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サンデー早起キネマ『カツベン』

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周防正行監督の5年ぶり待望の最新作『カツベン!』
日本映画のはじまりを描く映画愛にあふれた最高傑作です。

今からおよそ100年前の日本に輸入され始めた映画=活動写真は、モノクロで無声、サイレントでした。その活動写真が楽しめるように登場したのが活動弁士。通称“カツベン”。
楽師が奏でる音楽に合わせて、登場人物のせりふに声をあて物語を説明し、活動写真に花を添えました。日本独特の映画館鑑賞文化です。

主人公は、子供の頃、活動写真小屋でみた活動弁士に憧れていた染谷俊太郎。
“心を揺さぶるカツベンで観客を魅了したい”という夢を抱いていましたが、どういうわけか、偽弁士として泥棒一味の片棒を担いでいました。でもインチキにだんだん嫌気がさしてきた俊太郎は、お金を持ち逃げ!
とある小さな町の映画館・靑木館に流れ着きます。そこは隣町のライバル映画館に客も働き手も引き抜かれ、閑古鳥が鳴いていました。そんな靑木館で働くことになった俊太郎は、“これで本物の弁士になれる”と期待に胸を膨らませます。
が!待っていたのは、人使いの荒い雇い主夫婦、気難しい職人気質の映画技師、弁士たちも、自信過剰に酔っ払い、汗っかきと曲者揃い。その上、泥棒一味から持ち逃げした謎の大金を巡って、俊太郎は泥棒に狙われ、その泥棒を追う熱血刑事にも目をつけられる始末。
夢を叶えるどころか人生の大ピンチです!
そんな時再会したのが、子供の頃夢を語り合った幼馴染、初恋の相手。
果たして俊太郎の夢は?恋は?どうなるの?

楽師が奏でる♪ちゃっちゃか♬ちゃっちゃか♫賑やかな音楽に合わせて展開される物語は、まるで活動写真を見ているようで、息つく暇もないほどリズミカル!最高に面白い!

偽弁士・染谷俊太郎を演じたのは、映画初主演の成田凌さん。
「スマホを落としただけなのに」「人間失格 太宰治と3人の女たち」など、今年は話題作に立て続けに出演、素晴らしい演技を見せてくれましたよね。
俊太郎の初恋の相手・栗原梅子(沢井松子)役は、これからがますます楽しみな黒島結菜さん。
そして、曲者弁士は、永瀬正敏さんに高良健吾さん。
靑木館の夫婦は竹中直人さんと渡辺えりさん。
他にも、竹野内豊さん、山本耕史さん、池松壮亮さん…まだまだ!豪華メンバーが勢揃い!!
映画という文化をリスペクトしたなんと贅沢な作品なのでしょう。
作品の中で流れる無声映画は、昔のものをそのまま使ったのではなく、映画に合わせて新しく撮ったもの。
こだわり抜いた結果です。こちらに出演される方々も豪華ですよ~。

最近、映画を見ながら声を出していい応援上映が定着してきましたが、まさしく、カツベンの時代は、毎日が賑やかなライブパフォーマンスだったんですよね。

銀幕のスターより注目を浴び、閃光の如く時代を駆け抜けた暗闇のスーパースター活動弁士の物語『カツベン!』、これはもう是非、劇場でご覧下さい。自分も当時の靑木館で、カツベンの語りで映画を観ている気分になれます!

『カツベン!』

12
13日(金)公開

公式ホームページ https://www.katsuben.jp/
Ⓒ2019
「カツベン!」製作委員会


 

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