1242 ニッポン放送
つかちゃんコラム
塚越孝
塚越孝
column
12月24日

去年のクリスマス、人気のお洒落なホテルに
お泊りしたカップルが、式もここで誓い合って、
めでたく先日、クリスマスイルミネーション輝く、
クリスマスツリー聳えるホテルで華燭の典を挙げました。

縁あって、わたくしが司会をしましたが、
お洒落なホテルでは、司会者が、
物扱いになっていることを知って驚いたのなんの。
仕事柄、これまで何組もの慶事にかかわってきましたが、
こんなことは初めて。

今や主流の媒酌人を立てない、形式にこだわらないスタイル。
なら、いっそ、花束贈呈も無しを提案したところ、
新婦が「実は、値段に入っているんです」。
他に使う花も含め、セットになっていると。
バラにして一つ一つ頼むと割高になる。

これは、耐震強度偽装問題と根は同じの
「セット販売」という名の押し売りに他なりません。
よその設計士を連れてくると六億円の建築費が
八億円になる話と似ています。

経験豊富な私が、披露宴の流れを追っていって
見破ることができました。
「そういえば」と新郎が口にしたのは驚愕の事実。
司会者はホテル専属のものを使え、
よそから連れて来るなら五万円だと。

なにが五万円なのか、初め、分かりませんでしたが、
「司会者持ち込み料、五万円」だと言うのです。
憤りを憶えました。
私は列席者の一人なので、結局、とられずに済みましたが、
これが食事を伴にしていなかったら、ただ五万円。
バブル崩壊、長いデフレで私たちが得た教訓は、
「いわれのないお宝」は払いませんよ、
ということだったはずです。
なのに、冠婚葬祭は、いまだブラックボックス。
皆、お祝い事だから追究しない。

大小、有名無名、あちこち調べました。
持ち込み料をとるのは、
都内にもう一軒ある系列のホテルだけで、
郊外にある同系列のホテルはとりません。
また、披露宴全体がパック料金という別のホテルでは、
司会者込みなので、友人、知人が司会をすると
パックが崩れて割高に。

念のため改めて件のホテルに訊きました。
プロの司会者を用意していて
「八万円のものと十万円のものがあります」。
者でなく物と聴こえました。
さらに、新郎新婦が用意すれば?
「ハイ、持ち込み料五万円です」。
おれたちゃ、安いボトルと一緒か。
何故と問うと、専属でないと打ち合わせに手間がかかる。
列席者の司会でも手間は同じでしょ?
「えぇ、そりゃまぁ」と、しどろもどろです。

結婚式を考える際、真反対の行事と違って
時間的余裕はあるのですから、
何故?と問うてみてください。
押し売りは断固、拒みましょう。

新婦は、母親のドレスを色直しに着たいと言ったら、
ホテルの衣装でないと「ドレス持ち込み料」をとると。
母娘二代のドレスこそ薦めるのが、
ブライダルを仕事とする者のつとめでしょうに。





 
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