放送局・放送日時
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- 土曜日 22:00~22:30
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今回のゲストはメンタルトレーニング上級指導士の田中ウルヴェ京さんです。
田中さんは 1988 年のソウルオリンピックに出場され、小谷実可子さんとペアを 組んだシンクロナイズドスイミング・デュエットで銅メダルに輝きました。
現役引退後は、日本・アメリカ・フランスのシンクロ代表チーム コーチ業を経て、 メンタルトレーニング上級指導士として活躍されています。
スポーツメンタルトレーニング上級指導士とは、日本スポーツ心理学会が認定する資格で、競技力向上のため心理的スキルを中心にした指導や相談を行う学識と技能を有する専門家として、メンタルトレーニングによってスポーツ選手への心理サポートを行います。
例えば、選手が「自分の成功って何だろう」「やる気って何だろう」というような、自分ならではのメンタルを作っていく時の方略を一緒に作っていきます。
アスリートでなくても普段の生活の中で、例えば、なんとなく“やる気”がない日に無理やり元気を出してみたり、やる気がない日はしょうがない…という風に、自分の中で折り合いをつけたりしますが、その“折り合い”の仕方の種類を整理しておくということも、メンタルトレーニングのひとつだといいます。
選手が田中さんのメンタルトレーニング部屋に行くと、大きなホワイトボードに、月曜日は何をしていたのか?やる気のなかった火曜日はどういう風にして家を出たのか?等、自分のことをどんどん文字にしていきます。文字で真っ黒になったホワイトボードを見て「あ、僕には法則がありますね」というようなことがわかると、そこから最悪な事態が起こった時に(自分の中にある)どんな種類を使うと救えるか…というように、頭の中を掃除していくんだそうです。
田中さんは現役を引退され、日本・アメリカ・フランスのシンクロ代表チームでコーチを務められました。いろいろな国の選手を指導する中で『国民性とメンタル』の関係について感じることもあったそうです。
もちろん個人によって違いはありますが国によって文化的な背景があるといい、例えば、フランスの選手たちが大切にするのは“自由と責任”ー自由にやらせて欲しい、その代わり自分たちで責任も取る。
トレーニングで「1ラップ目はクロールで、2ラップ目は立ち泳ぎ」という風に練習メニューを田中さんの方で決めようものなら、何故?ファクトを教えて!と言われ、日本で言ってたような『そういうものだから』はフランスで通用しないということを学んだといいます。
アメリカの選手たちは“セルフイメージ(自分に対するイメージ)”が高い。
12歳以下のチームだろうと「私はチャンピオンになるべくして生まれてきた」という意識を持っており、その高いセルフイメージを削っていくのがトップに行くまでの道筋でもよくあること。日本だとセルフイメージを最初から削っていき「謙虚に」「おまえなんてダメなんだからもっと頑張れ」ということが多いけど、アメリカでは、もう少し現実的になりなさいというような言い方はしないのが、興味深かったそうです。
日本人はセルフイメージが“低くあるべき”だと思っているお子さんがいて、それをコーチに見せてしまうと怒られると思い込んでいる。
“(セルフイメージが)高いのであれば、それはいい”のに、親も「できるだけおごらないようにします」と言う。そんな時は、おごらないことも大事だけど、何がおごる事で、何が自信を持つ事かという線引きはしたいですねと伝えているそうです。
その話を聞いて、鈴木亮平さんも自身のエピソードを話してくれました。
セルフイメージがとても高い子供で、ずっと役者になりたくて「僕がお芝居したら誰よりもうまい」と何の根拠もないのに、中学生くらいの時から思っていたそうです。でも、やっていくうちに(あれ?できない、もっと自分はいけるはずなのに)と思うようになってからは、だんだんセルフイメージが削られていき、だから頑張んなきゃ!と、謙虚になっていったそうです。
ただ、根底のどこかには、やればできるのではないかという強いセルフイメージが残っていたような気がすると、自らを振り返りました。
田中さんの話を聞いているうちに自分のことについていろいろと考えてしまう(笑)とメンタルにとても興味を持ったようでした。
次回も、メンタルトレーニング上級指導士の田中ウルヴェ京さんをゲストにお迎えしてお送りします。
田中ウルヴェ京さんのリクエスト: My Tears / 浜田麻里
1988年のソウルオリンピックでシンクロ銅メダルを獲った時の思い出の曲。“この一瞬にかける”というようなフレーズにとても共感したそうです。
4年に1度行われる車いすバスケットボールの世界選手権(2018 IWBF 世界選手権)出場への切符をかけたアジア・オセアニアゾーン予選『2017 IWBF アジアオセアニアチャンピオンシップス』
最終日となった10月28日には、男子の3位決定戦と決勝が行われました。
気迫のぶつかり合いとなった韓国との3位決定戦に臨んだ日本は、第1・第2ピリオドを終え27対30と3点ビハインドで折り返すも、後半、スタミナ切れした韓国を一気に引き離し、68対54で勝ち、今大会を3位という結果で終えました。
男子車いすバスケットボール日本代表・及川晋平ヘッドコーチは試合後のインタビューで『(韓国との3位決定戦で)勝ったことはよかった。我々がやっていることが正しいかどうか問われる試合だったので、勝つか負けるかが非常に大きかった。(3位は)最低限の結果だけど生き残ったのは確か、世界選手権に繋がった。4年前の世界選手権予選では4位だったのが今回は3位、4年で(順位が)1個ずつかという悔しいところもあるけど最低の結果で生き残った』と話しました。
また、大会を通しての収穫について「“東京でメダルを獲る”という目標に向けているのはよかった」とした上で、そこに通用する選手、そこから成長していく選手を強化していきたいし、そこに登ってこれる選手をもっともっと集めていきたいと語りました。
なお優勝は、決勝戦でイランを80対54で下したオーストラリアでした。
これで、来年8月にドイツで開催される世界選手権にアジアオセアニアゾーンから出場する国(男子)は、オーストラリア、イラン、日本、韓国に決まりました。
また、大会オールスター5には(男子)香西宏昭選手、(女子)網本麻里選手がそれぞれ選ばれています。
男子車いすバスケットボール日本代表は若い選手を中心としたチームで、11月10日から開催される『第14回北九州チャンピオンズカップ国際車椅子バスケットボール大会』に出場します。
Go! Go! Going Up, JAPAN!!
中国・北京で開催されている『2017 IWBF アジアオセアニアチャンピオンシップス』
10月27日、男子日本代表はイランとの準決勝に臨みました。
イラン応援団の力強い声援が会場に響き、まるで“アウェー”のような雰囲気の中行われたこの試合。
立ち上がりから高さに苦しめられた日本は、第2ピリオドを42対33とリードして終わるも、後半じりじりとイランに追い上げられ、ついに第4ピリオドで逆転を許し、76対80で敗れ、決勝進出とはなりませんでした。
日本は3位決定戦で韓国と対戦します。
及川晋平ヘッドコーチのインタビュー(要約)
『自分たちがやろうとしたところに行けなかったのは非常に悔しい。勝つチャンスはあったが、そこを決めきれるだけの準備ができていなかった。最後の一本を決めていくというところはまだまだ世界に通用しないという自覚と反省をしている。ただ、そんな中で、古澤、秋田、宮島、鳥海、藤澤といったチームの武器として力強くなっている選手に対しては評価したい。もっともっと鍛え上げ、もっともっと洗練されなければ(東京2020パラリンピックでの)メダルはないと思っている』
続いて行われた、女子の3位決定戦。
奇しくも男子と同じイラン戦となったこの試合で、日本はキャプテンの藤井郁美選手、エースの網本麻里選手を中心に点を重ね、76対19で圧勝し、3位という結果で大会を締めくくりました。
優勝は中国、2位はオーストラリアでした。