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永里優季選手が大事にしているロバート・デニーロの言葉

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今週のゲストは、
元・なでしこジャパンで、
去年、男子チームに期限付きで移籍し話題になった永里優季選手です。


 


 永里優季選手のプロフィール】

 
永里優季選手
は、1987年生まれ、神奈川県厚木市出身。
小学1年生の時、お兄さんの影響でサッカーを始めた。
2004年、16歳で日本代表デビュー。
歴代2位となる代表通算58ゴール。
2010年、22歳の時にドイツの女子ブンデスリーガに移籍。
日本人で初めてチャンピオンズリーグ優勝を果たした。
サッカー女子日本代表、なでしこジャパンでは、
2011年、ワールドカップ優勝、
2012年ロンドンオリンピック銀メダルを獲得。
2013年には、ドイツ・ブンデスリーガで得点王。
2017年からは、アメリカのプロサッカーチーム、
「シカゴ・レッドスターズ」で活躍、2020年9月、男子チーム、
神奈川県社会人2部リーグ・はやぶさイレブンへ期限付き移籍、
世界に衝撃を与えた。

  



男子チームはいかがでしたか?

色々聞かれるんですけど、純粋に楽しかった。
それは女子の世界だけでは味わえない、スピード感、
フィジカルコンタクトの強さだったり、そういった環境の中で、
より考えながらやらないと、
自分の能力が発揮出来ないっていう状況に置かれたことによって、
そういう環境に挑んでる自分がものすごく楽しくて。
どうやったらここにアジャストできているかっていう。
そういったことを含めて、男子とプレイすることもだし、
自分がそこに適応していく事という意味でもすごく楽しかったです。

 

-プレイした事で何か獲得できましたか?

チームに入る前に抱いていたイメージと、
入った後でそこまで大きなギャップがなかったので。
今まで積み重ねてきたことが、
意外とそのまま出来たっていう実感の方が強くて。
なにかを得たというよりは、
これまでの積み重ねが間違いではなかったというか。
そこをイメージしてやってきたので。
自分が意識して積み重ねてきたことは通用するんだなって感じました。
サッカーに関しては男女っていう違いではなくて、
本当にサッカー感であったり、サッカーをするなかで、
チームに自分をどうやって適用させていくかという部分においては、
男女差は全く関係ないんだなっていうところは感じることができたので、
そこは一つ大きな学びになったのかなっていう風に思ってます。

 

-今後、再び男子とプレイすることは?

ちょっと今回のチャレンジはすごく短かったってのがありますし、
試合の出場期間も、まあ怪我をしてたってのもあって。
あんまり自分が描いていた出場時間も得られなかったので。
もう少しやりたいって思いが最後に残ったので。
今後またチャンスがあれば。日本でもそうだし、
海外のリーグにも挑戦して、みたいな。

 

-なでしこジャパンに戻る気持ちは?

代表チームが私のことを必要としてくれるんであれば、
貢献したいという気持ちはもちろんあります。

 

-肉体的衰えは?

全然感じないです。

 

-アメリカで目指す所は?

タイトルを取るためとか、自分が結果を出す為っていうところが、
モチベーションになってないところがあって。
散々結果だけを追い求めてきた人生だったので、
結構疲弊することも多かったですし。
そのまま結果だけを追い求めて行ってたら多分、
ここまで現役を続けられていなかったと思うんですね。
それに対して究極な思考になってしまうんですよ。
余裕もなくなるし、すごく切羽詰まった状態にもなるし
それで結果がでなかったら物凄く落胆するし、
結果が出たらものすごく高揚するし。
この差がやっぱり激しいともたないってことに気付いたんですよ。
今まではサッカーをする目的が、結果を出すためだったんですけど。
サッカーがより好きになってきて。

 

-いつ頃から?

20代後半ぐらいですかね。
30手前ぐらいでそういう風に思い始めてきて。
これだったら、できるだけ長く現役を続けたい。
そこからサッカーに対する価値観が変わっていって。

 

-変わるきっかけは?

アメリカに渡ってからですね。
アメリカ人の人達ってサッカーを全てと捉えてない人が多くて。
生活の一部として、ただそこにあるっていう捉え方をしている人がものすごく多くて。
その価値観に触れたことによって、
自分自身もサッカーが生活の一部として捉えられるようになった。
で、サッカーが目的ではなくて手段の一つ。
何かを実現するための手段の一つとして捉えられるようになってから、
すごく心に余裕が
できて。生活自体がものすごく楽しくなったんですよ。
サッカー以外のことにも興味を持ち始めましたし。
音楽活動もやってたりだとか、絵を書き始めたらだとか。
映像制作も最近ハマってて。
そういったことにも興味を持てるようになってきて。
今まではもう本当にサッカーだけだったんですけど。
人生ってこんなに楽しいんだって思えるようになって。
サッカー以外にも楽しいことがある、
その楽しいことも結局はサッカーにつながってるって考えられるようになったんです。

 

リクエスト曲は?

  オリジナルスマイル / SMAP 

 

すごく個性が溢れてるじゃないですか。
サッカーに例えていうなら、キーパー、ディフェンス、
フォワード、エース、キャプテンとか、
しっかりと構成されてるグループで。
それを組織的に外から見てるのがものすごく好きで。
この曲に、結構励まされたと言うか、
ちょうど2016年のリオ五輪予選の時にボロボロになっていた時に、
この曲をリピートでずっと聞いてました。

 


そんな永里優季選手に金子がより突っ込んで聞いていくコーナー!

『金子の深堀り!』

 
-どこのリーグのレベルが高かったですか?

やっぱりアメリカとドイツ。
リーグ自体がそこまでチームごとに大きな差がないんですよ。
それはサラリーキャップ制度を設けていて、
各チームアメリカ代表選手は、二人までしか保有できない、
給料の最低と最高が決まっているので、
すごくバランスの良いチーム構成にどのチームもなってるので、
常に実力が拮抗している。
毎試合どっちが勝つかわからないというのが、
アメリカリーグの魅力のひとつ。それがレベルが高い、
質の高いリーグを維持できてるのかなっていう風には思っていて。
逆にドイツは強いチームと弱いチームの差がものすごく激しくて。
トップ5ぐらいまでは結構拮抗した試合ができるんですけど、
それ以外はちょっと大差がつくような事態になってしまうんですけど、
ドイツの場合はそのトップ4、5が、
かなりレベルの高い試合を展開できるという意味では
レベルが高かったかなっていうふうに思ってます。

 

-知恵の限り尽くしてかないと WEリーグは楽観できないですよね。

選手会の方に少し関わらさせて頂いていて、
結構内部の事情とかも色々耳にしたりするんですけれども、
やっぱりそのクラブ経営の部分で、
そのプロリーグの知識があまりにもない人が関わったりしてるので、
そこがものすごく心配で。
選手自身も知識がないのでどうやって契約の交渉したらいいのか、
金額はどうなっているのか、
それも全部自分でやらなきゃいけない状況になってて、
そうやって知識がある人がサポートしてるんですけど追いつかない状態なんですよ。

 

-ちゃんとプロと胸を張れるようなギャランティーは受け取れる?

チームによっては。大丈夫です。
どうやって継続していく上でマネタイズしていくのか。
より良い選手を獲得していくために、裾を上げていくために考えたら、
まだまだ課題は多いのかなっていう風に感じます。

 

-男子に比べて何十億稼ぐっていうのが、女の子にはないですよね。

これぐらいの人はこれぐらい稼げるんだよっていうのを、どんどん発信して。
子供たちがちゃんと夢を持てるような場所にしないといけないだろうし、
その責任っていうのは多分大きいと思うし。
私自身もどれだけ力になれるか分からないですけれども、
外からサポートはしていきたいと思ってます。

 


そんな永里優季選手が今でも忘れられない言葉、大きなチカラになった言葉とは?

監督に応えないといけないのと同時に、
 自分自身にも応えないといけません
です

これはですねロバート・デニーロが
ニューヨーク芸術大学の卒業生に向けたスピーチで言った言葉なんです。
ちょうど監督の評価を得られない時期があって。
でもそこは自分の価値観とは違う価値観を
受け入れられないといけない状況だったんです。
ドイツに行った時です。
試合にも出られなくてっていう状況のときにその言葉に出会って。
最後に言ってたのが、他人には評価されるけど、
結果が出ても出なくても
そこに費やした努力っていうのは、消えないから、
そこに対しては全力で取り組まないといけないってことを言ってるんですね。
その当時ってその監督のことがあまり好きではなかったですけど、
監督に応えないと自分が試合に出れないわけだから、
結局自分自身に応えないとその監督の評価を得ることはできないし、
試合にも出ることができないという状況だったんですよね。
その狭間ですごい揺れていて。
この言葉をきっかけに、自分のやるべきことは自分自身に応えるために、
試合に出るためにどうしなきゃいけないのか、
この監督が何を自分に求めているのかっていう要求に
応えていけないんだってことに気付けて。
それは監督の評価を得たいがためにやるのではなくて、
自分自身の期待に応えたいからやるっていう、
目的意識をちゃんと明確に持ってやれたのが大きいですね。

 

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