1242 ニッポン放送
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みのりの日記
栗村 智
栗村 智
 
diary
10月12日
東京ボーイズ
先日の8日、落語芸術協会の色物でおなじみの、
東京ボーイズのリーダー・旭五郎さんが、
原発不明がんのため、64歳の若さで亡くなりました。
3月3日、池袋演芸場・三月上席、昼の部で観たのが、
最後でした。
嬉しい時も、悲しい時も、辛い時も寄席に行って、
東京ボーイズの高座を観れば、
何ともいえない、朗らかな気持ちにさせてくれる、
寄席の定席では欠かせない、ボーイズ漫才グループでした。

お茶目なウクレレ・仲八郎さん、
とぼけた三味線・菅六郎さんの二人に挟まれて、
背の高いアコーディオンのリーダー・旭五郎さん。
三人の醸し出す絶妙な呼吸の「なぞかけ問答」は、
寄席の売り物でした。
今は落語協会に移籍した、
桂文生師匠の提案で生まれた「なぞかけ問答」。
いやぁ、傑作でした!
遺された菅さんと仲さんで、これからもやっていくとか…。
でも、あのアコーディオンがあってこその「東京ボーイズ」。
残念でなりません。

「なぞかけ問答」のトリネタは、おなじみ!
”東京ボーイズというやつを、なぞかけ問答で解くならば〜
種を蒔かない畑と解きまする〜。
いつまでたっても芽が出ない〜、いつまでたっても芽が出ない〜”でした。

これにかけまして、私も…、
“旭五郎というリーダーを、なぞかけ問答で解くならば〜
自転車のりと解きまする〜。
いつまでたっても忘れない〜、いつまでたっても忘れない〜”

♪天気が良ければ晴れだろう〜。天気が悪けりゃ雨だろう〜。
雨が降ろうと、風が吹こうと”東京ボーイズ”!
ほ〜がら〜か〜にぃ〜〜〜♪

ご冥福をお祈りいたします。
10月 5日
早いもので、一年
いやぁ、早いもので、この番組が始まって、丸一年が経ちました。
昭和52年入社で、30年スポーツアナウンサーをやってましたから、
専らナイター中継担当で、体はすっかり夜型になっていたのをガラリ一変!
土曜の早朝5時放送開始の番組で、喋らせていただくとは…。
なにしろ、ちょいと遅くなれば、これまでその時間に
帰宅することさえあったのですから真逆の生活でした。

毎週土曜日の朝、JR有楽町駅日比谷口から第一声。
日の長短、季節の移ろいを肌で感じながら、
さわやかに、ゆったりとお届けしてきたつもりですが…。
私自身、見るもの、聞くもの新鮮で、心地よく喋っているのですが
人間、慣れというものは怖いですからね…。
あなたがお気づきになったところを、
おハガキで、メールで、ファックスで、ご遠慮なく教えてくださいね!

この短い一年の間に、フッチーは「一児の母」に。
有楽町の町並みも今、大変な様変わりを遂げています。
これからも爽やかに、ゆったり、のんびり、
土曜の朝にピッタリな番組作りをしていきますので、
どうぞ、宜しくお願いいたします。
9月27日
頑張れ!インディアンス
30年間、スポーツアナウンサー(特に野球)をしていたので、
今だにこの時期は、結構わくわくするもんなんですよ。
4月に始まった日本のペナントレースも大詰め。
「クライマックスシリーズ」の出場チームもほぼ固まりました。
アメリカもヤンキースが今日、13年連続プレーオフ進出を決めています。

そんな中で先日、私が個人的にず〜っと注目してきた、
「クリーブランド・インディアンス」が、アメリカンリーグ中地区で優勝し、
6年ぶりにポストシーズンに進出したニュースが入りました。
いやぁ、感無量です!

インディアンスは、私が体を壊す直前、
2005年の大リーグ中継で出張した折、
個人的に興味を持って取材したチームでした。
ひょうきん者で、今もヤクルトスワローズの主砲を務めている
アレックス・ラミレス選手
(スポーツアナウンサーを辞めた今もクリスマスカードをやりとりしてる)が、
このインディアンスの出身で、同じベネズエラ出身、
レギュラーキャッチャーで4番のビクター・マルティネス選手を
紹介してくれまして、クラブハウスで取材しました。

95年から5年連続で、地区優勝2回、ワールドシリーズ進出、
当時は、今のヤンキースやレッドソックスと同じように、
FAの年俸の高い選手をごっそりオーダーに並べたチームでした。
1994年に新装なった、今、メジャーで流行りの新古典主義球場、
(古きよき時代のレンガ造りの外装で、中身は超近代的なハイテク装置で
占められた、天然芝の球場)「ジェイコブスフィールド」も、
連日、“満員札止め”状態の強豪チームでした。

しかし、選手の年俸高騰に加えて、
ニューヨークやボストンのような巨額の放送収入などの見込めない
スモールマーケットのクリーブランド。
私が取材をしていた時は、そんなチーム規模に見合った、
新しいチーム作りをしている最中…。要するに、
「よその畑でなったものを、根こそぎ自分のチームに分捕ってしまう」方針から
「生え抜きのたたき上げの選手だけで勝負しよう」としていたんですね。
実際、2001年には、若いマーク・シャピーロGMを招へい。
監督も、2002年のオフに、メジャー経験の全くない
エリック・ウエッジにチェンジ。
まるで、日本の広島カープのようなチーム作りに変えて、
苦節6年…、ついに今年、大きな花を咲かせました!

2005年、クリーブランドでマーク・シャピーロGMに取材した時、
GMは、目を輝かせてこんなコトを言ってました。
「金でほっぺを叩いて、スタープレーヤーを連れてくれば、
今、閑古鳥が鳴いているスタンドも、また一杯になるだろうけれど、
本当のチーム力は付かないよ。ルーキーの時から育てて、
自分たちのファーム組織の下で、スター選手の道を歩ませるつもりなんだ。
私の息子もまだ赤ちゃんだが、一日一日成長するのが判るんだよ。
君は、犬が好きかい?キャンキャン啼いていた子犬が、
ある日突然、雄雄しくバウバウと啼くのを見たら、たまらないだろ!
今、ファームから上げたばかりの若手それぞれの選手が、そうなるのを、
首を長〜くして待ってるんだよ。」

今年のインディアンスは、生え抜きのビクター・マルティネス捕手を中心に、
18勝をあげているアメリカンリーグ・ナンバー1左腕、C.C.サパシアに、
去年の成績・1勝10敗から、今年はこちらも18勝!
防御率・アメリカンリーグトップの右腕、ファウスト・カルモナという
これまた生え抜きを、投手の柱に躍進しました。
1から「チーム作り」をやり遂げたクリーブランド・インディアンス、万々歳!
コツコツと積木を積み重ねていったインディアンスの、
プレーオフ、ワールドシリーズでの奮戦を、祈らないではいられません。
9月21日
SLの想い出〜昭和40年代初頭・広島鉄道管理局管内
いよいよ、来月10月14日の鉄道記念日、
さいたま市に、新しい「鉄道博物館」がオープンしますね。
館内にはSL・C57や、昔懐かしい機関車、客車が展示されるのをはじめ、
日本一の鉄道模型のレイアウトがあり、
鉄道ファンみんなが、オープンを今や遅しと待ってます。
斯く言う私も、その一人なんです。

何しろ、母方のおじいちゃんが、三菱重工でD51を作っていたので、
私、小さい時からディーゼル機関車は、どういう車両構造で動くかとか、
蒸気機関車の分別の仕方とかを教え込まれていました。
小学校に上がる前から、広島駅構内の陸橋の上で、
下を通り過ぎる蒸気機関車や、ディーゼルカーを眺めるのが、
楽しみだったんですよ!

中学3年生の時に、東京光学・トプコンの一眼レフのカメラを、
父に買ってもらいました。
そして毎週末、広島機関区や、当時、電化されていなかった呉線沿線、
糸崎機関区に行っては目の前を疾駆する、
C62、C59、D51、C58、C11。
さらに入れ替えに使っていた、懐かしのC50の雄姿を、
ドキドキしながら、カメラに収めたものでした。

その頃の呉線といえば、東京〜広島間を運行していた急行「安芸」、
大阪〜広島間を走っていた急行「音戸」、
京都〜広島間の急行「ななうら」といったところがエース格。
その客車を、かつて花形SLだったC62やC59が
牽引していたんですね。
大きくなったら、家の中に鉄道模型・HOゲージのレイアウトを作って、
フル編成の急行「ななうら」を走らせるのが夢でした。
その夢はかないませんでしたが、今でも大きな鉄道模型を見ると、
わくわくしてしまうのです。

今週の「栗村智あなたと朝イチバン」の「あの人、この旅、この人生」には、
私以上に、SLに魅せられた方が登場しますよ。
お楽しみに!
9月15日
落語家と映画
14日明け方、テレビ東京でやっていた、
1970年の大映映画「裸でだっこ」をついうっかり、
最後まで観てしまいました。
前日、番組アシスタントのフッチーから、
「栗村さんの大好きだった、志ん朝師匠が主演で出てる映画ですよ!」との連絡で、
楽しみにしていました。
大好きな落語をテーマにしたものや噺家さんが出演した映画は、
結構あるのですが、 毎度毎度、今になってみると、
出来はたわいのないものでもたまらなく懐かしいものなんですよ。

「裸でだっこ」はタイトル通り、お色気映画なのですが、
志ん朝師匠の相手役が、 なっ、なんと!
私が高校1年の時に、雑誌のヌード写真を学校に持っていって、
先生に取り上げられた、あの、なつかしの渥美マリさんなんですよ。
男子校で、女性に接する機会の少なかった私は、
当時、グラビアの豊富だった「近代映画」という雑誌で見た、
渥美マリさんの、お色気にメロメロになってしまってたのです。

画面に吸い込まれるように見ていて、
あの頃の純真な自分を思い出して、
明け方一人で、くすくす笑ってしまいました。
志ん朝師匠のほかにも、先代の柳亭痴楽師匠も、鳳啓介・京唄子も出てて、
も〜う、たまりませんでしたよ。

そういえば、懐かしい噺家さんが出演した映画を、
10月5日まで、下北沢の「シネマアートン」で特集してますよ。
時間が空くと、私もちょくちょく顔を出しているんです。
古〜い、狭〜い映画館ですが、場内の喫茶カウンターが、
これまたオツなんですよ。
一度いらっしゃってはいかがでしょうか?
皆さん、懐かしいあのころに戻ることが出来ますよ!

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