これって正しいの?間違っているの?

間違いやすい日本語』についてです。

 

■今週(5/155/19)のテーマ:『間違いやすい日本語

 

5/15(月) 『"さびしい"と"さみしい"』

 

私が疑問に思っていた言葉です。

どういう関係なのか? 両方とも合っている言葉なのか?

それとも、どちらかが間違っているのか?

はたまた 違う意味の言葉なのか?

 

辞書で調べると、『寂しい』と『淋しい』の2つの漢字と一緒に

『さびしい』『さみしい』の両方の読み方が出て来ます。

パソコンで『さびしい』『さみしい』のどちらを入力しても、

ちゃんと漢字が出て来ます。

 

『さびしい』『さみしい』のうち、最初に使われていたのは『さびしい』です。

古くから『さぶし』という言葉があって、それが平安時代になると

『さびし』に変わっていき、それからかなりの年月が経ってから

『さみしい』が登場したそうです。

『さみしい』は、『さびしい』から転用された言葉ということになります。

 

現在では『さびしい』、『さみしい』のどちらを使っても良いそうですが、

『常用漢字表』では『寂しい』の読み方は『さびしい』で、

『さみしい』はありません。

 

漢字の『寂しい』と『淋しい』の違いですが、

『寂しい』は『静寂』や『侘(わ)び・寂(さ)び』といった、

状況や様子を表す時に使います。

それに対して『淋』は、さんずいが"涙"を表すように、

"涙が出る位に気持ちがさびしい時"に使います。

 

 

5/16(火) 『"しく"と"ひく"』

 

間違いやすい言葉の1つです。

お布団の場合、漢字で書いて頂くと分かりますが、正しくは『敷く』です。

『敷く』には『一面に平らに広げる・並べる』という意味がありますので、

言葉の意味から考えても『しく』が正しい・・ということになります。

 

それでも『布団をひく』という言葉が使われている理由ですが、

言語学の専門家の方によりますと、『ひく』は『しく』が訛ったもので、

元々は関西地方の方言で、それが全国的に広まったそうです。

 

他にも、関西の方は『し』の発音が苦手で、『ひ』になってしまう・・

そのため、ちゃんと『しく』と言っているつもりなのに、

『ひく』に聞こえてしまって、それが広がったという説もあるそうです。

その結果、現在では『布団をしく』と『布団をひく』の2つが

混ざった状態になっているそうです。

 

逆に江戸っ子の発音は『ひく』が『しく』になると言われます。

江戸っ子は『ひ』と『し』の発音が苦手で、例えば『股引き』は『ももしき』。

地名の『日比谷』が『しびや』になります。

そのため『日比谷』と『渋谷』の聞き間違いが多いそうです。

 

似たような勘違いに『フライパンに油を引く』です。

『油を敷く』は間違いで、正しくは『引く』です。

『引く』には『ひっぱる』の他に、いくつもの意味があって、

その1つに『引き延ばすようにして、一面に塗る』というのがあります。

"フライパンに油を・・"の場合、まさにこれに当てはまりますので、

『引く』が正しいということになります。

 

 

5/17(水) 『バイト敬語①』

 

『バイト敬語』を辞書で調べると『商業敬語』と出て来ます。

"飲食店やサービス業などの従業員さんが使う、

過剰な、あるいは誤った敬語の表現"という意味です。

特に、アルバイトの学生さんが教わる言葉であることから

『バイト敬語』と呼ばれています。

 

例えば『よろしかったでしょうか?』。

"よろしかった"と過去形になっているため、

正しくは『よろしいでしょうか?』です。

ところが日本語の専門家の方の中には、

『よろしいでしょうか?』が"相手の判断を確認する表現"なのに対して、

『よろしかったでしょうか?』は

『相手の判断に対して、私の認識はこれで間違いないでしょうか?』と

"確認する表現"で、相手への配慮があるので、

間違いとは言えない・・という声もあるそうです。

 

お会計の時などによく耳にする『1000円になります』といったような

『〇〇になります』という言葉です。

注文したモノが運ばれて来た時にも『タイのお刺身になります』など

『なります』の言葉が使われることがあります。

これも間違いで、正しくは『1000円でございます』

『タイのお刺身でございます』です。

 

そもそも『なります』は『成る』という言葉から来ています。

『成る』とは『何かから何かになる・変化する』という意味です。

ですので『1000円になります』『お刺身になります』と言われると

何かが変化して1000円になったり、お刺身になったの?と

混乱させてしまいます。

 

 

5/18(木) 『バイト敬語②』

 

お会計の時、例えば1万円で支払ったとします。

その時、『1万円からお預かり致します』と言われることがありますが

正しくは『1万円、お預かり致します』。

 

『から』という言葉は『〇〇から××まで』といったように

"場所の起点"を表す時や、『〇〇だから』といったように

"理由"を述べる時に使うのが正しいそうです。

お会計の場合、"場所の起点""理由"のどちらにも当てはまりませんので、

使うのは正しくないということです。

 

続いて『ご注文のお飲み物のほう、お持ちしました』といった『ほう』です。

正しくは『ご注文のお飲み物をお持ちしました』。

他にもお店に入った時に聞かれる

『おタバコのほう、お吸いになられますか?』も

『おタバコはお吸いになりますか?』、または

『禁煙・喫煙、どちらの席がよろしいですか?』が正しいです。

 

『ほう』という言葉には『方角や方向』、『部門や分野』、『方法や手段』、

『いくつか選択肢がある中の1つ』など、いくつもの意味があります。

それでも先程の例文では『ほう』は、その意味のいずれにも

当てはまりませんので、正しくありません。

 

この『から』とか『ほう』を使った言い方ですが、日本語の専門家の中には、

"決して間違っていません!"という意見もあるそうです。

 

 

5/19(金) 『させて頂く』

 

文化庁が発表した『敬語の指針』では『させて頂く』は

『相手側、又は第三者の許可を受けて行い、

そのことで恩恵を受ける・・という事実や、

気持ちのある場合に使われる』とあります。

例えば、相手が持っている資料をコピーしたい時、

『コピーを取らせて頂けますか?』と言うのは、

指針の条件を満たしていますので、大丈夫です。

 

何かの発表会で、始める前の『それでは発表させて頂きます』。

この場合、『発表致します』の方が簡潔に感じられる・・とあります。

お店がお休みをお知らせする時の『休業させて頂きます』。

これも『休業致します』の方が良い・・とあります。

 

結婚式の祝辞で

『私は新郎と3年間、同じクラスで勉強させて頂いた者です』。

これは本来なら適切ではないそうですが、

"新郎新婦を立てる場"ということを考えると、許される範囲だそうです。

『同じクラスで勉強しておりました』という言い方もありますネ。

 

自己紹介の時の『私は〇〇高校を卒業させて頂きました』。

これも本来は適切ではないそうですが、

例えば『私は卒業するのが困難だったところ、先生方の格別な御配慮によって、

何とか卒業させて頂きました。有難うございました』といった文脈であれば、

不適切だとは言えないそうです。

 

この『させて頂く』という表現ですが、使い方によっては

必要なかったり、違和感を覚える方もいらっしゃいますので

無理に使うことはないそうです。

その場合、『致します』とか使うと良いそうです。

 

個人的には、よく間違いやすいのが『拝見させて頂く』です。

ダブルで謙譲語になっていますネ。

 

 

■杏樹さんの感想 

 

この番組ではこれまで何度か『間違いやすい日本語』や

『間違った日本語』をご紹介しました。

その度に"日本語って本当に難しい"と感じます。

 

中には、本来は間違った日本語なのに、

そちらが浸透してしまっている場合があります。

 

今週の放送が、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

 

 

【お知らせ① 次週(5/22~)からのテーマ】

 

緑黄色野菜の中でも、たかい栄養価を誇る『小松菜』について・・・

 

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM

 

◆オープニング 

SIMPLE THING(シンプル・シング) / ミニー・リバートン

 

◆エンディング

LARRY'S WORLD(ラリーズ・ワールド) / ラス・フリーマン