作家の赤瀬川源平さんが亡くなられました。「老人力」という本はベストセラーになり流行語大賞も受賞しましたが、当時41歳だった私にとって「老人」という言葉はまだまだ先の話で、そういうものなのかなぁと思った程度でした。

 

あれから16年。家人がもう一杯飲もうとしていたコーヒーカップを私のカップとともに流しに片づけてしまったことを指摘されても、まったく覚えていなかったり、エレベーターでベビーカーのお母さんに「お先にどうぞ!」と言っておきながら「閉まる」のボタンを押し続け、ベビーカーに扉がガンガンあたっても一瞬何でこんなことになるのかが判断できなかったりなど、自分!大丈夫か!?という出来事が日常茶飯事です。

 

ついうっかりというより、これは老いから来ることなのではなかろうか。そういえばあの人、あの頃からなんか変だったよねぇという始まりなのではなかろうかと思う次第です。

 

そんな最近の私にとって赤瀬川源平さんのこの名言がそろそろ身に沁みるころです。

 

「ふつうは歳とったとか、モーロクしたとか、あいつもボケたといういうけれども、そういった言葉の代わりに「あいつも老人力がついてきたな」といえばいい。そうするとなんだか歳をとることに積極性が出てきてなかなかいい。」

 

これが「老人力」の原点なのですねぇ。

 

そして赤瀬川さんの言葉でさらにこんなものもありますよ。

 

「アバウトは健康にいい。」

 

歳を取ることや何かに思い悩んでいても、なんだか心がフーッと軽くなりますよねぇ・・・

 

お会いする機会がなかったことが悔やまれます赤瀬川さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。