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不甲斐ない試合をした後、迫田さんがマネージャーから言われた言葉

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今週のゲストは、
元バレーボール女子日本代表で
ロンドンオリンピック銅メダリストの
迫田さおりさんです。

 

 


今回は、
迫田さおりさんの『相棒』=「こだわりの用具」に迫りたいと思います。

本当に私の競技人生でずっと持っていたものなんです。
「チューブ」なんですけど。
ロンドンオリンピックが終わった後に肩を故障してしまって、
そこからはもう欠かせないですね。
ウエイトトレーニングでガンガン重りを持って、
周りの筋肉をつけていくっていうのも大事なんですけど、
筋肉の中のインナーマッスルを鍛えるのも大事じゃないですか。
そのトレーニングにすごく使ってましたね。
今は見るのもちょっと「あっ!」て思います。(笑)

 

-銅メダルかけた韓国との一戦でスタメンを伝えられた時は?

「は!」って。目が点ですよ。考えてみてください。
メダルがかかった最後の試合、
今までスタートにあまり出てなかった自分が「スタートだよ」って言われた時、
どう思いますか?本当に目がまん丸で。
「眞鍋(監督)さん、何言ってるのかな?」っていう。
24時間が全然違いましたね。緊張と戸惑い。
でもやってやるっていう思い。
「でも、できるかな?」「でも、やるんだ!」っていう。
気持ちをコントロールというか、いいイメージを持つことに集中していました。
今までやってきたことをやる、3位決定戦っていうのをあまり意識しない。
ってことですかね。

 

-準々決勝で中国と対戦、
これまでオリンピックでセットすら奪えなかった中国に3-2で勝利して、
24年ぶりにベスト4に進出。
準決勝ではブラジルと対戦してストレート負けを喫して韓国戦を迎えました。

私は、ブラジルに負けたからといってガーン!とはならなかったんですよ。
チームは残念ながら金メダルは無理になってしまったんですけど、
勝つことに意味があるので。
まだメダルも狙えるっていうところで、選手もスタッフも、
誰一人として諦めてる人はいなくて。
勝ちに行くっていう思いで逆に上がってたので、
自分もメンバーとして気持ちは下がってはいなかったですね。

 

-韓国戦が始まってからは?

今日の私はいけるって言う思いで行かないと、駄目なので。
今日の私、大丈夫かなって当日とか試合前とか思わない。
絶対思ったら負けるので。竹下さんからトスを上げてもらったボールは全部決める。
ずっとコートの中にいる。
「行け!」です(笑)

 

-勝利の瞬間は?

「勝ったんだぁ。すごい場所にいさせてもらったんだぁ」ってことですね。

 
-人生変わりましたか?

すっごく。とっても変わりました。
想像してなかった人生を今も歩んでます。
もし少しでも違ってたら、ここにもいさせてもらってないですし。
オリンピックでメダルを取った人みたいな感じで思ってもらえてますし。
自分の中では(メダリスト)っていうのはそんなになくって。
取らせてもらったというか、竹下さんとか佐野優子さんとかが本当に。
歯を食いしばって頑張ってきた先輩方がいたからこそ獲れたメダルでもあるし。
たまたま、メンバーに入れただけでありがとうございますって感じですね。

 

-そこで次は違う色のメダルをという思いは?

特に(笑)。まず目の前の事って感じでしたね。
「燃え尽き症候群」ってすごい言われるんですけど、
「それなんだろう?」って思って。
まあでも言われるんだったらそんなもんですかねって。
 

  
リクエスト曲は?

ライオン/ベリーグッドマン

この曲を聴いたら、仲間の大切さだったり、
すごい「わかるわかるわかるわかる!」って思いにさせてもらえるんですよ。
なのでこの1曲を選びました。

 


そんな迫田さおりさんに、金子がより突っ込んで聞いていくコーナー!

『金子の深堀り!』

 

リオオリンピックは1回目とは違った?

違いました。年齢が上になったので。
チームもガラッと変わったんですよ。
また全然違ったオリンピックになりましたね。

 

-結果はベスト8でした。気持ちに違いは?

こんなにも違うんだなーっていうのをこう気付かせてもらいましたね。
メンバー全員で、絶対メダルを取るっていう思いで臨んで、
4年間練習してきてたんですけど、こんなにもメンバーが違うだけで、
こんなにもバレーボールっていうものも変わってしまうんだなーっていう風に思って。
改めてバレーボール面白いなって思いました。
人も変われば、バレーボールも変わる。
求められるものも変わる。スタイルも変わる。
同じバレーボールをしているのに、全然違うバレーボールしてるみたいで。
それは眞鍋さんが監督をされていたので気づけたことにもなりますね。

 

-ロンドンオリンピックの後、辞めようと思ったことは?

毎年、毎年やめようと思ってました(笑)
トレーニングが元々嫌いだったんですよ。
でも、本当に鬼みたいなトレーニングをしてて。
本当辛かったんですよ。本当に辛くて、トレーナーさんと喧嘩になるぐらい。

 

-練習の虫というタイプではない?

ないです!ないです!(笑)
なので、本当にメンバーに恵まれたんですよ。恵まれすぎなぐらい。

 

-でも、それが銅メダルをかけた試合で23点?

それも、多分本当に竹下さんとかが、
良いところに、いい時にトスをあげてくれるんですよね。

 

-大一番で目が点になったのに結果を出せるのはすごいですね。

目が点は隠してましたよ(笑)
眞鍋さんにバレたら絶対だめじゃないですか?
そういうのはわかってたので、目が点は隠してて、心の中で点だったったんですけど。
「やってやります私。見ててくださいね」って外から見た私。
心の中は「どうしよ!どうしよ!」

 

-そこは芝居ができるんですね。

先輩に「コートの中では女優になりなさい」って言われてました。
痛くても痛いところがないですって見せるぐらいじゃないと。
「コートから出たら仮面を脱いでガンガン泣いてもいいから、
コートの中だけは強い自分を作りあげときなさい。」って教えてもらって。
本当に周りの人たちに助けられたんです。
私一人でこうなったわけじゃなくて、いろんな方の言葉や、
行動に本当に助けてもらって。
あんなメダルをいただけたんですよ。

 


そんな迫田さおりさんが今でも忘れられない言葉、大きなチカラになった言葉とは?
 

「スタッフや仲間をもっと信じなさい。
 思い切ってプレーしてほしい。」

これはロンドンオリンピックの時に代表のマネージャーから頂きました。
本当にダメな試合をした時があって、
不安いっぱいな私そのままでやってしまったんですよ。
決まっても喜ばない、ミスしたらすごく落ち込む。
周りとのメンバーの目を見ない。
っていう試合をしてたら、
マネージャーから夜にメールが届いて。
「きょう『リオのせいで負けたんじゃないよ』って周りは言うかもしれないけど、
私はそんなことは言わないよ。本当に最低だったよね。
もっと周りを信じてほしいし、仲間を信じてほしい。
バレーはコートにリオの他に5人も仲間がいて、
外にもメンバーがいて、スタッフもいて。
みんな仲間なんだからそういう風に私達は練習してきたんだよ。
もっと信じてリオらしくバレーボールをしてほしい。」ってメールが届いて。
厳しいっていうより愛でしかなかったんですよ。
そんな直で言ってくれる人なんていないじゃないですか。
未だにそのメールは保存してます。
(宮崎)さとみさんっていうんですけど。さとみさんはやっぱりみんなわかってたんですよ。
さとみさんには見抜かれてるし、直接、
メールが来るのもやっぱりさとみさんだなって思いましたね。
すっごい素晴らしいマネージャーなんですよ。

 

-「信じなさい」と言われてどうすればいいんですか?

もうこれだけのエネルギーを使って、
私に言葉を届けてくれたことで信じられます。
さとみさんはコートに入ってなくても仲間なので。
さとみさんのために頑張ろうとか、
さとみさんが見てくれてるんだから、
さとみさんがメールを送ってよかったって思ってもらえるようなプレーをしよう。
それが決まる決まらないじゃなくて、
ミスしても超良かったよって言ってもらえるようなプレーをしようって。

 

 

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