• Facebook
  • Twitter
  • LINE

『ことばのチカラ ~成功へのターニングポイント~』最終回

  • LINEで送る

『ことばのチカラ ~成功へのターニングポイント~』
約4年間お届けしてきたこの番組も今回が最終回。
およそ100人のゲストの中から選りすぐりの音源とともに振り返ります。

 

初回のゲストは元プロテニスプレイヤーの伊達公子さんです。
スポーツライターの金子達仁にとっては、
人生で初めてインタビューをさせて頂いたアスリートであり、
その時に書いたガキの落書きのような原稿を、
高校3年生だった彼女が絶賛してくれたことで
「俺ってイケてんのや」と根拠のない自信、勘違いの素を作ってくれて、
その勘違いに乗っかって今の僕があるわけなので、
スポーツライターとして最大の恩人の一人ですね。

 

-そんな伊達公子さんの「言葉のチカラ」は…「面白いやないか」

伊達『再チャレンジを始めるにあたって、
まず再チャレンジをしていいかどうかってばすごく悩んだんですよね。
当たり前ですけど。
12年ですよ?年齢も40手前ですよ?普通じゃないでしょ。
それを口にしていいのか、それを行動に移していいのかって思った時に
やっぱり相談する相手は高校時代から見てくれた
小浦コーチに一番相談するのがいいかなと思って
「実は全日本に出ようと思ってんですけど」って。
ドキドキですよ。なんて言われるか。
「アホか!」って言われたらどうしようと。
でもそこで言われたのは「面白いやないか」って言われたんですよね。
小浦さんからの後押しがなかったら
自分だけの思いだけで進めるほど自信はなかったでんすね。』

 

 

続いて紹介するのは、平成の三四郎と呼ばれた
バルセロナオリンピック・柔道金メダリストの古賀稔彦さんです。

 

-ゲストにお越しいただいたのは2017年の11月。
その頃は本当にお元気で優しい笑顔で語られていたのが印象的でしたが、
今年、2021年の3月にお亡くなりになりました。
バルセロナ大会で金メダルに輝いた古賀さんですが
その裏にはオリンピック初出場となった
ソウル大会での惨敗がありました。

 

古賀『テレビの特集で、優勝候補が負けてくるシーンが流れるんですよ。
その中でも私なんかは優勝候補筆頭に近いくらいの力をその時持ってましたから。
あの古賀も負けたみたいな感じで私の負けてるシーンが出るんです。
親の近くにはカメラが横に座ってたりするんですよ。
私の両親の姿がパンと映って、
それを見た時にものすごいショックを受けまして。
私が負けた後の両親の姿っていうのは私に背中を向けて、
周りの観客席に向かって一生懸命に頭を下げてるシーンが映ったんですね。
これ見た時に、ショックもありましたし
今度は自分自身がすごく恥ずかしく思ったんですよ。
それを見るまでは自分が頑張って、自分が代表になって、
自分が負けて自分が一番落ち込んでる。
一番かわいそうな人間なんだって思ってたんですけど、
この親の姿を見た時に、
戦っていたのは自分一人じゃなかったんだなっていうことを
両親の姿を見た時に思わせられたんですね。
親も自分以上の気持ちで俺のことを見てて応援してくれたんだろうな。
そういえばあの後輩も本当に一生懸命応援してくれてたよな。
勝っても負けても自分のことを変わらず応援してくれてる人って確かにいたんだよな。
って事をそこで教えられたんですよ。
オリンピックの負けは絶対次のオリンピックで
金メダルという形で恩返ししようっていう気持ちになれて、
前向きな自分がそこでやっと生まれてきたって言う。』

 

 

続いて紹介するのは、オリンピックで天国と地獄を味わった、
1998年の長野オリンピックスキー、
ジャンプラージヒル団体で金メダルを獲得された原田雅彦さんです。
長野オリンピック吹雪の中、中断を挟んでの決勝でした。
当時の現場、その瞬間、そして気持ちの揺れを事細かに話してくださいました。

 

原田『気持ちよかったですね。達成感もあったし正直ホッとしました。
立ってられないんですよ。全身の力が抜けちゃって。
色んなことを言いたいんですけど、言葉にならないんですよね。
本当に先に待っていた岡部選手とか、
斎藤選手とかと抱き合ってるっていうか僕が雪崩かかってる感じ。
でね、とにかく船木が飛んで、日本が金メダル取る瞬間だから、
なんとか見たいなって思うんですけど周りがうるさくてですね(笑)
「原田さんどうでした?どうでした?」って聞いてくるんですね。
でも、僕も言葉にならないし。船木が飛んでくると。
金メダルの瞬間だからって言う思いで、
「船木〜船木〜」で「ふなきぃ〜」なんですよ。』

 

 

リクエスト曲は?

Moneytalks / AC/DC  

100人以上好きな曲をお願いしてきましたが、誰もかけてくれませんでした。
ハードロック、ヘビメタル。最後は私の我を通させて頂きます。
これは2000年のシドニーオリンピックで
1ヶ月ぐらいシドニー、オーストラリアに滞在したんですね。
そうするとどこへ行っても流れているのが「AC/DC」。
オーストラリアのサザンオールスターズという方もいるようですが、
しみるんですよね。のほほんとした感じが。
「Moneytalks」=「お金の話」。
つまり金子の話ということで選ばせていただきました。

 

 

続いてご紹介するのは、
甲子園春夏通算5度の優勝の実績を持つ高校野球界の名将、
横浜高校野球部元監督の渡辺元智さんです。

 

-ミーティングを大切にしてきた方だけに、名言がとにかく豊富。
その名言をプロに入ってからも大事にしている方が多いということも知りました。
コーチから監督になるまでの生い立ち、
松坂大輔投手の話もありながら高校野球の魅力についてお話ししてくださいました。

 

-高校野球の魅力は?

人を育てるって言うことが一番大事なことだと思ういますね。
その裾野には大勢の野球部員がいるわけですよ。
この子達が一生懸命やるから、底が上がって、
頂点に素晴らしいチームができるんであって。
全ての源はここなんですね。
コロナ禍になってつくづく思うのは、やっぱりそういう耐えながら生きていく。
好きな野球だからこそ耐えられる。そして人のためにやらなきゃいけない。
力強く最後まで生きるんだっていうものを見つけてもらいたい。
最後は子供たちに野球を教えてもらえるような
そういう高校球児を育てたいと思ってる。
9回の中に人生の縮図と言いますか、あらゆるものが詰まってます。
裾野の選手たちを、そのまんま補欠で終わったっていうことで終わらせたくない。
だから本当にこの野球を必死になって取り組んでいくためにはただただ、
上だけじゃなくて下の選手を大事にするところが、
やっぱり甲子園で優勝につながるし、
また一流の選手が高校野球の監督やってみたいって事につながってくんじゃないでしょうかね。

 

最後は、リオオリンピック、バドミントン女子ダブルスで金メダルを獲得された
「タカマツペア」の高橋礼華さんです。

 

2020年10月、引退直後にゲスト出演してくださいました。
リオオリンピック、デンマークペアとの痺れる決勝の戦い。
ラリーの最中の心境を伺いました。

 

-16対16から三つ連取されて16対19。
諦めモードに入って見てましたが、高橋さんは?

伊調さんの試合を、前日にテレビで見ていたので、
私もここで逆転して勝てたら「伊調さんみたいになれる」って。
オリンピックでここから大逆転して勝ったらウチらヒーローじゃんみたいな。
オリンピックなんで私も頑張れたんですよ、多分。
私がお客さんでも「ちょっと厳しいなあ」って思う。
頑張れとは思うけど厳しいんじゃないかって思います。

 

-さらに1ポイント奪って(18-19)でしたが、表情に変化がなかったんですよね。

冷静でしたね。とりあえず相手の顔が引きつってるから、
ここは止めないでいこうみたいな。
勝ったら金メダルっていうことを忘れてて、
私がやりたかったのは、これで逆転したら伊調さんみたいなヒーローになれるって事と、
とりあえず1点ずつ取っていったら、
相手がどういう顔になるのかなみたいな(笑)そんな感じでやってました。

 

-実は「Number」に企画を持ち込みまして、
松友さんと「デンマークペア」の二人を呼んで
決勝戦を再現するみたいなインタビューをして、
本当に面白かったなんてもんじゃなかったですね。
実はデンマークペアは全く違うことを考えてまして、
全然顔は引きつってなかったし、
私たちは虎視眈々と日本がミスをするのを待ってたと。
ただそのミスを待つ姿勢が。
逆に日本の追いかける可逆性を引き出しちゃったのかなと。
紙一重と言うかも本当にバトミントンという競技の面白さ、
それから怖さを初めて実感することができたインタビューでもありました。

 

日本社会全体を考えると、
失われた20年、失われた30年と仰る方がいます。
経済力という意味に関して言うと日本は確かに地盤沈下しているのかもしれない。
ただ30年前と今、20年前と今。
日本のスポーツに関していえば信じられないぐらい
国際競争力が高まってきている。
30年前日本の100m
を走る選手が、9秒台に入ることができると、
信じている関係者はいませんでした。
ラグビーがワールドカップでベスト8に進出できる、誰も信じていなかった。
グランドスラム、テニス・ゴルフで勝つ日本人が出てきた。
スポーツに関して言うと、
今の日本における最大の成長分野のひとつだと思ってます。
ですからこれからもスポーツに携わっていきたいし、強くなっていく、
あるいは日本人以外の人たちを魅了する日本のスポーツ。
ブラジルのサッカーが世界中にファンを作っていくように、
そういう存在がどんどん出てくる日本になって言って欲しいなと思ってます。

『ことばのチカラ ~成功へのターニングポイント~』
これまで出演頂いたゲストの皆様、関係者の皆様
そしてリスナーの皆様、4年間ありがとうございました!

聖教オンライン

ニッポン放送の番組一覧

他の番組を見る >