古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

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2025.05.04

2025年5月4日放送『中森明菜楽曲とその作家たちによるセルフカバー聴き比べ』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第157回目のテーマは『中森明菜楽曲とその作家たちによるセルフカバー聴き比べ』。

5月1日に「スローモーション」でデビューをした中森明菜さん。

早いものであれから43年の月日が経ちました。

今回は、いつもとは少し変わった趣向で、

「中森明菜楽曲とその作家たちによるセルフカバー聴き比べ」をお届けしました。
 
 
まず1曲目は、「あなたのポートレート」。
 
こちらを作曲した来生たかおさんは、シングル曲以外にも、全部で11曲も提供しています。
 
中でも中森明菜ファーストアルバム「プロローグ」に収録された、
 
この「あなたのポートレート」という楽曲は、
 
「スローモーション」と並んでデビュー曲候補のひとつだったことでも知られています。

それでは、最初に明菜さんが歌ったオリジナル、

そして来生たかおさんによるセルカバーバージョンを続けてお聴き頂きました。

 

続いてお送りしたのは、84年の夏のナンバー1ヒット「サザン・ウィンド」です。

デビュー以来、交互に発表されてきた清純路線とツッパリ路線のどちらでもない、

明菜さんのシングルの中でも、特に溌溂としたアイドル色の強い楽曲で、

今でも人気のナンバーですが、これを作曲したのは、あの玉置浩二さん。

その年の始めに安全地帯として「ワインレッドの心」で大ブレイクする最中、

当時のトップアイドルであった明菜さんへの楽曲提供ということで話題になりました。

この曲を玉置さんがセルフカバーしたのは、なんと28年後の2012年のことでした。

セルフカバー・アルバム『Offer Music Box』に収録されています。

 

続いてお聴き頂いたのは、1988年にリリースされた「AL-MAUJ」というシングルです。

アラビア風の衣装と、蛇が巻き付いたマイクスタンドで、ひらひら踊りながら、

代名詞でもあるロングビブラートを思いのままに響かせていたあの曲と言えば、思い出す方も多いかもしれません。

この曲を作曲したのは、佐藤隆さんというシンガーソングライターで、

あの高橋真梨子さんの「桃色吐息」の作曲家でもあります。

確かにどちらもエキゾチックな世界観に溢れた楽曲です。

 この「AL-MAUJ」は明菜さんのシングル用コンペに提出された一曲でしたが、最初は落選し、

佐藤さんの手元に戻ってきてしまった曲だったそうです。

おそらく時期的には、『TANGO NOIR』と争ったのではないかと推察されます。

そこで、佐藤さんは1987年にリリースした自身のアルバム「水の中の太陽」に、

曲名も「デラシネ」と変えて収録しました。歌詞も若干違います。

しかし、その後明菜さんのシングル曲として再び白羽の矢が立ち、

1988年に改めて「AL-MAUJ」としてリリースされました。

そのようないきさつから考えると、この「AL-MAUJ」は、

実質的に明菜さん用に作られたとは言え、リリース順から行くと「カバー曲」になるというわけです。

 

お別れの曲は、「難破船」でした。

これは1984年に加藤登紀子さんが自身のアルバム「最後のダンスパーティ」に収録した一曲でした。

しかも編曲とプロデュースは、あのムーンライダースの白井良明さんということで、

お登紀さんにとっても、80年代のミュージックシーンに前身するべく意欲作だったと言えるでしょう。

しかし、登紀子さんは、この「難破船」を歌い続けている内に、

「もっとこの曲にふさわしい歌い手がいるのではないか。そしてそれは中森明菜なのではないか」と、

直々に楽曲のテープを明菜さん宛に送ったそうです。

 かくして、1987年9月に中森明菜19枚目のシングルとしてリリースされた「難破船」は、

その年を代表する大ヒットとなり、今も中森明菜を象徴する一曲として愛され続けています。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2025年5月18日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
  • ミッツ・マングローブ
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    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。