古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

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2025.07.13

2025年7月13日放送『外国人歌手が日本語で歌った曲』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第166回目のテーマは『外国人歌手が日本語で歌った曲』。

ただいま開催中の「大阪・関西万博」、なんだかんだで盛況なようですが、

外国のパビリオンに行きますと、日本語をまるでネイティブのように

流暢にしゃべる、その国のスタッフもいらっしゃいます。

歌謡曲の世界でも、外国人シンガーがかなり上手な日本語で歌っていて

ビックリすることがあります。

そこで今回は、「外国人歌手が日本語で歌った曲」をご紹介していきました。

 

まず1曲目は、フランス・ギャルで「夢みるシャンソン人形(日本語版)」。

セルジュ・ゲンズブールが作詞・作曲して、ヨーロッパだけでなく

日本でも大ヒットしたフレンチ・ポップスの代表曲で、

日本では当時、中尾ミエさんが、岩谷時子さんの訳詞でカバーしました。

フランス・ギャルは、岩谷さんの訳詞をそのまま歌っています。

(日本語のカバーを、本家がセルフカバーした貴重盤、ということです)

ただし、フランス・ギャルは日本語ができませんから、おそらく、

日本語をローマ字に直した歌詞カードを見ながら歌ったと思われます。

「♪ワ〜タ〜シィワ ユ〜メェミ〜ル シャンソン ニンギィヨウ〜」の

「ニンギィヨウ〜」のところは棒読みですが、そこはご愛嬌ということで…。

 

2曲目は、ミルバで「ウナ・セラ・ディ東京」。

この曲はご存じの通り、ザ・ピーナッツの代表曲ですが、

最初は「東京たそがれ」というタイトルで、1963年に発売されました。

サビに出てくる「ウナ・セラ・ディ東京」とは、

イタリア語で「東京での一夜」という意味で、当時のカンツォーネブームを

意識したんだそうです。でもこのときは、それほどヒットしませんでした。

その翌年・1964年に、イタリアからミルバが来日。

ミルバは日本では、ザ・ピーナッツと同じキングレコードと契約していたので、

「ミルバに『東京たそがれ』を日本語で歌ってもらったら?」という話になり、     

ならタイトルも変えようということで、ミルバの「ウナ・セラ・ディ東京」が発売になりました。

これが、ミルバの完璧な日本語もあって評判になったので、

本家のザ・ピーナッツもタイトルとアレンジを変えて歌い直したら大ヒット!

ミルバのカバーがなければ、この曲は埋もれていた、ということですね。

 

3曲目は、ヘドバとダビデで「ナオミの夢」。

ヘドバ(女性)とダビデ(男性)は、1970年に開催された

「第1回・東京国際歌謡音楽祭」(ヤマハ主催、世界歌謡祭の前身)に

イスラエル代表で参加。この曲を歌って、みごとグランプリに輝きました。

「日本でもレコードを出そう」ということになり、

2人は帰国するのを1週間延期。その間に日本語の歌詞が作られて、

突貫でレコーディングをしたそうです。

日本語がよくわからないまま歌ったにもかかわらず、

「ナオミの夢」は4週にわたってオリコン1位を獲得。

「ナオミ」は日本語に合わせたわけではなく、

旧約聖書にも出てくるイスラエルでは一般的な女性の名前で、

そんな偶然も、この曲のヒットにつながったのかもしれません。

 

4曲目は、ルネで「ミドリ色の屋根」。

カナダで10歳のときにデビューした「ルネ」ことルネ・シマールは、

1974年に「第3回・東京音楽祭 世界大会」に当時13歳で出場。

村井邦彦さんが作曲した「ミドリ色の屋根」を歌って

グランプリに輝き、日本でもこの曲でデビューすることになりました。

 当時、その可憐なルックスと、透明感あふれるボーイソプラノが

美少年好きな女性たちのハートを直撃! 

オリコン最高3位のヒットを記録しました。

ファンクラブも結成されて、ルネは変声期を迎えるまで2年間、

日本でも歌手活動を行いました。

現在、ルネは64歳で、カナダで歌手・俳優として活躍中です。

 

お別れの曲は、ポリスで「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ(日本語版)」でした。

この曲は、1980年にリリースされたポリスのヒット曲ですが、

1981年、ポリスが2度目の来日を果たした際に、

「来日記念盤」として、日本語バージョンがレコーディングされました。

なんと、あのスティングが日本語で歌っている、超貴重バージョンです。

日本語の詞を書いたのは、作詞家で英語にも堪能な湯川れい子さん。

「そうか、この曲はこういうことを歌ってたのか!」と

知ることができるんですが、スティングの日本語は、、、。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2025年7月20日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ミッツ・マングローブ

    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。