古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2025.05.18

2025年5月18日放送『まぶしい曲』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第158回目のテーマは『まぶしい曲』。

歌詞やタイトルに「まぶしい」という言葉が入った曲を色々とお送りしていきました。

 

まず1曲目は、河合奈保子さんの「スマイル・フォー・ミー」。
 
通算5枚目のシングルで、サビの♪あなたが あなたが まぶしいわ〜

というフレーズが印象的なこの曲は、オリコン最高4位まで上昇。

奈保子さんにとって、初めてのトップテンヒットになりました。

作詞は竜真知子さん。作曲は馬飼野康二さん。そして編曲は、大村雅朗さん。

奈保子さんと同期の、松田聖子さんの曲のアレンジも多数手掛けた方です。

 

続いては♪ギ〜ラギ〜ラ 太陽が〜というフレーズでおなじみの曲、「涙の太陽」です。

というと、安西マリアさんが1973年にヒットさせた曲を思い出す方が

多いかもしれませんが、実はその8年前、1965年にエミー・ジャクソンが

英語で歌ったバージョンがオリジナルです。

この曲、作詞が「R・H・Rivers」と外国人の名前になっているんですが、

その正体は、湯川れい子さん!

エミー・ジャクソンは当時、横浜のアメリカンスクールに通う女子学生で、

湯川さんがスカウト。つまりこの曲は「国産の洋楽」だったのです。

売れ行きがよかったので「日本語版も出そう」ということになり、

同じ1965年に、当時パワフルなボーカルで人気の青山ミチさんがレコーディング。

日本語の詞も、湯川れい子さんが手掛けました。

安西マリアさんのバージョンは、そのカバーということになります。

今日は、青山ミチさんのバージョンで聴いていただきました。

 

3曲目は、城みちるさんの「君がまぶしい」。

1973年「イルカにのった少年」でデビューした城みちるさん。

日本テレビのオーディション番組『スター誕生!』出身ですが、

故郷・広島で電器店を営んでいた城さんの父親は、息子の城さんに

家業を継がせたかったので、芸能界入りに猛反対したそうです。

「将来は電器店を継ぐ」と約束して、デビューを認めてもらった城さん。

実家の電器店は東芝系列だったので、東芝EMIからデビューしました。

そして本当に20歳で芸能界を辞めた後、広島に戻って家業を継ぎました。   

その後、再び芸能活動を再開して、いまも活動していらっしゃいます。

 

4曲目は、斉藤哲夫さんの「いまのキミはピカピカに光って」。

この曲は、ミノルタの一眼レフカメラのCMソングとして制作されたもので、

当時、熊本大学の女子大生だった宮崎美子さんが出演。

木陰でTシャツとジーパンを、はにかみながら脱いで水着姿になるCMが

大きな反響を呼んで、宮崎さんは「才色兼備の女子大生タレント」として

芸能界デビューすることになりました。

同時に曲のほうも注目されましたが、実はこの曲、作られた当初は

CMで流れた分の長さしかなかったそうです。

急きょ、歌詞と曲を書き足して、レコードが発売されることになりました。

作詞は、コピーライターの糸井重里さんで、この曲のタイトルになった

CMのキャッチコピーも、糸井さんが考えたものです。

作曲は、ムーンライダーズのリーダー・鈴木慶一さん。

斉藤哲夫さんは、鈴木さんと古くから知り合いのフォーク系シンガーで、

鈴木さんが強く推薦して、このヒット曲に恵まれました。

 

お別れの曲は、松田聖子さんで「Romance」でした。

聖子さんの通算7枚目のシングル「風立ちぬ」のB面の曲です。

作詞は、松本隆さん。作曲は、平井夏美さん。

平井さんは音楽プロデューサー・川原伸司さんのペンネームで、

聖子さんの曲では他に「瑠璃色の地球」も作曲しています。

川原さんによると、A面の「風立ちぬ」を書いた大滝詠一さんから

突然電話がかかってきて作曲を頼まれたそうで、

しかも「〆切は、明日の朝9時半まで」と言われたそうです。

川原さんは翌朝9時半に、曲が入ったデモテープを渡して、

夕方にはアレンジが済んだオケが出来上がっていたそうです。

そして、その翌朝には松本隆さんの詞が完成。

そんな突貫で作られた曲とは思えない名曲です。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2025年5月25日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。