1242 ニッポン放送
つかちゃんコラム
塚越孝
塚越孝
column
11月19日

孫は、子供より年上と自ら、明るく言い放ったのは山敬さん。
♪君は僕より年上と周りの人は言うけれどなんてたって構わない、
と歌い続けて四十七年。
名曲「バルコニーに座って」もあるが、
世間に知られているのは、「ダイアナ」だけ。
文字通りなんと言われようと歌い続けた凄みがある。

ロカビリー三人男とスパーク三人娘と話をした。
わたくしが突っ込むと、このうちの四人が速射砲のように返してくる。
それでいて、会話が変にかぶらない。
間がいいんですね。

それもそのはず、山下敬二郎さんは、喜劇王となった落語家、
柳家金語楼の息子、ミッキー・カーチスさんは、現役の立川流真打、
そして六人のまとめ役、平尾昌晃さんは、プレスリーに会うまでは
落語家かアナウンサーになるつもりだった。

あまり喋らず、微笑むのは、園まりさんと伊東ゆかりさん。
この二人がいなかったら収拾がつかない。
もう一人、中尾ミエさんは、例の毒舌で
「平尾さんとまりちゃんは昔、つきあってたのよ」。

いやはや、コンサート当日は、いったいどうなることやら。
ここで、まりさん反論せず、ニコニコという対応が実に大人ですね。
一番年下のゆかりさんは、記憶が一番はっきりしていて、
スパークの由来を語ってくれた。

森永スパークコーラっていうのがあった。
当時は一社提供、冠スポンサーはざらで、
「味の素ホイホイミュージックスクール」、
「シャボン玉ホリデー」(牛乳石鹸)、
「塩野義ミュージックフェア」、
そこで、「森永スパークショー」が始まった。
踊る指揮者、スマイリー小原の「レッツスパーク」のかけ声で、
若い男女がワーッと一斉にツイストを踊りだす。
中に、今は和服の似合う大女優になった人も。
選ばれたマスコットガールが三人娘に。

じゃ、ロカビリーとは。
村松友視著「黒い花びら」、三人男の直後に飛び出したスター、
水原弘の評伝から引く。
「まったく、新しい音楽であり、ルーツを探っても
ビル・ヘイリーやエルビス・プレスリーに辿り着くくらいで、
若者が活躍する以外にないジャンルだった。
カントリー・ウェスタンをヒルビリーと言ったが、
それにロックンロールの要素が加わって」

さらにこうも書く。「他の歌手たちが大人の芸能界に、
あわよくば取り入ろうとしている気配があった中で、
山下敬二郎は毅然としてトッポイ不良を守り通しているように見えた。
永遠の立ち喰いそばであり、絶対に老舗のそばには媚びないという
不良番長の気概を強くたたよわせていた。」

六人中、既婚者は山敬さんのみ。
合計三百七十八歳の一夜限りの公演が、一ヵ月後に迫る。
当日までに「誰か欠けてるかも」と全員が笑う。
夢のステージは実現するか。

<青春のポップスクリスマスカーニバル
「ロカビリー三人男・スパーク三人娘スペシャルコンサート」>
■会場:東京国際フォーラムホールA
■時間:14:30/18:30(開演) 2回公演
■料金:S席 8000円
■問い合わせ:アイエス 東京03-3355-3553 までどうぞ。




 
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