音楽への造詣が深いミッツ・マングローブが、
毎週様々なテーマと共に70年代・80年代・90年代の音楽を
ミッツ・マングローブ自身の解釈でお届けしていく番組『ミッツ・ザ・コレクション』。
第101回目のテーマは『1984年』。
80年代も中盤期。盤石な人気を誇るスターアイドルたちは、ある程度「駒が揃った」状態。
景気も天井知らずの中、さあここからどのようにして、キラキラとした時代の後半戦に突入するか、
とても大事な年だったと言えるでしょう。
そんな「1984年デビューの女性グループ」を、時間の許す限りに詰め込んでお送りしました。
まず1曲目は、少女隊で「FOREVER~ギンガム・チェックstory~」。
少女隊は1984年8月24日デビューの3人組で、あの「少年隊」よりもデビューは先です。
何と言っても「アジアを中心とした世界マーケット」
「7インチ・12インチレコード・ビデオ・写真集同時デビュー」「テレビには出ない」など、
既存のアイドルとは一線を画したデビュー戦略は、当時の子供たちの間でも話題となりました。
しかし、そこはまだ「テレビとお茶の間」が絶対的だった84年。
テレビに出ない「少女隊」の存在は、どんどん形骸化していき、
「打ち上げられたロケットがどこを飛んでいるのか見えない」、
そんな状態のまま、デビュー年である1984年は終わってしまいました。
その後、路線を変え、ヒット曲もいくつか生み出し、
80年代後半まで活躍した彼女たちですが、やはりあの
「『少女隊デビュー』という実態の見えない現象」に勝るインパクトはなかったように思います。
今回は、そんな少女隊のデビュー曲をお届けしました。
2曲目は、キララとウララで「センチ・メタル・ボーイ」。
「キララとウララ」は1984年8月1日デビュー。
折からのテクノブームが、いよいよこうしたティーンポップでも
多用される時代になったのも84年の特徴です。
世界的にニューウェーブサウンドが人気を博し、打ち込み時代が到来。
デジタル技術の進歩と、それに対応できるミュージシャンの技量や環境が、
よりカジュアルになった、そんな最先端トレンドが軽やかに体現された一曲です。
3曲目は、赤坂小町で「放課後授業」。
「赤坂小町」は、前年にTDKレコードのオーディションで集められた5人組のガールズバンド。
5人ともまだ17歳から19歳というピチピチのギャル世代で、
キャッチコピーは「典型的女子高生風楽団」でした。
デビューは3月21日。テレビの歌番組も含め、
当時80年代アイドルが通る「水泳大会」などにも出演し、
「84年組新人グループ」としての認知度は早い段階から獲得していたと言われています。
ただ、いろいろとコンセプト的に欲張り過ぎたのか、攻め過ぎたのか、
バランスが伴わなかったのか、レコードセールスはまったく振るわず、
翌年には音楽界から姿を消してしまいます。
しかし、それから2年後の1986年、「赤坂小町」は、
当時と同じメンバーで新たに生まれ変わり、
そして80年代後半から90年代前半にかけて
日本の音楽シーンを席巻する人気バンドへとなりました。
ご存じ「プリンセスプリンセス」です。
というわけで、赤坂小町がデビューした1984年から数えると、
今年2024年は、日本でもっとも成功した女性バンド
「プリンセスプリンセス」の40周年でもあるのです。
今回お送りしたのは、プリプリが誕生した84年のデビュー曲「放課後授業」でした。
4曲目は、オレンジシスターズで「彼に片想い」。
1984年3月21日「サマー・ホリデー」でデビューした3人組。
この3人、特筆すべきは、当時も今も珍しい、旧ジャニーズ事務所所属の女性グループだったことです。
さらにひも解くと、もともとは原宿にあったミニFM局「KIDS RADIO STATION」の
DJとして活動しており、それをアルファムーンの小杉氏や山下達郎氏が面白がり、
この年のレコードデビューに至ったというもの。
中でも、「KIDS FM」時代にリリースされたインディーズアルバム
「RASBERRRY SOUND」は、80年代の若者サーフィン文化と、
音楽好きな大人たちの遊び心が凝縮されたようなコンピレーションで、
他にも「ココナッツボーイズ」時代のCCBなども名を連ねています。
今回はその中から、オレンジシスターズが歌う「彼に片想い」をご紹介しました。
王道のナイアガラサウンドで、甘酸っぱい気持ちになること間違いなしです。
お別れの曲は、FRANK CHICKENSで「We Are Ninja (not geisha)」でした。
FRANK CHICKENSは、まだまだ最先端だったクラブシーンから火が付いた女性デュオです。
この「FRANK CHICKENS」のデビュー曲「We Are Ninja (not geisha)」は、
いわゆる「日本語ラップ」の走りであり、ミッツさんは、
子供ながらに一瞬にして憶えてしまうキャッチーさと奇妙さがあったと語っていました。
番組に関する感想・ご意見・ご要望などありましたら、
mco@1242.com までお寄せください。
お葉書は、
〒100ー8439 ニッポン放送「ミッツ・ザ ・コレクション」まで。
次回の放送は、2024年1月28日(日)17:30〜です。
どんなテーマでどんなセレクト楽曲が繰り出されるのか、お楽しみに!
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