古美術永澤 presents ミッツ・ザ・コレクション

2024.09.08

2024年9月8日放送『妹歌手』

音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、

毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を

ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。

第129回目のテーマは『妹歌手』。

姉妹ユニットや双子ユニット、はたまたフィンガー5のような兄弟姉妹グループは多くあれど、
 
今回は、「スターの妹」という立場でデビューした「妹歌手」たちの楽曲を
 
できるだけたくさんおかけしていきました。
 
まず1曲目は、石田ゆりさんで「悲しみのアリア」。
 
石田ゆりさんは、あのいしだあゆみさんの妹さんです。
 
子役時代から活躍し、65年の「ブルーライトヨコハマ」の大ヒットにより
 
国民的アイドルとなったいしだあゆみさん。
 
歌手としてだけでなく、日本を代表する女優としても今の君臨し続けているトップスターのひとりです。
 
そんないしだあゆみさんは4人姉妹。そのいちばん下の妹さんが、この「石田ゆり」さんです。
 
宝塚音楽学校を卒業後、姉と同じ歌謡界を志し、
 
なかにし礼・筒美京平のコンビで4枚のシングルと2枚のアルバムをリリースした後、
 
作詞家・なかにし礼さんとご結婚されました。
 
NHKの朝ドラ「てるてる家族」の主人公・冬子のモデルにもなった石田ゆりさん。
 
今回は1970年にリリースされた彼女のデビュー曲をお聴き頂きました。
 
2曲目は、石野陽子さんで「失われた夏」。
 
もちろん姉はトップアイドル石野真子さんです。
 
1978年にデビューした7年後の1985年に歌手デビュー。
 
姉の真子さんにはないアンニュイでミステリアスな印象が強く、
 
当時のミッツさんは、石野陽子さんが石野真子さんの妹だということをしばらく知らずに見ていたそう。
 
その後は志村けんさんのコントの相方として不動のポジションを確立した石野陽子さんですが、
 
今回は1978年にリリースされた5枚目のシングルをお聴き頂きました。
 
後藤次利作曲のまさに「バブルとアンニュイ」が炸裂した佳作と言えるでしょう。
 

石野陽子さんに続きお聴き頂いたのは、荻野目洋子さんで「さよならからはじまる物語」。

荻野目ちゃんも、お姉さまにあの大女優「荻野目慶子」さんを持つ、列記とした「妹歌手」です。

ただし、この荻野目姉妹は、あまり並列や比較で語られることの少ない例かもしれません。

荻野目洋子さんは、すでに小学生時代に「ミルク」というグループで活躍していたこともあり、

ソロデビューの際も、さほど「荻野目慶子の妹」という押し出しはされていなかった印象があります。

今年でソロデビュー40周年の荻野目ちゃん。

当時の新人賞レースでも歌われた2枚目のシングル「さよならからはじまる物語」お聴き頂きました。

 

続いては、石田ひかりさんで「二人の関係」。

今や彼女は女優・石田ゆり子さんの妹という認識が強いかもしれませんが、実はこの姉妹、

デビューがほぼ同時期であり、しかも先に人気や知名度を上げたのは、

妹のひかりさんの方だったと記憶しています。

その後、女優としても主役級の地位を確立した石田ひかりさんの80年代アイドル時代の楽曲。

偶然にも歌詞の中に「妹じゃない」という一節が出てきます。

石田ひかりさんに続きお届けしたのは、中山忍さん5枚目のシングル「駆けてきた処女」。

中山忍さんは、今も長く活躍されえいる女優としてのイメージが強いかと思いますが、

デビューした1988年は、彼女の姉である中山美穂さんがアイドル界のトップに君臨していた時期です。

彼女ほど「妹コンセプト」を声高にデビューしたアイドルは後にも先にもいなかったかもしれません。

極めて独特な声質と歌唱法は異彩を放つものでしたが、やはり姉の存在は圧倒的であり、

歌手として大ヒットを残すことはなかったものの、徐々に女優としての地位を確立していきました。

凛とした姿が美しい女性です。

 

6曲目は、佐田玲子さんで「くらやみ乙女」。

かなりの実力派で魅力的な歌い手でいらっしゃる佐田玲子さん。

佐田という名前でピンと来る方もいるかもしれませんが、あのさだまさしさんの妹・佐田玲子さんです。

デビューはかなり遅めの1989年。32歳の時。

しかも、今回お聴き頂いたこちらのデビュー曲の作詞作曲は、

なんと中島みゆきさんであるという点も、かなり好奇心をそそられます。

さだまさしと血を分けた妹が歌う中島みゆき楽曲。

それぞれの影響を垣間見せながら、最終的に「佐田玲子」のボーカルを確立していく様が、

1曲を通して聴こえてきます。

 

お別れの曲は、岩崎良美さんで「くちびるからサスペンス」でした。

声質も姉の宏美さんによく似ています。それでも良美さんにしかだせない世界観というものがあります。

この絶妙なピンポイントを愛でるのが「よしりん愛」の醍醐味です。

 数ある名曲の中から、作詞:康珍化/作曲:林哲司。まさにマイ・フェイバリットな一曲を。

1984年のシングル「くちびるからサスペンス」。こちらお聴き頂きながら今週はお別れでした。

番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、

mco@1242.com までお寄せください。

お葉書は、

〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。

次回の放送は、2024年9月15日(日)17:30〜です。

どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!

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パーソナリティ
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    ドラァグ・クィーン・歌手・タレント。総じて「女装家」。
    1975年 4月10日 神奈川県横浜市生まれ
    10代中盤ををロンドンで過ごす。 慶應義塾大学法学部を卒業後、 英国ウエス卜ミンスター大学に入学。商業音楽全般を学ぶ。帰国後2000年ドラァグ・クイーンとして東京でデビュー。以降、各地のクラブを中心に様々な活動やイベントの主催をする傍ら、05年に星屑スキャットを結成。07年スナック「来夢来人」にて丸の内初の女装ママに。
    09年頃からテレビでも活躍。
    2011年「若いってすばらしい」で歌手デビュー。2012年3人組コーラスグループ“星屑スキャット”のメンバーとして「マグネット・ジョーに気をつけろ」で日本コロムビアよりメジャーデビュー。2018年星屑スキャット1stアルバム「化粧室」をリリース。野外フェスティバルへの出演含め精力的に活動中。
    2019年星屑スキャット初の全国ツアー「あ々喉仏」開催。
    2021年4月中野サンプラザを含む星屑スキャット全国ツアー「色、色々」開催。