1242 ニッポン放送
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みのりの日記
栗村 智
栗村 智
 
diary
2月 7日
六本木で“沖縄か!?”
昨日、ヒーリングトリップでご一緒している
桑江知子さんのライブに行ってきました。

最近、物騒な西麻布の交差点の近く、芋洗坂を下ってすぐ
「スイートベイジルSTB139」というライブハウスで、
去年9月に発売された、アルバム「カジマヤー」発売記念ライブ。
桑江さんのふるさと沖縄からもファンの方が駆けつけ、
開演前からものすごい熱気。
アルバムの最初のナンバー「ジントーヨーワルツ」から始まり、
沖縄民謡や軽妙なおしゃべりを交えて、初めのあたりは、
意外に静かで“おとなしいなあー”と思っていたんですが、
終盤になると、三線の音色に浮かれて、口笛はけたたましく鳴り響くは、
ステージに上がってきて、エイサーおどりで練り歩くおじさんが登場するや、
堰を切ったように会場全員が踊りだし、私まで、思わず踊ってしまいました。
さながら「ちゅらさん」の古波蔵家の宴会のような雰囲気になっていました。

沖縄サウンドって、老若男女年齢関係なく楽しめるものなんですね。
私自身、スポーツアナ時代の1987年から去年まで、
毎年、沖縄各地で行われているプロ野球春季キャンプ取材で訪れていただけに、
沖縄の空の青さと、海の青が懐かしくて、
ちょっとだけ、おセンチになっちゃいましたよ。
2月 1日
よみうりホールに豪華メンバー集結!
昨日は、よみうりホールに「第21回東西落語研鑽会へ」!

開演前、楽屋に木村屋のあんぱんを差し入れに伺ったところ、
開演30分前に「もう、皆さんお揃いでございます。」と、
前座の歌ぶと君の言葉に、緊張の面持ちで楽屋へ。
楽屋では、三枝、鶴光、小朝、昇太さんに、
関西若手有望株のかい枝さんも揃い、和やかな雰囲気の中、
試写会で、今年初夏ロードショー公開予定の
「しゃべれども、しゃべれども」を御覧になった三枝師匠が、映画を絶賛。
若手落語家役で、主演の国分太一さんの演技、師匠役の伊東四朗さんの、
落語が立派だとのこと。
一時の冷え込んでいた時代を乗り越えて、
再びブームが来つつあることを、皆さん喜んでいました。

    番組
桂 かい枝   「堪忍袋」
春風亭 昇太  「お見立て」
笑福亭 鶴光  「袈裟御前」
 
 お仲入り

春風亭 小朝  「七段目」
桂 三枝     「誕生日」  

5人の演者の皆さん、普段しゃべりなれているネタだけに、
安定してすわりのいい落語会。
21回にもなった中、これまで出演者の中には、
初めて挑戦する大ネタなどを、イタにかけることが多い会ですが、
今回のように「5人の演者それぞれが十八番のネタを揃えている会も、
たまにはいいでしょう」との小朝さんの言葉に、
不肖私も、大きく頷いていました。
1月31日
東西若手噺家、成長急!
土曜(27日)、月曜(29日)と落語会へ。
27日は、東京芸術劇場・小ホール2
「噺小屋in池袋‘桂小米朝×桂吉弥×桂吉坊”」
 
吉坊  「正月丁稚」
吉弥  「千早ふる」
小米朝 「くっしゃみ講釈」

  お仲入り

吉坊  「池田の猪買い」
吉弥  「七段目」

1月6日放送の「あの人この旅この人生」に出ていただいた
小米朝師匠とその一門の会。
番組の中でもお約束していただいた「くっしゃみ講釈」。
陽気でテンポもよく、心地のよい高座でした。
モーツァルトもさることながら、
今回の講釈をうまくこなせた音感、センスの良さからして、
義太夫の下地が必要なお父様の、人間国宝・米朝師匠十八番「軒付け」を、
小米朝師匠で聞きたくなってしまいました。

今回、トリをとった吉弥さんの「七段目」。
聞くたびに達者になっていく高座。
ここ数年やり手の多くなっているネタですが、
これまで聞いた中では抜けて素晴らしい七段目でした。

29日も、東京芸術劇場小ホール2。
「五輪の笑」(落語芸術協会若手の勉強会)

鯉八  「新聞記事」
春馬  「相撲場風景」
遊馬  「お神酒徳利」

  お仲入り

柳之助 「荒茶の湯」
米福  「明烏」
 
フッチーがBS放送でご一緒して知り合ったという
三遊亭遊馬さんの勉強会に。
発展途上の噺家さんの勉強会というと、
ある程度の覚悟が必要なものですが、
(話しなれていない大ネタを勉強で高座にかけることが多いので)
遊馬さんの「お神酒徳利」は、これまで無駄に大きかった声が、
うまくバランスがとれテンポも軽快に。
しかも江戸前のきっぷのいい本寸法の高座。
いやはや、先行き楽しみな噺家さんにめぐり合えて、
うれしくなってしまいました。

平成6年9月、小遊三師匠に入門ですから、修行12年と4ヶ月。
二つ目さんですが、もういつ真打に昇進しても恥ずかしくない
胸を、はってトリを取れる「お神酒徳利」でした。
確かに昔のような、名人上手の噺家さんは他界してしまいましたが、
中堅若手の層は、昔より相当厚くなってきていますよ!

さて今日は、読売ホールで「東西落語研鑽会」。
今週はどうも、落語ヅイてるなぁ!
1月22日
今年も寄席は好景気
20日の「おはよう散歩道」の放送を終えてから、
池袋演芸場に行ってきました。
寄席のお正月興業は、初席(1月1日〜1月10日)
二之席(1月11日〜1月20日)まで。
松が取れると通常モードになる一般世間と違い、
長々と新年を祝うのです。

いつもよりたくさんの芸人さんが顔見せで登場する正月興行も、
20日が千秋楽。
そろそろ客足も緩くなってるだろうと、高をくくって池袋駅西口へ。
なんと、開演30分前の12時には、
開演を待ちかねたお客さんで長蛇の列…。
あせって並んで入場。
定員100人の、演芸場一番後ろの端っこの席をぎりぎりゲット。
開口一番、前座のさん作君が登場するときに、
早くも40人が立ち見という大盛況!
これが10年前、池袋秘密倶楽部と皮肉られた、不入りで有名な演芸場か?
何しろ、私が大学生のころ、昼席で客が私一人しか入っておらず、
先代の正楽師匠を、持ち時間中、独り占めさせてもらった思い出が、
嘘のようでした。

昼の部トリの、小三治師匠も高座にあがるなり、「大入りは有難いのですが、
皆さん、こんなに来なくても、いいじゃないですか…」とびっくり。
師匠曰く、正月興行中の20日間、
一度も同じネタを高座にかけなかったそうで、千秋楽の20日は、
珍しい「やかんなめ」を飄々と43分間たっぷりと演じてくれました。
出来もよく、落語界第一人者に恥じない高座で、大満足で家路につけました。
そういえば、学生時代の池袋二之席は、
毎年、6代目圓生師匠がトリを取っていらっしゃいました。
 
<池袋演芸場二之席千秋楽・昼の部>
さん作 「つる」                      
こみち 「狸札」                         
南喬  「一目上がり」 
三三  「川中島」          
志げる 歌謡漫談
燕路  「たらちね」
さん八 「替わり目」
扇橋  「化け物使い」
とし松 曲独楽
小さん 「不精床」
雲助  「ざるや」
小円歌 俗曲
金時  「豊竹屋」
文楽  「黒門町の、お正月」

お中入り

福治  「権兵衛狸」
小里ん 「真田小僧」
一琴  「平林」 
紫文  俗曲
小三治 「やかんなめ」
1月17日
桂小米朝のモーツアルト!モーツアルト!
いやー感激しました、昨日(1/16)の小米朝さんの会。

今年最初の放送(1/6)の「あの人この旅この人生」に、
ご実家(人間国宝桂米朝宅)から電話でご出演いただいた、
小米朝師匠の落語会と言って良いのか、コンサートと言って良いのか…。
面白かろうとは思いつつ、半信半疑で伺った、
池袋、東京芸術劇場・中ホール。
フッチーもいっしょに開演前の楽屋へ、師匠にご挨拶にうかがい、
応対に出られた師匠の、オペラの衣装にびっくり…。
女性に優しい師匠は、すかさずおめかしした(和服着地で作ったワンピース)
フッチーに、「いやー色っぽいでんなあー」とそつのないお言葉。
たぶんお世辞だと思うのですが、すっかり気をよくしたフッチーは、
「初めてお会いしたけど、小米朝師匠ハンサムですねーーー」とうっとり。
普通、落語会は中ホールではなく小ホールで行われるのですが、
落語とオペラの合体「らくごぺら」の東京初演ということもあり、
音響のよい、本格的なコンサートホールの芸術劇場・中ホール。
800人収容の客席は、フッチーのように、
小米朝師匠の美貌に魅せられた女性ファンで、
ぎっしり埋め尽くされていました。

緞帳が開くと、下手にグランドピアノ、高座。
まずは着物で、口慣れた「掛取り」でご機嫌をうかがったあと、
なんと、新日本フィルの弦楽四重奏の奏でる出囃子で登場。
桂三枝作、創作落語「君よモーツアルトを聞け」を演じて、
クラシック、モーツアルト、オペラが初めての観客にもわかるような、
簡潔な説明を織り込んで、会場全体を引き込み、
いよいよ「らくごぺら」の開演。
二期会、関西二期会の名ソプラノ・柴田智子さん、日紫喜恵美さんに、
イタリア人のオペラ演出家、ダリオ・ポニッスイさんが登場して、
「フィガロの結婚」。
普通にやれば3時間かかるオペラを、ダイジェストで演じてくれました。
会場いっぱいに響き渡るソプラノの歌声の美しさに、
不肖私、涙ぐんでしまいました。
古典のよさ、すばらしさを現代にいざなう小米朝師匠のセンスに、
同じ喋りを生業としている私たちは、瞠目してしまいましたよ。

終演後、会場の外へ出た私たちはすっかり、
宮廷衣装を着て、白いかつらをかぶったモーツアルトになりきっていました。
 
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