突然食べたくなること、ありませんか? 『トンカツ』についてです。

 

■今週(12/412/8)のテーマ:『トンカツ』

 

12/4(月) 『トンカツとは?』

 

今回、『トンカツ』をテーマにしたのは、私が頂いた雑誌で

"トンカツ特集"をやっていて、それをこの番組のスタッフと一緒に

見ていたところ、『トンカツ』にしましょう!となりました。

 

『トンカツ』を辞書で調べますと、

"西洋料理の1つ。牛肉や豚肉などの切り身に、

小麦粉・溶き卵・パン粉をつけて油で揚げたもの。カツ"とあります。

 

この『カツ』とは『カツレツ』の略で、

語源はフランス語の『コートレット』と言われています。

『コートレット』とは"子牛や豚、羊などの骨付き肉"のことで

肉にパン粉の衣をつけて、バターで焼く料理のことも

『コートレット』と呼ぶそうです。

この『コートレット』を英語読みしたのが『カットレット(cutlet)』で、

『カットレット』が『カツレツ』になったとされています。

 

『カツレツ』の中でも"豚肉を使ったもの"のことを

『ポークカツレツ』と呼んでいましたが、

『ポーク』を日本語で『豚(とん)』と呼ぶようになったことから

『トンカツ』という名前になったとされています。

 

『トンカツ』の『カツ』と同じように、パン粉をつけて油で揚げた料理に

『フライ』がありますよネ。

でも『トンカツ』と呼んでも、『トンフライ』とは言いません。

この違いですが、基本的に『カツ』は

"牛や豚、鶏などの肉にパン粉をつけて揚げたもの"のことで

"魚や貝、野菜に衣をつけて揚げたもの"を『フライ』と呼ぶそうです。

『エビフライ』『アジフライ』『牡蠣フライ』、『オニオンフライ』などが

『フライ』の代表です。

 

 

12/5(火)  『トンカツの歴史』

 

明治時代に西洋料理が日本に伝わった時、その中に豚肉にパン粉の

衣をつけてバターで焼く『豚肉のコートレット』がありました。

これは現在の『ポークソテー』のような料理で、

私達がイメージする『トンカツ』とは違いました。

 

現在のような、パン粉の衣をつけた豚肉をバターで焼くのではなく

油で揚げる料理にアレンジしたのは、東京・銀座の老舗洋食屋

『煉瓦亭(れんがてい)』の創業者の木田元次郎(きだ・もとじろう)さんです。

1895年(明治28年)、『煉瓦亭』はフランス料理店として

スタートしましたが、油やバターをたっぷり使う料理が

当時の日本人の味覚に、なかなか合わなかったそうです。

 

そこで木田元次郎さんは"バターで焼くのではなく、

天ぷらのように揚げた方がカラッとして、

日本人に合うのでは・・・?"と考えたそうです。

そして、フランス料理の『子牛のコートレット』をアレンジして、

牛肉より豚肉のほうがアッサリするのでは・・・と考え出したのが

『ポークカツレツ』でした。

『煉瓦亭』の創業から4年後、1899年(明治32年)の頃です。

こうして『ポークカツレツ』が『煉瓦亭』以外の店でも

提供されるようになって、浸透していきました。

 

『トンカツ』という名前がいつ頃、登場したのでしょうか?

一説には昭和の初めの頃、当時、東京・上野にあった

『ポンチ軒』というお店でコックさんをされていた

島田信二郎(しまだ・しんじろう)さんが名付けた・・と言われているそうです。

 

この島田信二郎さんですが、現在も上野にあります

『ぽん多本家』の創業者でもあります。

但し『ぽん多本家』では『トンカツ』という名前ではなく

『カツレツ』として提供していることから、『トンカツ』と名付けたのは

島田さんではないのでは・・・?という説もあるそうです。

 

 

12/6(水)  『トンカツの付け合わせ』

 

『トンカツの付け合わせ=キャベツの千切り』のイメージが強いですが、

何故キャベツなのでしょうか?

明治時代の後半、東京・銀座の『煉瓦亭』の創業者

木田元次郎さんが、現在のトンカツの元となる

『ポークカツレツ』を作られた時は、キャベツではなかったそうです。

当時はベークドポテトやフライドポテト、煮込んだニンジン、

茹でたキャベツといった、温野菜が添えられていたそうです。

しかもバターでソテーするなど、濃い目の味付けだったそうです。

 

当時の日本の食生活ですが、漬物や薬味は既にありましたが、

"野菜をそのまま生で頂く習慣"がありませんでした。

そのため付け合わせも温野菜でした。

 

ところが1904年(明治37年)、日露戦争が始まりました。

そのため若いコックさんが兵隊として取られてしまって、

付け合わせ担当のコックさんが、いなくなってしまったそうです。

そこで人手不足をカバーするために、木田元次郎さんが

ヒントにしたのが『キャベツの一夜漬け』でした。

"一夜漬けでキャベツが食べられるのなら、

生で食べても美味しいのでは?"と、千切りにしたキャベツを

食べたところ、美味しかったそうです。

 

こうして『ポークカツレツ』の付け合わせに、キャベツの千切りが

登場しましたが、お客さんは生野菜が出て来たことに驚いたそうです。

それでも食べてみると、"クチがサッパリする"

"カツレツの油っぽさを消してくれる"と好評だったそうです。

 

キャベツには『キャベジン』という成分が含まれていますが、

胃腸の働きを良くする効果がある・・・と言われています。

さらにキャベツには、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。

こうした面からも、トンカツとキャベツの相性は抜群!と言われています。

 

私はキャベツに最初に軽くソースをかけて、

トンカツと一緒に頂きます。

 

 

12/7(木) 『トンカツを使った人気料理① カツ丼』

 

トンカツを使った人気料理の1つに『カツ丼』があります。

その中でも"卵でとじたカツ丼"の元祖は、東京・早稲田の蕎麦屋

『三朝庵(さんちょうあん)』とされています。

 

キッカケは大正時代、宴会用として出していたトンカツが、ある時、

お客さんのキャンセルなどで、大量に余ってしまったそうです。

当時、高級品だったトンカツですが、冷めてしまってはお客様に出せません。

困っていると、常連の学生さんから"卵丼みたいにしたら?"と提案がありました。

そこで既にあった親子丼や開花丼をヒントに、トンカツをそばつゆで煮て、

卵でとじたのが始まりで、それが次第に評判になっていったそうです。

 

"卵でとじていないカツ丼"、いわゆる『ソースカツ丼』ですが、

こちらの誕生には諸説あります。

例えば、東京・早稲田にあった洋食店『ヨーロッパ軒』の創業者

高畠増太郎(たかばたけ・ますたろう)さんが、1913年(大正2年)に

料理発表会で披露したのが始まり・・・とする説です。

この『ヨーロッパ軒』は関東大震災の後、

高畠さんの故郷・福井県に移転しましたが、それ以降、

ソースカツ丼が福井県内に広まった・・・と言われています。

 

他にも1921年(大正10年)、早稲田の高校生だった

中西敬二郎(なかにし・けいにろう)さんという方が行きつけのお店で

『ポークカツレツ』を小さく切って、それをご飯にのせて、

ソースを煮詰めて上からかけたものを考え出して

それを『カツ丼』と名付けたとする説。

さらに明治時代の後半に、山梨県甲府市の蕎麦屋『奥村本店』が

提供していた・・という説もあります。

こちらのカツ丼ですが、ポテトサラダやトマト、レモン、

パセリなどが全て、丼に収まっています。

 

 

12/8(金) 『トンカツを使った人気料理② カツカレー』 

 

"カツカレーの元祖"と言われているのが、

東京・銀座のレストラン『銀座スイス』です。

このお店の常連、プロ野球・巨人の千葉茂(ちば・しげる)さんが

1948年(昭和23)年頃に"カレーにカツレツを乗せてくれ!"と

注文したのが始まりとされています。

千葉さんご自身が"カツカレーを考えたのは私だ!"と言ったこともあって、

『銀座スイス』が"カツカレーの発祥"と言われているそうです。

 

その30年前、1918年(大正7年)、東京・浅草にオープンした

洋食屋『河金(かわきん)』が、丼のご飯にキャベツとトンカツをのせて、

その上にカレーをかけたものを提供していたそうです。

但し名前は『カツカレー』ではなく、お店の名前から『河金丼』でした。

当時の『河金』のお店は、現在はありませんが、

のれんを受け継いだお店が、東京の入谷(いりや)や千束(せんぞく)にあって

そこで『河金丼』を頂くことが出来るそうです。

 

他にも元国会議員で、神奈川県横浜市の市長をされていた

平沼亮三(ひらぬま・りょうぞう)さんの名前も登場します。

平沼さんは日本のスポーツの発展にも力を尽くされた方で、

戦前の頃、自らスポーツをした後、仲間の皆さんを自宅に招いて

カレーにトンカツを添えたものを、ふるまったとされています。

この料理のことを『スポーツライス』と呼んでいたそうです。

 

トンカツもカレーライスも、明治時代に既に登場していたので、

個人でトンカツとカレーを組み合わせることを考えて、

実際に食べていた方が何人もいたのは事実だそうです。

 

 

■今週の感想 

 

以前、『唐揚げ』をテーマにお話した時と同じように、

今回も何人ものリスナーの方から、

"番組を聴いていて、トンカツが食べたくなりました!"

"今日のお昼、または晩ご飯はトンカツにします!"という

メールを頂きました。

そんな私も番組スタッフも、トンカツが食べたくなりました(笑)

 

ロースもイイですか、ヒレもイイですよネ!

どうせなら両方とも頂きたいです(笑)

 

 

【お知らせ① 次週(12/11~)からのテーマ】

 

意外と思われるかも知れませんが、

実は私も子供の頃、そうでした。『人見知りの心理』について・・・

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM

 

◆オープニング 

SIMPLE THING(シンプル・シング) / ミニー・リバートン

 

◆エンディング

LARRY'S WORLD(ラリーズ・ワールド) / ラス・フリーマン