1242 ニッポン放送
つかちゃんコラム
塚越孝
塚越孝
column
4月 4日

コラムというのは、新聞、雑誌に短い記事を載せる囲み欄のことですが、
この小さな囲みがどのくらいの広がりを見せるのか、楽しみです。
まだ、そんな連関性は無いだろうと思うんですね。
ってのは、ここを見て、拙文を読んで生放送を聴いてくださる方が
どれくらいいるか、また、番組を聴いて、これを読む方がどの程度なのか。
100%、ピタッと来たら、
ラジオとインターネットとの融合、結合、ということになるんでしょう。

新番組は、ラジオの常で、前の番組からの流れで聴いている方が多いので、
話題に継続性があります。
しかし、途中から入ってきた方、特に、放送より先に、
ここから入った方には、なんのこっちゃさっぱりでしょうから、
まず、手始めに、わたくしが、最近、あちこちに書いた短文を掲載して、
これをお読み頂くことによって放送への鳥羽口にして頂ければ、幸いです。

☆「週刊文春」2005.1.13号  
東海林さだおさんの絵でお馴染み、
趣味や余暇について二週にわたって書く『アルゼ君』から。
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「まぜまぜの日々」

おせち料理ってのは、作っているそばからつまんじゃって、
大晦日もそばのついでにちょこちょこっと食べたりして、
もう今日あたりは、みんな飽きてますよね。
そこで、キャンディーズの昔からCMで提唱されていた、
おせちに飽きたら…。

私は、断然、お新香です。
漬物、これはもう、全国各地、地球のあちこちにある。
しかし、糠漬け一番、おでんは二番、
三時のおやつはやっぱりお漬物。

実は私、日本男児がそんなことしてと叱られたり、
笑われたりしそうで、放送では一切喋ってないんですが、
毎日、糠味噌をまぜまぜしてるんです。
♪まぜまぜしてェね〜って奥村チヨも唄ってましたが、
糠漬けは、それが何よりも大事。

昨年の夏、暑さと草取りとの闘いに敗れ、
数年続けていた畑を借りての野菜作りを断念。
野菜に対して申し訳ないような、恋人と別れるような
気持ちになっていたのですがカニバリズムみたいに、
自分のものにして詰め込んで食べちゃえばいいんだと始めたのが、
新鮮でいい素材だけを入れた糠漬けです。

夏に始めたため、こまめにまぜまぜしないと悪臭は放つわ、
虫はわくわ、カビは生えるわ、
カミさん、子供から非難を浴びるわで大変でしたが、
新しい年を迎え、すっかり糠床も落ち着きました。

人から聞き、文献にあたり、今じゃ、おせちの豆やら蓮やらの
煮汁を糠床に入れる。
「塩分控えめ」と注意された時には、悔し紛れに、
啜りたかった肉や魚の肉汁を入れる。
この煮汁こそが、糠味噌をいい味にしてくれているようです。
たまに、ひじきが大根にへばり付いてきたりして、
おまけの楽しみも。

それに、よそじゃ食べられない、バカバカしくて
だれもやらないものに挑戦できます。
この半年、私のヒット作に名前を付けて、
呼びかけながら漬け込んでいます。
色が鮮やか「かぼちゃ君」、
意外や糠にピッタリ中華菜の「チンゲン和尚」、
それに歯ざわり最高、実に美味しい「セロリ新左衛門」。
糠漬けは、生野菜以上に体にいい。
でも、よけいにお酒が進んじゃって。


塚越アナ

 
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