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北田雄夫さんが大学時代の怪我から学んだ言葉

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今回のゲストは、

世界七大陸のアドベンチャーマラソンを

日本人で初走破した孤高のランナー、北田雄夫さんです!

 

 


今回は、
北田雄夫さんの『相棒』=「こだわりの用具」に迫りたいと思います。
 

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シューズですね。やっぱり走る環境によって変わるんです。
寒いとこ暑いとこ、山にいくとこ。
それぞれの環境に合ったシューズを変えて工夫してますね。
根本的に言えば市販のランニングシューズがベースになります。
そこから、寒かったらインソールを増やして、地面からの保温性を増すとか 、
寒い時はゴアテックスのものにしますし。
暑いとこは砂が入らないように加工したりとかですね。

 

-ランニングシューズは寒さに耐えられる?

本当に一番寒いとこ行くときは、サイズを通常の3cm上げて、
靴下を超極厚のウールのものと、
もう一枚、汗を外に逃がす速乾の靴下をインナーに履くので、
ちょっと大きくしたりとかしてますね。

 

-靴の中でマメができやすくなったりしませんか?

そうなんです、そこがなかなか難しいんですよ。
なので、靴下の素材も一枚目のインナーと外の素材はどうするのか。
ゴアテックスは良いのか悪いのか。あとオーバーシューズっていう、
ウェットスーツみたいな素材でできてる、靴の上から履くシューズみたいなのもあって。
あとはマメ対策で、テーピングがいいのか、クリームを塗るのがいいのかっていう。
なかなか答えがないんですけど、試行錯誤しながらやってますね。

 

-他には?

シューズ以外だと、「手帳」ですね。

競技では実際使わないんですけど、
ずっと学生時代から紙に書く手帳を使ってまして。
自分のトレーニングの内容だったり、
その時のトレーニングでどこが良かった、悪かったとか。
ネットで情報がないこともたくさんあって、
自分の体だからこそ起こる症状だったり、対策があるんですね。
 

-具体的にはどんな対策がある?

例えば食料。普段はスナックがよくても、100km走った時だと違ったりするんです。
それが気温が25度だったら食べられるものと、
45度で食べれば、また違ったりするんですよね。
寒いとこだともっと甘いものが欲しくなったりとか。
マイナス30度だと水分が凍ってしまうので。
そういうものを日々実験して、
その検証結果を書いていかないと改善していかないので。

 

-どんなトレーニングをしている?

基本、走るのは同じですけど、特殊なものでいえば
大阪-東京間の500〜600kmをリュック背負って走ったりとか。
レースがそれぐらいあるので、練習でもそれぐらい走らないといけません。
砂漠に行く前は100%熱中症になるということで、
その前に自分の体の限界値を知らないといけない。
それで、どこまで行ったら自分の体に異常が出るのかっていうことで、
38度の猛暑日に1日10時間走ったりとか。
1日目は多少フラフラして、2日目に10時間走ったら頭痛とちょっと吐き気が出てきて。
それで、まだいけるなと思って、3日目で10時間走ったら言語障害が出てきて。
人と話そうと思っても喋れないんですよね。
そこで改善案を手帳に書くっていう感じですね。
  

-他にはどんなトレーニングをしている?

例えばレースでは寝ずに行くっていうこともあるので、
じゃあ寝ないで走ったらいいんじゃないかみたいな。
砂漠で1000km走るレースがあったんですけど、
レース中に寝ずに走ったら一番速いだろと思って。
人間どこまで走れるかってネットで探しても出てこないんですよ(笑)。
じゃあやるしかないということで、富士山の4ルート全部行こうと。
皆さんがよく行かれるルートで、5合目から山頂を走りました。
それで、全ルートを53時間寝ずに走ったら案外、幻覚が出なくてまだいけるなっていう感じで。
一旦そこでテスト終わったんですけど53時間は追い込んでも大丈夫だなっていう結果になりました。

  
リクエスト曲は?

DOOR / コブクロ

「行くしかないだろう!」という歌詞があって。
「進むべき道なんて自分できめるのさ」
「不安や恐れに足元をすくわれそうになるけど」
「 巡りくるこの時に 逆らい続けよう」
「もう行くしかないだろう!」ということで。

 


そんな北田雄夫さんに、金子がより突っ込んで聞いていくコーナー!

『金子の深堀り!』

 

-アドベンチャーマラソンはどこで見ることができるんですか?

テレビとかではやってないので、リアルタイムは難しいんですけど。
これまで僕が走ったものはYouTubeでご覧いただけます。
僕、実は一回目の大会から撮影をしながら走ってまして。
携帯を持っていったり、今は「アクションカム」っていうカメラ持って行ったり、
何台か持っていってます。

 

-10gでも持ちたくないのにバッテリーを持つのは大変なのでは?

そうなんですよ。
でも映像撮りたいし、この世界観、
体験は自分だけしかできないので共有したいなと思って。
色々取り方も工夫して、僕は走り去っていくシーンとかも取るんですよ。
自分でカメラ置いておいて走って持ってくるっていう。
本当にタイムを争ってる方にはちょっと怒られるかもしれませんけど(笑)

  

-レースでリタイアしたことは?

僕はないんです。幸い、なんとかかんとか行けてます。
リタイアした人はスタッフがいるポイントまで行けば、
そっからなんとか運んでくれるんですけど、無線もある大会と、ない大会がありまして。
大会側から支給される大会もあるんですが、そういう大会ほど環境が厳しい。
だから持たされるっていう。
あと、多くの大会でチェックポイントは5〜10kmぐらいなんですけど、
来年挑戦するアラスカのレースが、
一番長い距離のチェックポイント間が160kmなんです。
160kmを自分の力だけで行くっていう。
かなり危ないです。マイナス40度になるかもしれないので。

 

-恐怖心はないんですか?

あります(笑)まず未知に対する恐怖は強いですよね。あと実際知ってる恐怖。
この痛みをこれから何時間も味わうっていう。
それを考えるだけでも恐怖ですよね。
夜もほとんど寝ずに行くので単独一人で誰とも会話せず12時間真っ暗な中、
ライト一つでマイナス40度の中を進む。
でも人類にはそれを超えてる人がいるんですね。
日本人はいないですけど、まだ何とかなるんじゃないかと思ってチャレンジはします。

 

-今後、やってみたいレースは?

日本でできれば、チャンスがあれば作りたいなと。
2つやってみたいのがあってですね、真冬の知床網走。
世界遺産でもありますし、流氷の上をコースにして。
ちょっとはまったら危ないぞと言うので恐る恐る行けそうかなと。
ちょっと時期がずれたら流氷が流れてくっていう。
あとは夏の奄美大島マングローブ。
みんな腰ぐらいまで沼にハマりながらワーワー言いながらゴールを目指すという。

 


そんな北田雄夫さんが今でも忘れられない言葉、大きなチカラになった言葉とは?
 

「今が大事。」

大学時代に、陸上競技の短距離をしてた時に出会った、
相田みつをさんの言葉なんですけど。3年生の時に、関西の大きなインカレの競技前に、
肉離れを起こしたんです。ほんとその時、落ち込んでしまって。
でも、本番のレースで起こってたらどうしようもないじゃないですか?
その時は、一週間前とかだったんで、
なんとかやりようがあると思っていたんですが、
結果、やっぱり難しかったんですけど。
でも、そこですごく自分の考え方が変わったと言うか、
きっかけをもらった言葉ですね。
将来のことを考えたりするんですけど、
それよりも今の積み重ねがすごく大事だと思いますね。

 

-アドベンチャーマラソンの魅力とは?

色々あるんですけど、今日はちょっと視点から言うと、
「くたばれること」ですね。
日常生活で仕事してても、
「あー、もう限界」ってなかなかすぐにはなれないんですよね。
アドベンチャーマラソンはすぐなれるんですよ(笑)
そこに向かった時に色んな発見、成長を感じることができるんです。
走れる距離が長くなるとかも、弱い自分を乗り越えたっていう。
それがリアルに、強く味わえるのが
このアドベンチャーマラソンにはすごくありますね。

 

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