• Facebook
  • Twitter
  • LINE

右代啓祐選手が武井壮さんから言われて衝撃を受けた言葉

  • LINEで送る

今週のゲストは、
陸上の十種競技で

3大会連続のオリンピック出場を目指す
右代啓祐選手です。 
 


 右代啓祐選手のプロフィール】

右代啓祐選手は、1986年、北海道生まれ。
中学時代に陸上競技を始め、高校3年の時に八種競技に転向、
国士館大学で本格的に十種競技を始め、頭角を現した。
2010年に日本選手権で初優勝し、以降、2015年まで6連覇、
おととしまで最多8回の優勝を誇る。
2012年ロンドンオリンピックには、
この種目で
日本人選手48年ぶりの出場を果たした。
2014年には、8308点を挙げ自身の持つ日本記録を更新、
アジア大会では金メダルを獲得。
2016年リオオリンピックでは、日本選手団の旗手も務め、
2021年、3度目の東京大会を目指している。

  



身長、体重は?

身長196cmの体重が95キロ、体脂肪率が3%。
脂肪を減らそうと思ってないんですけど、
結構食生活とか気にしたりとか、食事は力入れているので。
自然とトレーニングと食事の比率と言うか。
何か良い比率で脂肪が減ってくるんですよね。
昔から3%から5%を行き来するような感じだったんで、
シーズンになればだいたいキレキレな身体になっていくっていう。
インスタントとか見ていただければ結構バキバキのの写真あげてるので。

 

-なぜ10種競技?

高校2年生の時、走り高跳びと、やり投げの選手だったんですけど、
高校3年生に入る前のタイミングで、
先生に「種目転向しないか」って言われて、
初め断ったんですけど、先生の熱意に押されて。
「分かりましたじゃあ僕のやってる高飛びとやり投げも、
やらせてもらいますけどそれプラスで高校は八種競技なんですけど、
八種競技をやります」と。
 
-あっという間に結果が出た?
出てみたら北海道の高校新記録を18年ぶりに塗り替えられるような
大記録を出してしまって。そこで頭角を現して、
その年のインターハイが3戦目の大会になるけど、始めてから3ヶ月ぐらいですね。
その中でインターハイで2番になることができたんですね。
それまでの目標がインターハイで入賞できればいいなと思ってたんですけど、
入賞を超えて表彰台に上れるようになったっていうのは、
自分の居場所ってここだったんだなっていう。
尊敬してる先生、指導者の声がすごくきっかけになったわけですから、
大事だなっていうのはそこで感じて。その辺りから指導者になりたいなって思ったんですよ。
やっぱりその人の能力を見抜いたりだとか、
種目
変更って中々できるものじゃないと思うんですけど、
僕を導いてくれた先生にはすごい感謝してます。

 

-元々足は速かったんですか?

そんなに速くなかったんですけど、
小学生の時に走り高跳びの授業で、クラスでダントツ一番で
1メートル35センチを跳んだんです。その時のクラスの歓声というか、
「すげーやっぱ違うな」みたいな感じの空気が、
僕のなかで今でも忘れられないんですけど、
そこから陸上を始めようって思いましたね。
陸上ってこんなに面白いんだって。

 

リクエスト曲は?

 虹 / ゆず 

中学生の時からゆずさんが好きで、
ギターを弾き始めたのもゆずがきっかけだったりとかするんですけど、
それこそ緊急事態宣言が出始めの時に、
家族でよく聞いてたのがこの「虹」なんですよね。
妻が「虹」をずっと聞いてて、そっから子供が歌いだして、
僕もギター持ってきてみたいな感じで。
みんなでハモったりとか、家族でするようになったりするぐらい、
緊急事態宣言中は朝から晩までギター持って
みんなで歌ったりとかしてたっていう思い出があって、
今でも車で移動する時に、
家族で大合唱しながらっていう思い出があります。

 


そんな右代啓祐選手に金子がより突っ込んで聞いていくコーナー!

『金子の深堀り!』


十種競技をされていますが、やはり「走り高跳び」は特別な競技?

やっぱり得点源にはなってますね。高跳びの自己ベストはそんなにで、
2 m6cm飛ぶんですけど、最も得意な種目は、投げる種目。
「砲丸投げ」「円盤投げ」「やり投げ」の3種目。
この種目の合計得点を世界で比較すると5本の指には入る記録を持ってるんです。

 

-元々得意だった?

やり投げは高校の時もやってたので、
そこそこ得意ではあったんですけど、
円盤、砲丸は当時未知の種目でしたね。
やっぱり体重が重ければ重いほど地面から上半身に伝えるパワーってのは
ものすごい大きなものになるんですけど。
そういう意味では自分の体の体重コントロールっていうのは常にできてないと。
ほったらかしにしてたらすごくデカくなっちゃって。
そういう自己コントロールは、ものすごい重要かなと思ってますね。

 

-弱点は?

走る種目なんですよね。
陸上の原点なんですけど、やっぱり小さい頃から苦手意識があるんですけど。
やっぱりでもこの苦手を克服するために、
今は練習もやっぱり「走る」ことをどの種目よりも一番に考えて取り組んでますね。

 

-ヨーロッパでは十種競技のリスペクトがすごいですが、なぜ?

感動したのが、ロンドンオリンピックの時なんですけど、
6~8万人が会場に押し寄せて。
僕が棒高跳びをしていて、4m90cmを2回失敗してて、
次失敗したら競技終了だったんですけど、
3本目のスタートの瞬間に6万人の人が立ち上がって、
僕の「ウシロ」っていう名前を呼びながら手拍子して後押ししてくれたんです。
国籍関係なしに一人の日本人の十種競技選手の
「ウシロ」ってやつをみんなが応援してくれて。
初めてですよ人の応援とか声で、地面が揺れるというか震えた。
「ここで成功しないと駄目だな」って思いながら、無心で。
見事、余裕で超えて。観客達がもう割れんばかりの歓声で。
みんなが抱き合ったりとかしてて。
「スポーツってこういうところなんだな」っていうのを
初めてオリンピックで見ることができましたね。

 

-聞いてるだけで目頭が熱くなりますね。

本当に国籍は関係ないのに、そこまで出来るって
それがスポーツの価値なんだなっていうのを見て。
やっぱり自分がロンドンオリンピックを経験したことによって、
次はリオだったり、今回の東京だったりとかするんですけど。
オリンピックでメダルをとった時に、
十種競技の選手だけじゃなくて、
一人のアスリートがメダルを取るっていうのは
これだけの価値を生み出すことができるんだろうなって。
それこそ沢山の人に力を与えられるんだろうなっていうのを思ってるんで。
そこでメダルを取って、自分自身も頑張った証になるし。
やっぱ形として残るものって、メダルしかないじゃないですか。
それに向かって、たくさんの人達の希望になったりもするんだなって。

 

-そういう話を聞くと、
やっぱり満員のお客さんの前でプレーしてほしいって気持ちが強くなっちゃいますね。

そうなんですよ。今、観客の制限をするっていう話も出てきてて。
なかなか多くの観客の前で競技ができるかって言ったら、
ちょっと難しいなっていうのが僕の印象ですけど。
オリンピック自体は一度延期になって、
今回やるっていう方向で動いてくださってるので、
そこはもう新たな形として自分も受け入れて。
オリンピックに出るっていう事がまず大事だと思って。
それこそ、その先の大会だったりとか、
いろんな大会でもっとたくさんの人に応援してもらえるようなきっかけが、
東京オリンピックになればいいなと思ってるので、そこは割り切るようにはしてます。

 


そんな右代啓祐選手が今でも忘れられない言葉、大きなチカラになった言葉とは?

『十種競技だけやっても強くならないぞ』です。

今、タレントで活躍されていて、
元々は十種競技選手だった、武井壮さんの言葉です。
実は、武井壮さんに指導してもらってた時期がありまして、
2009年から2年間、日本陸連の特別臨時コーチで武井さんが入ってきてくださって。
その中で「陸上の技術をお前らは考えてるけど、
それこそ高跳びの跳躍を失敗しました。
その時コーチから、
「踏み切り足をもうちょっと強く地面を踏んで」ってコーチが言ったとしたら、
お前それできるか?できないだろ?なんでだと思う?」っていう話になって。
「僕の技術が足りないからです」って答えたんですね。
それは一般的な答えだったんですけど。
「違うだろ。お前は陸上でその技術を手に入れようと思ってるかもしれないけど、
体を自由自在に動かすために、必要な能力を磨いたりしてるか?」っていう話になって。
「まぁ運動神経はいいし。そこそこいろんな種目やってるんで」って答えたら
「じゃあ逆立ちしてみろよ。俺と同じ体勢になってみろよ」みたいな感じで、
逆立ちで倒立歩行したり、横に歩いたりしたんですけど、
全く僕はできなかったんですよ。
「お前さ自分が逆立ちした状態で、体のコントロールもできないのに、
陸上選手としての能力あげようって無理に決まってるだろ」みたいな話になって。
雷に打たれたかのようにショックを受けたというか。
陸上以外のところでのアプローチって全くしてなかったなって。
陸上だけやってると結果が分かってるんですよ。
もも上げをしたら走りがどうなのかとか、
足速くなるためにこれをやったら速くなるみたいな、
なんとなく基礎みたいなものは自分の中でも出来上がってるんですけど、
新たなスポーツから陸上につながりを探すっていうのはもう新しい刺激で、
楽しくて仕方なかったですよ。
あの時の武井さんの「陸上だけやっても強くならないぞ」っていうのは、
僕の今の人生っていうか。
競技人生だけではなくて、
自分がいろんな能力を手に入れるために
行動することの大切さってのは教えてもらいました。

聖教オンライン

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >