自見:尾﨑先生は学校の現場で様々な取り組みをされています。
まずは、学校における「癌教育」についてお聞かせください。
尾﨑:「癌」で亡くなられる方は、死亡原因でいうと1/3。
亡くなられないまでも、なんらかの「癌」にかかる方は1/2。
ある意味ではありふれた病気なんですが、実態が分かっていない。
そこで「癌」の実態を知ってもらう。
そしてまた「癌」にかからないためには、
どのような生活を送ったらいいのか。
さらに「癌」という病気を通じで
「命の大切さ」をわかってもらう教育を行っています。
そこから人間というのは色々なことで悩んだりしていることを
理解してもらう。私はそのような教育から「いじめ」などの問題が
無くなっていくのではないかと考えています。
自見:奥が深いですね。
尾﨑先生は、地元の東久留米の中学校で10年以上にわたり
「健康を守る教育」という授業を行っているそうですね。
尾﨑:中学1年生には「煙草の害」。2年生には「アルコール」。
アルコールを飲めない体質の方はいらっしゃいます。
4%の方が飲めない。そして40%の方が弱い。
これは生まれつき酵素を持っているか、もっていないかという話です。
アルコールを分解できない方に無理に進めると急性アルコール中毒に
なって、場合によっては命を失ってしまいます。
お酒を強要してはいけないという話をしています。
淵澤:中学生にしているんですね?
尾﨑:病気の予防と一緒で、早いうちから判ってもらうことが大切です。
そして中学3年生には「インフルエンザ」。
ウイルスの感染症は抗生物質が効きません。
一番いいのは手洗い、うがい、マスクをして予防することです。
それから「HIV」や「クラミジア」「梅毒」などの
性感染症についてです。
「性教育」や「性感染症」に関する知識が足りていません。
そのような知識を備え自分で対処できるような人にして、
高校に送り出します。