• Facebook
  • Twitter
  • LINE

サンデー早起キネマ『椿の庭』

  • LINEで送る

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
4/4は家をテーマにした感動作を2本ご紹介しました。

2本目は、“四季の移ろいが美しい庭のある家”を舞台にした家族の物語
『椿の庭』

サントリー、資生堂、トヨタなど、数多くの広告写真を手掛け、卓越した美学で人々を魅了し、国内外で高い評価を得ている写真家・上田義彦さんの初監督作品です。

舞台は、葉山の海を見下ろす高台の一軒家。その庭には、藤、アジサイ、ツワブキ、ボタン…と、四季折々、常に美しい花が咲き続けています。
丹精込めて手入れしているのは、かつてここで夫と語り合い、子供達を育ててきた絹子。
ある春の日、夫の四十九日の法要が行われます。参列した娘・陶子は、年老いた母が、姉の忘れ形見・渚と2人きりで暮らしていることが心配で、東京で一緒に暮らそうと誘います。
でも、絹子は思い出深いこの家から離れるつもりはありません。
家や庭の些細な変化や過去の記憶に思いを馳せる日々の中、ある日、絹子へ一本の電話がかかってきます…。

絹子を演じたのは、日本映画界を代表する女優・富司純子さん。
凛とした美しさと可憐さが、この作品の大きなカギでもあります。
孫の渚役は、映画『新聞記者』で昨年度の日本アカデミー賞・主演女優賞に輝いた韓国の女優シム・ウンギョンさん。
絹子の娘・陶子役に鈴木京香さん。花のごとく美しく、確かな演技力の豪華な女優陣。

この作品の1番の魅力は、自然を慈しむ上田監督の気持ちが画面から溢れ出た美しい映像と音。
春夏秋冬、季節の流れを感じさせる庭の植物や生き物たち。
鳥のさえずり、木々を渡る風のささやき、時に優しく時に荒々しい雨音。
四季の移ろいを大切にしながら、とても丁寧に営まれる絹子と渚の生活。
自然に寄り添い、日常の家事も食事も、愛おしみながら続けていく尊さを感じます。
命あるものはやがて朽ちる時がくる…忘れがちな自然の法則が体に沁み込んでいるからこその、暮らし方なのでしょうか。
そして、家にはそのすべての記憶が刻まれているのかもしれません。

四季を暮らしを、大切にしながら生きていく命の尊さ。そして繋がっていく、手から手へ。
心の中にそっと仕舞っておいて、時々取り出して見たくなるようなこの作品。優しく穏やかに静かな感動がじわっと心に広がります。

『椿の庭』

4月9日(金)、シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー

公式サイト:bitters.co.jp/tsubaki/

富司純子 シム・ウンギョン
田辺誠一 清水綋治
内田淳子 北浦 愛 三浦透子 宇野祥平 松澤 匠 不破万作
チャン・チェン(特別出演)
鈴木京香
監督・脚本・撮影:上田義彦

製作:ギークピクチュアズ/yoshihiko ueda films/ユマニテ/朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド 制作プロダクション:ギークサイト
2020年/日本/128分/5.1ch/アメリカンビスタ/カラー
©2020 “A Garden of Camellias” Film Partners

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >