音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、
毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を
ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。
第162回目のテーマは『野球ソング』。
メジャーリーグでは、大谷翔平選手はじめ、日本人選手が今年も活躍。
日本のプロ野球は、セ・パ交流戦で盛り上がっています。
そしてもうすぐ、夏の甲子園の地方大会も始まりますし、野球好きの方にはたまらない季節がやって来ます。
ということで、今回は「野球にまつわる楽曲たち」をお送りしました。
まず1曲目は、宇多田ヒカルさんで「プレイ・ボール」。
2002年発売の3rdアルバム『DEEP RIVER』に収録されている
恋愛を野球に喩えたユニークな曲で、歌詞に
「♪ 九回の裏で魅せるピッチャーのように
I’m throwing my heart 一人でも続けると決めた misson」というフレーズが出て来ます。
9回ウラといえば、勝負が決まるクライマックス。
好きな人に愛を受け止めてもらえることを願って、自分の思いを全力で投げ込む。
恋する女性って、マウンドで孤独に戦うピッチャーにも似ているかもしれません…。
2曲目は、吉田拓郎さんで「ホームラン・ブギ2003」。
「ブギの女王」こと笠置シヅ子さんが、戦後間もない1949年に発表した曲を、
2003年に吉田拓郎さんがロック調でカバーしました。
作詞はサトウハチローさん、作曲は笠置さんの「東京ブギウギ」の作曲者でもある、服部良一さんです。
この曲、数え歌になっているんですが、「1と2」の次がいきなり
「♪5つ いつもの ホームラン・ブギ」になっていて、
なぜか「3と4」が飛ばされているんですね。
笠置さんの時代は、蓄音機で聴くSPレコードで曲を収録できる時間が短かったため、
やむをえず歌詞が短縮されたそうです。
54年後にこの曲をカバーした拓郎さんは、あえてオリジナルのまま、
歌詞を変えずに歌っています。
3曲目は、矢野顕子さんで「行け柳田」。
「柳田」とは、1970年代にジャイアンツで活躍した柳田昌宏選手のことです。
1976年・77年、長嶋茂雄監督のもとでリーグ連覇に貢献。
勝負強いバッティングで「巨人史上最強の5番打者」と呼ばれた柳田さん。
ニックネームは「マムシ」で、理由は「毒蝮三太夫さんに顔が似ているから」。
歌も得意で、引退後は演歌歌手としてデビューしたそうです。
「柴田・高田・張本・王・柳田・土井・河埜・吉田」という
1977年当時の巨人のオーダーが歌詞に出て来ます。
4曲目は、石野真子さんで「完全試合」。
作詞の阿久悠さんは、のちに小説『瀬戸内少年野球団』を書いたほどの野球好きで、
真子さんのセカンドアルバムに書き下ろした曲です。
真子さんも当時、草野球チーム「プリティーズ」を結成して監督を務めたり、
野球は嫌いじゃなかったご様子。
5曲目は、LINDBERGで「もっと愛しあいましょ」
この曲は、1995年にリリースされたシングルで、
「♪たしかイチローが満塁ホームラン打ったあの日以来会ってないわよね」
という歌詞は、イチローさんの存在が当時社会現象になっていた証です。
イチローさんは1994年、オリックスで史上初の200本超えとなる
シーズン210安打をマーク。この年から7年連続で首位打者になり、
2001年からメジャーリーグ、シアトル・マリナーズに移籍。
1年目に首位打者となり、2004年にはメジャー記録を84年ぶりに
塗り替えるシーズン262安打を記録しています。
メジャーで最初に野手として成功した日本人選手であり、大谷翔平選手の
メジャーでの活躍も、イチローさんを抜きにしては語れません。
ちなみにこの曲が出た1995年、イチローさんは4月4日と
6月10日に満塁ホームランを打っています。
このカップルが最後に会ったのはどっちの日なんでしょうか?
お別れの曲は、松任谷由実さんで「ようこそ輝く時間へ」でした。
「まぶしい草野球」という名曲もあるユーミンですが、この曲は
1982年発売のアルバム『PEARL PIERCE』のオープニング曲で、
カップルが、後楽園ゆうえんちの乗り物「スカイフラワー」に乗って
当時その真下にあった後楽園球場を見下ろす歌です。
東京ドームと違って、後楽園球場は屋根が付いていませんでしたから
シューッと高く垂直に上がっていく「スカイフラワー」に乗ると、
試合中のグラウンドが覗けたんですね。
後楽園球場は、この曲が出た5年後の1987年限りで閉場。
お隣に建設された東京ドームに役目を譲って、取り壊されました。
「スカイフラワー」はその後もずっと残りましたが、
去年の1月に惜しまれつつ営業を終了しています。
番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、
mco@1242.com までお寄せください。
お葉書は、
〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。
次回の放送は、2025年6月22日(日)17:30〜です。
どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!
2025.06.15
2025年6月15日放送『野球ソング』
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