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末續慎吾さんがダイソンの創業者から感銘を受けた言葉

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ゲストは、
北京オリンピック男子400mリレー銀メダリスト、
プロ陸上短距離選手、末續慎吾さんです。
 


今回は、末續慎吾さん
『相棒』=「こだわりの用具」に迫りたいと思います。

―シューズですね?

メタスプリントというASICSの陸上スパイクです。
スパイクの底がぺったんこで、ハニカム状の突起物が全面に出てる。
これまであった陸上のスパイクとは違いますよね。
これが意外に走るんです。
以前のピンが6つとか、7つとかだったんですけど、
これはピンをなしにして、カーボンの突起物をつけて
地面をとらえて走るっていう構造にしたスパイクですね。

 

-これは世界中でこの仕様のスパイクが作られてる?

いや、アシックスならではだと思います。
世界で最初に作ったんじゃないですか。
このタイプを作るっていうのは。

 

-最初に履いた時の印象は?

大丈夫かこれ?って思ったんすよ。
ピンがないんで、地面をとらえてる感覚がないから。
地面を感じないんですよね。
地面とコミュニケーション取れてんのかなって感覚なんですよね。
でも、走ってみると「あれ?」って。
反発の力の感覚だったりとか、
自分が思ってるより突起物がしっかり地面を捉えていたり。
僕、体重68キロぐらいですけど、何回走っても強度は大丈夫です。

 

-今後主流になる?

僕は主流になるべきだなと思うんですね。
これはフラットなので、変に足の形状だったりとか
斜めの傾斜をかけたりとか負担かけてないんですよね。
そういった負担はないのかなと。
足に対してもあるところまでいけば、
安全なところが出てくるんじゃないかなと思ってるんですけど。
まだ開発段階的なところでもあると思うので。
これは多分まだ伸びしろがあるなってスパイクですね。

 

-いまは何が足りない?

一番大事なのは、
これって履いたらほとんどの人が速くなるんですよね。使いこなせれば。
使いこなせればってところを、どういう風なレベルまで落として、
この機能残して、一般の方に落とし込まれるってのが
ひとつの要素になってくと思います。

 

-欠点は?

とにかく硬いんで、体に負担がかかることもあるんで、
それなりに走る技術っていうのを身につけてないと
怪我にも繋がると思います。
これをずっと使ってるのはあまりオススメしないですね。
ここ一発のときに使う。そういうものですし。
裏が鉄じゃないので、摩耗していくんですよ。
やっぱり一発勝負の時に選択をすればいいんじゃないかなと思いますね。

 

-このスパイクを使用する選手は東京オリンピックにいる?

いると思いますよ。桐生くんは使うでしょうね。
あと何人か使ってる選手見たんですけど
400mの選手も使ったりしてますね。
意外とコーナーを走る系の選手も使い出したんだって。
曲がらないんですけど、曲がらないって言うのは反発が高い証拠なんで。

 

-日本の短距離選手が9秒台の選手が増えてきましたがギアの進化も関係してる?

ありますね、それはこれ履いたらそうだよねって思うところはある。
ギアとかトレーニングとか。外的要因はすごいです。
俺もあんまりそういうことは言わなかったですけど、
ギアはあるなって思いました。
 

-9秒台に行く選手が出てくると他の選手も続くのは?

やっぱりその子のこと見ますしね。
自分には何が足りないかっていう情報が生まれてくるんで。
そこから考えて増えていったんでしょうね。

 

 

リクエスト曲は?

 全力少年 / スキマスイッチ 

いくつになってもこういう気持ちでいたいっていうことと、
自分が全力で出来なくなってしまってる
自分との葛藤みたいなのもこの曲にあると思うんですけど、
ふとした時に聴きますよね。
聞いてモヤモヤすんなって時はなんかがあってみたいな。

 


そんな末續慎吾さんに金子がより突っ込んで聞いていくコーナー!

『金子の深堀り!』

   

「短距離選手は個人競技だ」と、リレーの銀メダルと個人の表彰台は比べ物にならない?

やっぱり僕らが僕らである所以と言うか、個人競技なんで。
短距離選手を追求するにあたって、
個人競技であるという哲学は持つべきだと思いますね。

 

-日本代表はリレーに注目が集まりますが、選手としては?

今の子はどう考えてるかわかんないですけど、
僕はその風潮に抵抗するかもしれないですね。
リレーはその延長線上にあるものだからって言うかもしれないですね。
自分は個人競技をやってるアスリートだから、
ただリレーとか団体競技がどうとかじゃなくて、
その本質を捉えた上で競技をやるって話しはするかもしれないですね。
頑固なんで(笑)

 

-後輩たちに期待することは?

実は僕、期待はしてなくて。
素直な、正直な競技者を見せて欲しいなと。魂というか。
もちろん今こういう状況でオリンピックを迎えたり、
世界と戦うにあたって色んな期待がかかってくる。
それはいいと思うんですよ。
ただそこに何か応えようとするよりも、
自分が今走って何を感じたかとか、どうなのかっていうのをちゃんと持って、
それを話しながら競技をやってほしいなって思いますよね。
今、登ってる山があるとするじゃないですか。
こっちが大変そうだなっていうのを汲み取って
「大変なんですよ」って言うんじゃなくて、
「意外に大したことないっす」って言ってみたりとか。
僕らと一緒じゃなくていい。
周囲の期待と一緒じゃなくていいっていう、
自分の言葉で、自分の競技でいいって思いますね。

 

-運営している「EAGLERUN」という陸上クラブについては?

子供もそうだし、おじいさんおばあさんとも走りますし。
おじいさんと孫、おばあさんと孫が来て。
その孫と関わりたいから来る人もいて。
走るのをきっかけに繋がるクラブ。
だから楽しそうにやってますよね。
何か問われるわけじゃなくて、非常に自由度の高いクラブです。

 

-「EAGLERUN」という名称に込めた思いは?

やっぱり地上を自由に走りたいっていう。
2012年ぐらいに、アメリカで一人で合宿してる時に、
ほんとに辛い練習をして、アメリカのある競技場の芝生のど真ん中で寝てて。
「なんでこんな辛いことしてんだろう」と。
また明日も練習やんなきゃいけないとかグチャグチャ考えてる時に、
頭上ででっかいイーグルが。初めて見たんですよね。
その時にパッと思いついた言葉というか。
あいつみたいにここ走りてえなーみたいな感じすね。

 


末續慎吾さんが今でも忘れられない言葉、大きなチカラになった言葉とは?
 

「Our mission is simple.Solve the problems others seem ignore」

これはお仕事で出会って。
ダイソンの掃除機って空気を操る会社なんすよね。
気流とかを徹底して考えるエンジニアが集まった会社なんです。
その会社の創設者のJames Dysonさんが
会社にこの言葉を掲げているんですよ。
これが日本語で言うと
「私たちのミッションはシンプルです。
 他人が見過ごす問題を解決することです。」
僕らが当たり前のように見過ごしてることを
徹底して考えるって言う姿勢でやってたらこうなったと。
僕も、当たり前に逃げてしまう気持ちになったり、
当たり前のように違和感を見逃すとかっていうことをやっていると、
僕がやりたいことって実現しなくて。
今、元気になる言葉っていうかね。
もうちょっと自分が30代前半の頃、本当に大変だった時に出会ってれば
ちょっと違ったのかなって思いますね。
どうしても、ミッションを増やすことが
頑張ってる気になるじゃないですか。
でもそれって空回りしてますよね。
僕らのトレーニングで言うと、いじめてるだけだし、
楽しくなくなっちゃう。
なるだけシンプルにして、あくまで当たり前のこと、
より多くの人が見逃す当たり前のことを見つめて、
問題であるとそれを見つめて解決するのがミッションであると。

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