古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2026.02.08

2026年2月8日放送『歌世界の中の通信』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第194回目のテーマは『歌世界の中の通信』。

手紙・電報・電話・電子メール・SNS…

著しい発展を遂げてきた「通信」は、歌世界の中でも人間模様や時代感を

ドラマティックに司るツールとしてなくてはならないものです。

そこで今回は、

時代と共に移り変わる「歌世界の中の通信」をテーマにお送りしました。
 
 
まず1曲目は、高橋由美子さんで「バスルームのキャッチホン」。
 
「プッシュホン」という言葉の響きが歌詞と相入れずにいた時代、
 
ドラマを築く上で台頭したのが「キャッチホン」でした。
 
キャッチホン、正確には「Call waiting」という割り込み電話サービス。

このサービスが本格的に開始されたのが1985年頃で、

その後インターネット時代になってからも

ダイアルアップ式の通信が存在した2016年まで続きました。

1996年における「バスルームのキャッチホン」。

とうに弾けたバブル景気を引きずりながら、トレンディーライフに邁進する女性像が凝縮されています。

家電、ハンドレス、さらには防水機能というモバイル時代との端境期を描いた楽曲です。

 

2曲目は、小林麻美さんで「哀しみのスパイ」。

続いての「通信手段」は、「電報」です。

「電報」というと、もはや祝電か弔電が思い浮かびますが、

一方で「不穏な空気感」を醸すのも電報のなせる業です。

この「哀しみのスパイ」作詞はユーミン、作曲は玉置浩二さんです。

東西冷戦下にあった不穏な時代感を歌詞に落とし込むのは

この頃のユーミンの十八番でもありました。

さらに続けてお聴き頂いたのは、松任谷由実さんで「Miss. Broadcast」。

こちらに登場するのは「国際電話」です。

国際化、グローバル化が叫ばれた90年代、何よりも競争が激しかったのが、

この「国際電話市場」でした。

キャリアウーマン、バイリンガル、インターナショナル、アンカーウーマン。

まさに「女性の時代の到来」をこれでもかと詰め込んだ楽曲です。

 

4曲目は、槇原敬之さんで「印度式」。

こちらに出てくるのは、「Fax」です。
 
こちらも電話時代とメール・インターネット時代の架け橋として忘れてはならないツール。
 
電話とファックスが一体化した「おたっくす」が皆さんの家にもありませんでしたか?
 
送れていないと思って何度も送信した経験、皆さんも一度はあるのではないでしょうか。
 
さらに続けてお聴き頂いたのは、星屑スキャットで「私らしく」。
 
90年代中盤、いよいよ「携帯電話」が普及し始めるわけですが、
 
こちらも忘れてはならないのが、「元祖・携帯電話」です。
 
自動車電話に始まり、重さ3キロにもおよぶショルダーホン(基本料2万円、通話料1分100円)、
 
まさにトレンディ―バブル時代における富の象徴。
 
そんなショルダーホンを想起させる描写が1988年の岩崎宏美さんの楽曲「私らしく」の中にあります。
 
「トランクに入れた電話が鳴り響く土曜日の午後」という一節。
 
今回は、星屑スキャットによるカバーバージョンでお聴き頂きました。
 
 
 
お別れの曲は、BEGINで「愛が走る」でした。
 
こちらに出てくるのは「ポケベル」です。
 
「ダイアルアップ回線」と「無線」と「暗号」と「モバイル」、
 
すべてが融合しながらも、ひたすら「一方通行」だった、まさに「究極のひとりよがり通信」。
 
これによって恩恵や束縛を受けたのは女性よりも男性ではないでしょうか。
 
「24時間オンコール」というハードな日常の中、
 
現実の感情も次第にバーチャル化していってしまう、そんな男たちの姿を描いた楽曲です。
 

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2026年2月15日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。