今週木曜日のゲスト、元シネカノンの映画プロデューサー李鳳宇さんは、東日本大震災で被災した地域に移動映画館という手段で、被災された方々に映画を提供しています。先日「報道ステーション」で李さんは「素晴らしき哉、人生!」という1946年のアメリカ映画を上映していることを知り、早速DVDをレンタルして観てみました。ジェームス・ステュアート主演の大変に心温まる作品でした。次々に訪れる苦境にとうとう自らの命を断とうと決心する主人公を救ったものは誰なのか。必ずあなたを必要としている人がこの世にはいるのだ。

あなたがいなければこの世はどんなことになってしまうのか。情けは人のためならずという諺を思い浮かべてしまう映画でした。まだご覧になっていなければ是非レンタル店へ!

 

市川海老蔵さん主演の「一命」は10月15日公開の映画。飲酒トラブル事件で公開も危ぶまれたそうですが、海老蔵という役者の凄味に満ち溢れたこの作品がお蔵入りなどという事態が避けられてよかったと思います。原作を同じくした1962年の作品「切腹」と見比べてみたいと思います。

 

まだ見ぬ名作が多々あることを大いに反省しますが、まだまだ見なければならない名作があることが嬉しくもあると言っておきましょう。

 

週末、家族で富士山が300年前に噴火した跡の「宝永火口」に行ってきました。「勝手に行ってくれば」という中、過去2回宝永山には登っていますが、今回は家族を誘ってみたところ「まぁ行ってもいいかなぁ」という意見がなんと多数を占め登ることに。登ると言っても富士宮口5合目まで車で行ってそこから6合目まで登って宝永山に向かうという比較的楽なコースです。しかしながら例によって天候に恵まれず霧と冷たい風の中の山登りになってしまいました。

予定では宝永火口のすり鉢の底で切り立つ火口の壁と富士山頂を観ながらおにぎりを食べ、その後一気に宝永山に登ろうと思いきや、周囲が全く見えなくなったこととあまりの寒さに火口の入り口で進むことを断念しました。5合目までカラマツの林を抜けて下山途中、私より少し上とお見受けする男性と出会いました。キノコを探しているのでキノコ狩りかな?という軽装。どこまで登ったのですかと聞くと「富士山の山頂です」との答え。麓にお住まいで年に幾度となく登るそうで今回は2時間半で登ったとのこと。山小屋も閉鎖したこの時期山頂に人はいるのですかと伺えば「50人くらいましたねぇ」とおっしゃる。

おそらく山頂は0度に近くおまけにこの風です。足に自慢のつわもの達がいるのだなぁと感心しましたが、皆さんくれぐれも無理をせぬようにお願いします。

 

今回の登山のまねごと、子供たちにどうだったと聞いたところ「疲れちゃったよ」とはいうものの、二度と行きたくないというわけはありませんでした。

家人も「景色をちゃんと見てみたいからもう一回行ってもいいかなぁ」というご評価をいただいたので、来年初夏にでも再チャレンジしてみます。おそらく火口の底から宝永山山頂までは石ころだらけで砂埃がやたら舞う単調で急な登り坂ですから、ブーイングの嵐になる可能性が大ですが・・・・

 

ニッポン放送

上柳昌彦