9月4日(日)の放送では教育評論家で子育て評論家の石川幸夫さんに「母国語教育」について伺いました。
自見 石川さんはおよそ17年前に、ロンドンで地元の小学生に
「国語」の授業をされたそうですね。
石川 日本人教師3人がそれぞれのやり方で教えました。
ひとりは日本の昔話を英語で話す。
ひとりは折り紙をやってみる。
そして私は、漢字を教えました。
自見 日本語の漢字の意味がイメージで入ってくるから、
喜んだでしょうね。
石川 おっしゃる通りです。
漢字は象形文字ですから、
子供たちのイメージが湧きやすいんですね。
私が驚いたのが、日本の子供よりもロンドンの子供たちは
好奇心が旺盛なんです。
目を輝かせて、こっちを見るんです。
「雨」や「木」などの漢字を教えました。
そこから発想して、子供たちはどんどん手を挙げるんです。
興味深かったです。
そして漢字が分かってきて、
「人」と「木」で、「休む」を理解してくれたんです。
自見 それは面白いですね!
そしてその授業を通じて、石川さんも
英語教育における「母国語教育」の重要性に気付いたそうですね。
石川 そうです。その子供たちはボキャブラリーが異常に多かったですね。
私たちの調査では、語彙数=成績なんです。
例えば、小学1年生で語彙数トップの子供は7000あるんです。
最下位の子供は2000しかないんです。
この差はとても大きいです。
英語の授業で中学生は1200~1500の英単語を覚えます。
それと同じぐらい漢字も覚えなくてはいけない。
つまり語彙数が少ない子供は、英語教育も厳しいです。
母国語を学ばないと、それ以上には外国語は伸びません。
自見 まず基本となる自分の国の言葉が重要ということですね。
そしてお母さんが子供に言葉を教えることが大事だそうですね。
石川 言葉は0歳~3歳までの間に、
お母さんの言葉「母国語」が、赤ちゃんの心を作ります。
そして心に、お母さんの言葉が入って、
その言葉は記憶力に繋がります。
私たちの記憶は3歳から残ります。
それは完全に「言葉」が間に入っているからです。
お母さんの言葉「母国語」は、とても大事なんです。