1242 ニッポン放送
つかちゃんコラム
塚越孝
塚越孝
column
12月17日

言葉の番人であるはずのNHKが、よくもまぁ、
こんな造語をつくったもんだと呆れてましたが、
呆れた結果になりました。

「スキウタ」だと。
長ーいを短くするならわかるけど、
「好きな歌」のなをとってつめただけでしょ。
だったら好きな人は、好きな人は「スキビト」で
中国は「日本を『スキクニ』じゃないのことあるよ」と、
なんか変ですね。

しかも、大々的に呼び掛け、票集めし、
なんと三百七十五万票も集めたというのに、
果たして、これが紅白の出場歌手選びに、曲選びに、
なんの関係があると言うのでしょうか。
はっきり言って、真面目に投票した人は
「みなさまのNHK」の出しにされたということでしょう。

「スキウタ」上位百曲に一曲も入ってない歌手が選ばれて、
複数曲入りながらも、例えば、橋幸夫、中森明菜、
中村美律子は入らなかった。
特に中村は、現役ばりばり、このところ続けて出場し、
今年は、瀬戸内寂聴が初めて歌謡曲に詩を書いた
「風まかせ」が話題で、これも「スキウタ」百に
入っているというのに。
さらに、来年は二十周年で、御園座、新歌舞伎座、明治座と
劇場公演も決まっているというのに。
東京・大阪・名古屋で三ヶ月の座長公演をやれる歌手ってのは、
そう何人もいまへんで、ほんまにー。

ま、昔から、紅白の出場歌手選びには、
おかしなことがありましたが、今年は極まった。
男のゴリエが紅で、女のアッコが白と
なにがなんだかわからない。
それに「グループ魂」ってなんですか、
「スキウタ」に、なんの関係もない。
一所懸命、投票した人、
「スキカシュ」に何票も入れた人が怒ってました。
NHKは、組織票とみられる票が見つかり、
集計の方法を変えたと説明したが、
端からわかりきっていることです。
後援会やらファンクラブは、
こういうときこそ頑張るもんです。

八、九、十と三ヶ月にわたって行われた
「スキウタ〜紅白みんなでアンケート」は
結局、紅白にとっては意味のないものでしたが、
受信料をきちんと支払っているわたくしが、
民放の番組の選曲の参考にさせてもらいましょう。
第一興商も参考にするかもしれません。
そして、「スキウタ」という造語は、
消えていくことでしょう。

もう、年が明けたら、無くなっているかもしれません。
いや、大晦日の晩ですらどうか。
司会者であるみのもんたさんは、
「スキウタ」なんて言葉を発するでしょうか、
山根基世アナウンサーは仕方なく一度くらいは、
言うでしょうか。

このベテラン二人の司会は、楽しみ。
民放、NHKのいいところがたっぷり出そう。
わけのわかんない中身を
言葉の魔術師としてどうつなぐか。





 
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