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10月17日(18日)放送では、前回に引き続き、ブラインドサッカーの菊島宙(きくしま・そら)選手にお話を伺いました。
18歳という若さにも関わらず、すでに数々の輝かしいキャリアを築き上げている菊島選手。
まずは、”Sora(宙)伝説”ともいうべき、素晴らしい実績に迫りました。
なんといっても際立っているのが、得点力。
「(試合で)自分はほとんど攻めることが多いのですが、後ろでチームのみんなが守ってくれているおかげでシュートがバンバン打てます」と、仲間を立て謙虚に答えます。
それでも、そこできっちりシュートを決めるのがエースストライカー。
2015年の日本選手権では当時の最年少得点記録である13歳(中学1年生)で得点をマークし、2017年から3大会連続で得点王に輝きました。
2019年の日本選手権では全選手のうち最多となる29得点を挙げ、MVPに選ばれました。
とくに、13歳のときに初得点を挙げた試合は、一番思い出深い試合として刻まれていると話します。
「今と全然違って、その時はサイドフェンス(フィールドを囲っている壁)にぶつかるのが怖かったですし、自分はピッチのどこにいるんだろうという不安感も大きかったので、壁から離れられなかったんです。パスをもらって足元にボールがあればなんとなく動けたので、ドリブルしてシュートを打ったら入っていて、びっくりしたというのが印象的です」
2017年4月には、初めてブラインドサッカー女子日本代表が発足しました。
同年5月に開催された国際大会「IBSA女子ブラインドサッカートーナメント2017」では、菊島選手が絶対的エースとして大活躍。日本が優勝し、初代・世界チャンピオンに輝きました。
「やっぱり嬉しかったですね!初めて海外に行ったのもあったし、世界大会で1位になれたというのは今でも思い出すだけで嬉しいです」
日本代表として戦ったことも大きな経験となりました。
「一般のサッカーをしているときもそんなにサッカーがうまいわけではなかったので、“なでしこジャパン”とか“日本代表”と聞くとすごく遠い感じがしていました。自分がまさかブラインドサッカーでそこにいくとは思わなくてドキドキしていました」
現在、国内大会では男女混合で試合が行われていますが、東京2020大会も含めてパラリンピックでブラインドサッカー(5人制サッカー)競技は男子のカテゴリーのみで行われます。
この状況について、菊島選手は胸の内を明かしました。
「自分はパラリンピックで優勝というのも目指しているので、今は難しいですけど、自分が現役でプレーしている間にパラリンピックに女子(のカテゴリー)も入って欲しいなと思います」
そんな中、本来ですと今年11月に、ブラインドサッカー女子のカテゴリーで行われる初の世界選手権がナイジェリアで開催される予定でした。
新型コロナウイルスの感染拡大により来年2021年に延期となりましたが、その大会に向けて菊島選手は「2017年の世界大会(IBSA女子ブラインドサッカートーナメント2017)で1位を獲ったので、世界選手権でも1位を獲りたいなと思います!」と意気込みを語りました。
将来の夢は「パラリンピックに出場して金メダルを獲ること!」。
その夢が現実になることを心から応援します!
最後に、上をめざして進もうとする方に伝えたい“Going Upな一言”を伺いました。
『やるしかない!』
試合の前は緊張するという菊島選手。でも、ホイッスルが鳴ると「もうやるしかない」と気持ちが切り替わるそうです。この強い気持ちが、たくさんのゴールを生む秘訣かもしれませんね。
次回のゲストは、車いすラグビーの池透暢選手です。
どうぞ、お楽しみに!
10月10日(11日)放送のゲストは、ブラインドサッカーの菊島宙(きくしま・そら)選手。
男女混合で行われている国内リーグでは何度も得点王に輝いており、サッカー元日本代表、現在は日本障害者サッカー連盟会長を務める北澤豪さんが「世界の宝」と大絶賛する逸材です。
現在、高校3年生、18歳の菊島選手。
父親が地元のチームでサッカーをやっていて、幼いころから見ていて楽しそうだなと思い、保育園のときからサッカーをして遊んでいたといいます。
そして、小学2年生の夏に本格的にサッカーを始めました。
小学4年生でブラインドサッカーに出会うと、5年生からサッカーと並行してやるようになりました。
ブラインドサッカーを始めたころは、アイマスクを着けて見えない中で何もできず「つまらなかった」と話しますが、練習していくうちにどんどんできるようになり「楽しくなっていった」と振り返ります。
先天性の病気により両眼に視覚障がいがありましたが、小学生のうちはサッカーコートが小さいため(一般のサッカーも)プレーすることができました。
しかし、中学生になるとコートが広くなってパスサッカーになり、また、夜の練習が多くなったことで見えづらく、そのせいでミスをしてしまうこともありました。
菊島選手の目が悪いことはチームメイトもわかってはいましたが、ついアツくなって感情的になり「ミスしたのどうして?」などと責められることもあって、だんだんとプレーでも追いつけなくなっていき、ブラインドサッカーに専念することにしました。
嫌になって辞めてしまったサッカーですが、その経験はブラインドサッカーで存分に活かされることになります。
ブラインドサッカーでは、足元の近いところでボールを(両足で交互に)転がしながらキープしてドリブルすることが多いのですが、菊島選手のドリブルはサッカーで培った感覚を生かして、ボールを前に蹴って進みます。
「ドリブルからのシュートが得意です!」という言葉通り、ゴール前では自分の動きからキーパーの位置を読み、見事にシュートを決めます。
以前、北澤豪さんが菊島選手について「クロスボールをダイレクトに蹴られるのがすごい。自分にもできない」と話していましたが、その秘訣を聞いてみると・・・
「ボールが転がったら音がするので(チームメイトが)蹴った音とボールが近づいてくる音で『ここら辺かな』って足を振るみたいな感じです(笑)」とさらりと答え、天性の才能をのぞかせました。
そんな菊島選手を、ご家族は温かくサポートしています。
小学生のころからコーチとして近くで見てくれていた父親は、現在所属しているブラインドサッカーのクラブチームでも監督を務めています。
「やるからには厳しくするよ」と言われているそうですが、試合が終わると「あの場面はこうやった方が良かったんじゃない?」とアドバイスをくれたり、練習の送り迎えをしてくれたりと、菊島選手にとって大きな存在です。
ただ、「大声では言えないんですけど、試合中に親子げんかをしている時もあります」と、親子ならではのエピソードもこっそり明かしてくれました。
最後に、菊島選手にとってのブラインドサッカーの魅力を伺いました。
「中学生のときにサッカーを辞めた理由のひとつに、見えないからということがあったのですが、ブラインドサッカーは見えていなくてもできるので、それが魅力だと思います!」
次回も引き続き、天真爛漫な菊島宙選手にお話を伺います。
どうぞ、お楽しみに!
菊島宙選手のリクエスト曲;決戦スピリット/ CHiCO with HoneyWorks
応援されているような歌詞で、聞くとテンションが上がり、背中を押される一曲だということです。
「鈴木亮平 Going Up」は、おかげさまで5年目に突入しました!
これを記念して、10月3日(4日)の放送では前回に引き続き、特別企画としてこれまで番組にお迎えしたゲストとのエピソードを振り返りました。
世界のトッププレーヤーとして活躍する車いすテニスの上地結衣(かみじ・ゆい)選手や、ブラインドサッカーの“オッチー”こと落合啓士(おちあい・ひろし)選手、そして、車いすフェンシングの加納慎太郎(かのう・しんたろう)選手をはじめ「鈴木亮平の熱血パラリンピックスポーツチャレンジ」(*)で鈴木さんと対決した選手たちも多くご出演いただきました。
*鈴木亮平さんが東京2020パラリンピックで行われる競技に挑戦するWeb動画シリーズです。こちらのHPからもアクセスすることができますので、ぜひクリックして動画をご覧ください!
また、それぞれの世界で活躍されている、アスリート以外の方々もお迎えして、とても興味深いお話を伺うことができました。
アスリートへのメンタル指導を行っている、メンタルトレーニング上級指導士の田中ウルヴェ京(みやこ)さんや、パラスポーツやアスリートの魅力を写真で伝えるフォトグラファーの越智貴雄(おち・たかお)さん。
リオ2016パラリンピックの閉会式でパフォーマンスを披露した車いすダンサーのかんばらけんたさんと、義足のプロダンサー・大前光市(おおまえ・こういち)さん。
車いすのアイドルとして活躍する猪狩(いがり)ともかさん。
車いすで世界一周旅をした三代達也(みよ・たつや)さんからは、パルテノン神殿やマチュピチュを訪れたエピソードが語られ、世界遺産検定1級の鈴木さんの好奇心もくすぐられたようです。旅先では現地の方々が車いすごと担いでくれたこともあったといい、「行けば誰か助けてくれて、なんとかなる」という三代さんの言葉が印象に残っていると振り返りました。
最後に、パラアスリートにインタビューして思うことについて、鈴木さんはこう語りました。
「パラアスリートたちは(自分を支えてくれる)周りの人に対する“感謝”の気持ちをすごく持っていて、『周りの人のおかげで自分は競技ができている、だからその人のために勝ちたい!』と口々に話すのがとても印象的です。挫折や悲劇を経験して、そこからスポーツという輝く場所に出て行ったという方が多いので、人間の強いところも弱いところもたくさん知っていて、競技だけではなく人間として魅力的な方がパラアスリートには多いと思います」
そして、番組5年目に入ったいま「今後もたくさんの方々の話を聞いて、リスナーの皆さんと感動を共有していきたい」と締めくくりました。
Going Upリスナーの皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!
今週の選曲:パプリカ / Foorin