• Facebook
  • Twitter
  • LINE

佐々木明さんが大事にしているピンチの後には…に続く言葉とは?

  • LINEで送る

今回のゲストは、
アルペンスキーでオリンピックに4度出場、
ワールドカップでは、
日本人最多の3回表彰台に立った佐々木明さんです。



今回は、佐々木明さんの『相棒』=「こだわりの用具」に迫りたいと思います!

−この番組史上最もたくさんのギアを持ってきてくださいました。まずは?
山岳スキー、三種の神器の一つ、スコップですね。

雪崩があった時に救助するアイテムです。
自分の為ではないです。
山の中では鉄則として、
バディや山の中に入っている人に何かあった時に
自分がしっかり動けるかどうかが大事です。
 
 
−三種の神器2つ目は

「プローブ」という道具で、
30センチくらいの金属の棒、
8本が紐で繋がっています。

連結すると3mくらいになります。
埋没者を探すためのアイテムです。
だから手からの感触を覚えてないといけないんです。
人間に当たった時、スノーボードに当たった時…。
骨が折れたときには添え木にもなります。
 
 
−三種の神器3つ目は?


「ビーコン」ですね。
山に入る人間は必ず全員付けなければいけません。
全員これを付けて送信モードにしておきます。
誰かが埋まった時に、他の人は受信モードにします。
そうすると、埋没している人を探せるんですね。
これらの三種の神器が無ければ山に入ってはいけないんです。
 
 
 
−山岳スキーって命かけ過ぎませんか?
オリンピックがエゴだからといってこっちの世界に来たのに、
その先がエゴでしたよ(笑)
アルペンスキーの最後の5年間、そして山岳スキーの5年間、
ずっともやもやを10年間繰り返してきました。
そんな中、モンゴルの最奥地、温暖化の影響を
もっとも受けていないといわれている氷河地帯で活動していたときに
地球の温暖化を目の当たりにするわけです。
 
 
−どんな風な?
ここ10年で何キロ後退したとか。
ベースキャンプを小川の近くに作るわけですが、
小川が枯れたときの水を運ぶ大変さとか。
水資源の問題と温暖化って直結しているので、
スキーをして何かを発信するのではなくて、
何かを発信するためにスキーはあるんだなという考えに変わりました。
モンゴルのトリップがそう感じさせてくれました。
これからは、もっと分かりやすく、ただ滑るだけでなくて、
学者なんかもグループに入れて、
その土地の環境をしっかり研究して
それを世界に発信にできるような、
そういうトリップをしていこうという考え方に変わりました。
 
 

 
−リクエスト曲は?

FIRE BALLの「Missing You」です。

震災も含めてなんですけど
僕の
大切な人、仲間たちが、
いつ命を無くすかも知れないという中で、
やっぱり大切な人に感謝、リスペクトしていこうねって曲ですね。
大切な人にいま「ありがとう」って伝えておいたほうがいいなって。
自分がいつどうなるか分からないですしね。

 


そんな佐々木明さんに、金子がより突っ込んで聞いていくコーナー!
『金子の深堀り!』

 
-ギアをもう一つ持ってきてもらったアイテムが?
黄色と黒の完全に阪神カラー。
The North Faceの全世界のプロダクトなんですが。
来年、再来年と生かされていく、
テスト段階のダウンジャケットです。
ダウンジャケットって汗に弱いんです。

僕らは、山岳地帯を何十時間、何日も登る中で、
普通のダウンジャケットは、使えない瞬間が出てくるんです。

山だと乾かないですし。
いま、僕らを含めてThe North Face契約のアスリートが
開発をしているのがこのダウンジャケットです。
簡単に言うと、動いていると通気をして、
停滞すると高温になるというシステムです。
 
 
-発売価格はどのくらいになるんでしょうか?

どうなんでしょう、4~5万でないかなと。
もっと高かったらすみません。
The North Faceは、
ファッションでもなければ、
ジャケットを売るブランドでも無いという自負があるんです。
命を守るマテリアルだという想いで、

僕らが極限の中でプレーをし、テストをして反映しているので
十分プライスにあっているのではないかと。
  
 
 
-結局、防寒ではダウンになるんですか
シチュエーションによりますが、
究極に寒いところ、それは活動というよりは、
穴を掘って停滞しているときは、一番上に着るんです。
もしくは、一番下、肌に一番近いところ。
実は、肌に一番近いところに着るのが温かいんです、

でも、極限のあの寒い山の中で着替えてられないので。
選ぶアイテムは、本当にシチュエーションによります。

 
 
-山男というと大酒飲みなイメージなんですけど、山岳スキーでは?
みんな持って行ってます(笑)
でも、僕お酒飲めないんですよ。
こんなオールバックなのに、鮭とば食べてるのに(笑)
でも、谷川岳に入る時だけは、

谷川岳の水を使った「谷川岳」ってお酒で
自分の体を清めるために一杯だけ飲むようにしています。
 
 
-アルペンスキーヤーでW杯を転戦する選手って、
ヨーロッパではスーパースターじゃないですか、
それが雪山で穴を掘って…よくぞそこまでしますよね?

雪がそうさせるんですよね。
自然が美しいからそういうことをしたと思うんですよね。

最高です!

 


そんな佐々木明さんが今でも忘れられない言葉、大きなチカラになった言葉とは?
『ピンチの後は大ピンチ』

これ深いな~と思ったんですけど、
僕の小学生のころからの大先輩、井山 敬介さんの言葉です。
北海道富良野市出身で、全日本ナショナルデモンストレーターで、
スキー教師たちにスキーを教えている方です。
「お前ね、ピンチの後にチャンスが来るなんて思ってるから
次の失敗の時に心が崩れたり、突き進めなくなるんだ。
ピンチの後は常に大ピンチが来るから、
そういう心の準備をしていることで、どんな壁も打ち破れるよ」
と、僕が一番結果が出ていなかったときに言ってくれて。
大丈夫だよって言ってくれる人ばかりだった中で、
こう言ってくれたんですよね。
なるほどなと。
それで大ピンチに対しての心の準備をして、
マネジメントをするようになって、
普通に切り抜けられるようになりましたね。
いま何をするべきかを感じさせてくれた言葉だったなと。

聖教オンライン

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >