一週間のうち、ニッポン放送お山歩会で袋田の滝へ行った以外は、
六日間落語会という充実した?日々を過ごしました。
まず、新宿末廣亭、昼の前座から、前回は六時間で挫けたので、
久しぶりの九時間居続け。
落語ブームでホール、会館、お寺、お店、色んな所で会がありますが、
やはり、基本は寄席です。
昼席の主任、柳家小満んは「猫の災難」。
師匠、人間国宝だった小さんが得意にした噺ですが、
しっかりその芸を受け継ぎ、
なおかつ最初の師、名人・文楽の雰囲気も漂わせる品格。
先月は、この人の「目黒のさんま」を聴きましたが、
季節感溢れ、江戸落語の良さがじんわり伝わります。
翌日は伝統ある「わせだ寄席」。
大隈小講堂、立ち見も出るほど。
それもそのはず、最高の顔ぶれ。
春風亭昇太「人生が二度あれば」、林家たい平「愛宕山」、
立川志らく「火焔太鼓」、柳家三太楼「初天神」、
そして早大落研出身の新真打、桃月庵白酒の「代脈」。
OBの顔がちらついたのか、ちょっと上がってました。
昇太は軽さが持ち味ですが、
間の取り方が見事で風格すら感じました。
たい平は、枕の組み立て良く、噺にも説得力が。
特筆すべきは三太楼で、
寄席でよくかかる噺にたっぷり二十五分、
だれることなく古くさくなく、子供が今風で爆笑につぐ爆笑。
翌日、錦糸町の手打ちそば「みつまさ」で
金馬、金時、実の親子会。
派手さはないけど金時、お薦めです。
大御所、金馬は、本当に落語家らしい落語家で
季節どんピシャの「七五三」という短い噺から「ねぎまの殿様」。
「七五三」は創作に才を発揮した初代・権太楼の作で
直接、本人から教わったという珍しいもので他にやり手はない。
息子に、今のうちに習っておきなよと言っておきました。
翌日、ニッポン放送イマジンスタジオで入船亭扇辰ひとり会。
師匠、扇橋譲りの「藁人形」で客をぐっと惹きつける。
一日おいて第四回青山寄席「笑福亭鶴瓶落語会」。
「愛宕山」を秋の山歩きにかえ、
紅葉に小判を撒く演出は色が浮かんだ。
桂三枝作「悲しみよありがとう」、
独自の私落語「お母ちゃんのクリスマスツリー」も
哀愁があって落語が現代にも通用することを示してくれました。
おしまいは安田大サーカスの東京初単独ライブ。
サッカー少年だった安田団長は国立競技場を目指していて、
国立にこだわり、「国立演芸場」で。
若い女の子でいっぱい、DVDも飛ぶように売れる。
テレビの人気者だが、ネタ作り、稽古を積み重ねた上での
むちゃくちゃぶりが、国立の板の上で弾けた。
年末年始のお笑い番組では引っ張りだこになるでしょう。
単なる際物でない確かで強かな関西の芸がある。
得意の赤ふん姿から少しはみ出たように見えたが、
わざとじゃないと必死の弁明。
国立からお咎めはあるか。
これ放送事故でなく、なんて言うんでしょう。
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