1242 ニッポン放送
本屋は最高!
塚越孝
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6月11日
「とほほ眼鏡」(赤羽建美著/彩流社刊)
「とほほ眼鏡」…、面白い一冊です。
著者の赤羽建美さんは、芥川賞候補にもなった人で
最初、集英社に入って、週刊プレイボーイの編集もやった
60ちょい過ぎの方。

この本は「エセノベル」だってんです。
「エセ(似非)のノベル(小説)?」と思いきや、
「エッセイ+ノベル」で「エセノベル」。
プライベートの身辺雑記を、小説風に仕立てているんですね。
「なるほど、こういうコトあるよなぁ」、
「こういう人いるよなぁ」ってのが、いっぱい!

例えば、編集の仕事やってる人ですんで、会議があるんですね。
これが決まって長引く。
そこである先輩が、皮肉をこめて、
シェービングフォームで、ヒゲを剃り始めたなんて話がある。
でも、この先輩、実はナイスガイで、
分からず屋の上司がねちねち言って来ると、
「おい、この話はこれで終わりだ!」と遮る様に入って、
後輩を守ったりする…そんな話も。

いろいろな有名人も名前を変えて出てきたりする
エセノベル「とほほ眼鏡」…、
こういう本が紹介できることが、このコーナーの存在意義と思うのです。

<著者について>
赤羽建美(あかばね・たてみ)
1944年、東京都生まれ。作家。
青山学院高等部を経て、早稲田大学第一文学部卒業。
大学在学中に「NHK漫才台本コンクール」入賞。
私立高校国語教師を経験後、1968年、集英社入社。
「週刊プレイボーイ」編集部に在籍、
多方面にわたっての取材を経験。1971年、退職。
写真家森山大道氏に師事し、フリーカメラマンとなる。
1972年、主婦の友社入社。
「主婦の友」「アイ」編集部を経て、少女向け雑誌
「ギャルズライフ」編集長となる。
在職中に執筆した小説「住宅」が「文学界」新人賞を受賞。
この作品は、第90回芥川賞候補となる。
1986年、主婦の友社を退職し、作家に。
恋愛小説、ジュニア小説(コバルト・シリーズ)、
ユーモアミステリー、恋愛エッセイなどを幅広く執筆。
現在は(宝生茜)名義でミステリーを、
(赤羽建美)名義で生き方エッセイを書いている。




 
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