい調整もいらないですし。
小・中・高・大学と、ずっとやっていました。
すべての試験を50メートル走と面接で通ってきました。
特殊なキャリアです(笑)
淵澤 (笑)スランプの時期はなかったんですか?
為末 中学生で全国チャンピオンになるんですね。
でも高校に入って怪我をして。
身長と体重が中学校で止まってしまったので
そこから記録が出なくなって
このままだとマズイと思って、考えた結果、
ハードルに移っていきました。
大学に入ってもスランプがあって、大学4年でオリンピック。
この2つのスランプが大きかったですね。
淵澤 ご家族の支えは?
為末 うちの親は、子供が選択をする時、何も言わないんです。
高校、大学を決める時も事後報告でした。
それの一番良かった点は、
自分よりも夢中になっている人がいなかったことです。
子供に才能があると、親御さんの方が夢中になるというのがよくある
パターンで。そうすると子供は「アレ?これやりたいの俺だっけ?
お母さんだっけ?」となってしまう。
小学校の時、周りに足の速い才能がある子がいっぱいいたんですが、
親が夢中になるというのが自分にだけなかったのが、よかったですね。
失敗しても自分がやりたいと思ってやったことなので。
淵澤 為末さんが子供の頃に読まれて影響を受けた本、教えてください。
為末 絵本が大好きだったんですけど、小学校に入る前ぐらい
「おおきな きが ほしい」という絵本が好きでした。
庭にこんな大きな木があったら、家を作ったり、上に登ったりする
子供の空想の物語なんです。
空想をして、実現できるかもしれないと思う本が好きでした。