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みのりの日記
栗村 智
栗村 智
 
diary
11月10日
三代目橘家文蔵襲名披露
橘家文左衛門改め、三代目橘家文蔵襲名披露興行。
9月21日・上野鈴本演芸場を皮切りに、都内の寄席定席を10日刻みに
新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、そして国立演芸場と、
50日間にわたって興行され、今日・大千秋楽を結びとして無事終了しました。
プロ野球・日本シリーズ、ワールドシリーズを見届けて、、
きょうの大千秋楽に間に合いました。
というか、おっとり刀でぎりぎり間に合いました。

三代目文蔵師匠は、以前、入門直後「乱暴者の元板前の前座さんがいるんだ」と、
紙切りの正楽師匠に伺ったのがきっかけで橘家かな文の頃から気には留めていたのです。
ちょうど1990年ごろは、ショウアップナイターの実況と日曜競馬ニッポンで、1年のほとんどが出張。
大好きな寄席通いから10年以上遠ざかってましたから、前座から二つ目の文吾時代の成長過程を見ていなかったのです。
再び寄席に通い始めた15年前くらいから、歯切れの良い江戸前の噺家さんとして、
私好みのうちの1人というか・・・先々を楽しみにしている注目の噺家さんの1人でした。
この興行で、ほとんどの高座をご覧になってるというご年配のお父さんに、
上野鈴本の初日が「笠碁」、その後は先代の十八番だった「竹の水仙」「らくだ」
「文七元結」「猫の災難」「芝浜」「転宅」がいい味出してたよと教えていただきました。

今日の国立演芸場大千秋楽の出し物は「芝浜」。
トリの高座に上がって、まずは写真撮影タイム。
続いてたくさんの楽屋見舞いのお菓子を客席へ、節分の豆まき形式の御裾分け。
文左衛門時代と変わらない伝法でかつ人懐っこいサービスのあとの一席、
三代目橘家文蔵45分の長口「芝浜」、結構でした。
一門の筆頭・一朝師匠が、口上の席で「この50日間めきめきと腕をあげてきた」と言っていた通り、”灘の、酒もかくやの語り口”で、平日の昼間にもかかわらず満員の客席をうならせましたよ。

また1人、定席で出番を首を長くして待つ、楽しみな噺家さんが看板をあげました。
三代目橘家文蔵54歳、いい噺家ができました。
8月31日
アコーディオン
台風接近中だった月曜日夜、中野ZERO小ホールの「みんなのビッグショー」を楽しんできました。
このところ体調不安で、気がめいる毎日を送っていたのですが、いやぁ楽しくて、頭の周りを巡っていた憂鬱感が、いっぺんに吹っ飛んでしまいました。
いきなり、鈴本の夜のトリに間に合わないからと、一之輔さんが開口一番、なんとも破天荒な「千早ふる」。
喬太郎さんの「純情日記渋谷編」。
トリの市馬さん「松曳き」。

いつもの大好きな噺家さんも心地よい高座だったのですが、なんなんでしょうねえ・・・。
いちばん心躍ったのが、初めて観た夫婦漫才”おしどり”の高座でした。
アコーディオンのマコさんと針金アートのけんちゃんの、風変わりな夫婦漫才。
以前、寄席に行くと、誰かしらアコーディオンを高らかに弾く漫才さんがいましたが、東京ボーイズのリーダーがなくなってから絶えて、聞かれなくなっていました。
子供のころ聴いた横山ホットブラザーズ・・・あれは道頓堀角座。
あと、地味なところでは、落語協会の色物だったさえずり姉妹。
テレビだと、なんてったって横森良造さんの「のど自慢」の伴奏。
アコーディオンの音色は身近だったんですがねえ・・・。

マコさんが奏でるアコーディオンが、心地よく耳に入ってきて、わくわくしてしまいましたよ。
以前一之輔さんが、独演会のゲストに呼んだことがあるらしく”面白いですよ〜!”とは聞いていたんですが、想像以上でした。
マコさんは横山ホットブラザーズのアコーディオン・マコトさんのお弟子さんなんだとか。
上方中心に活動されていたようですが、最近は漫才協会に入会されて、浅草の東洋館に出演されてるんだそうです。

気に入ると自分でもやりたくなるのが私の悪いところですが、「アコーディオンって、いいなあ〜!」と思い込んだら、やってみなくては気がすみません。
さっそくお茶の水へ・・・。
「え〜!!!トンボのアコーディオン、8万円」
まずは今週、「新潟記念」勝負!!!
ハナからお金ためてからなんて思わないのも昔から・・・・。
6月30日
4代目江戸家猫八さん、お別れの会
今年3月21日、66歳でお亡くなりになった猫八さんの「お別れの会」が、
都内のホテルで師匠を惜しむ550人の人たちが集まって行われました。
三代目から四代目、そしてせがれの小猫さんの高座を見てきた
寄席ファンの私にとってもさみしい限り・・・お別れに行ってきました。

以前、ヤクルトが若松監督時代、神宮球場の実況席でシーズン終盤、
外野の向こうの神宮の森から虫の声が、せわしなく聞こえてくると、つい・・・
「猫八・小猫がないてるんじゃありませんよ!ほんとに鈴虫、コオロギ大集合の神宮の森、秋も深まってまいりました。」
って、実況するのが、ひそかな楽しみだったんですよ。
「ほんとだ、秋も深まったね。」
と返してくれるのは、関根さんだけだったけど・・・。

露木茂大先輩の進行で、元・衆議院議長の河野洋平さんと
中村メイコさんのお別れの言葉。
遺影には故人の遺志により中村メイコさんのご長男、現在スペインに拠点を置く
洋画家の神津善之介さんによる肖像画が用いられていました。
本当に故人がそのまま鳴きまねを始めちゃうんじゃないかと思うほど、
いきいきとした肖像画なんですよ。

ついひと月ほど前、我が家のウラの森の中でホトトギスが啼いていました。
「トッキョキョカキョク!トッキョキョカキョク」
四代目が高座で言ってた通り、本当にないていました。
寄席ファンにとっては、江戸家を当代小猫さんがしっかりと継いで言ってくれるのを、
客席で見守っていきます。
5月12日
私の実況ゲーム・ベスト3!
ニッポン放送ショウアップナイター、今日は神宮球場「ヤクルト対広島」戦です。
今年は「50thアニバーサリー・ニッポン放送ショウアップナイター」。
ナイター中継・レギュラー放送50周年、
長年の御愛聴に感謝しながらお届けしています。
先日、松岡ディレクター(ショウアップナイターファンクラブ祐ちゃん日記担当)に、
「これまで実況を担当したゲームの中で、思い出に残っているゲームを
3つほど選んで下さい」との要請で、私、栗村が1977(昭和52)年に入社してから
中継を担当した印象深いゲームを、思い出していくうちに、
様々なシーンが走馬灯のように頭の中を駆け巡り、興奮状態に・・・。

結果、選んだのは・・・

@1991年10月24日:広島市民球場最後の日本シリーズ第5戦「広島×西武」
A1994年5月18日:福岡ドーム「巨人×広島」巨人・槙原完全試合
B2004年7月11日:長野オリンピックスタジアム・オールスターゲーム第2戦
            「全セ×全パ」新庄剛志のホームスティール

この3つを選ばせてもらいました。
放送の出来不出来は置いといて、実況アナウンサーとして
素晴らしい場面立ち会えた幸運に感謝したできごとでしたからね。

幼い頃から、ラジオの実況アナウンサーにあこがれて、
高校生になった頃は、噺家にあこがれて、あこがれて・・・。
小学5年生の頃、親父のお古のトランジスターラジオをもらってから、
イヤホンから流れる野球中継、落語の中継ばかり聞いていました。

ニッポン放送「ショウアップナイター」50周年ですが、
私が小学5年(1964(昭和39)年)の時、郷里・広島で、
当時のラジオ中国(RCC中国放送)で大好きな広島カープの中継を聞いていましたから、
広島の「RCC中国放送」のナイター中継は、もっと歴史があるということですね。
金山次郎さんや長谷川良平さんの解説が、今でも耳に残っていますからねえ。
間違いなく昭和38年は、毎晩ナイター中継、聴いてましたもの・・・。
亡くなった親父の生前の話では、広島カープが生まれた1950(昭和25)年から、
「RCCで放送しょうたでえ」ということですよ。

話は変わりますが、柳家喬太郎師匠が高座で云ってましたが、
ウルトラマンも50周年ですってよ。
その前のウルトラQもそうなんですね。
う〜む、昭和は遠くなりにけりですね。、
4月 6日
くせになりそう・・・
「第6回ニッポン放送うまいもんまつり 横浜タカシマヤ」に
ご来場ありがとうございました。
日本全国上手いもん集結の催会場の片隅に、
100人着席の立派な高座が設えられて、
立ち見のお客様も出て、たいへん失礼しました。
まさか、あんなにたくさんのいいお客様で客席が埋まるなんて・・大感謝でした。

3日・日曜日正午から1時半までの「うまいもん寄席」。
ゲストの若手噺家・柳家わさびさんに、太神楽曲芸の翁家和助さんも大熱演。
はっきりいって、このお二人の後に、私が最後に高座に上がるなんて、
無謀極まりないことでしたが、
学生時代、中大落語研究会にいたころ、
亡くなった翁家さん馬(当時二つ目で桂文七さん)に教わった「真田小僧」を、
サゲまでやらせていただきました。

昭和48年ころでしたねえ。
当時、女子大の学祭や養護施設の高座でやっていたねた。
この2週間、思い出しながら、必死で稽古しました。
そのころ、サゲまでやっても28分のネタだったはずですが、
高座の居心地の良さが時間を忘れさせたのか、
なんと37分もやっちゃいました。
いやぁ、ホントのこというと・・・62さいの親父になってしまって、
若いころのテンポが出なかったのが、第一の理由ですがね。
普段は、寄席や落語会に顔だして本職の噺家さんをつかまえて、
「あそこはどうだ」「ここはこう演じればいいのに・・・」
なぁんてエラそうなことを思いながら見ていました。
さて、人前でやるとなれば、大変なことを今さらながら実感したわけですよ。

てなこと思いながら、きのうから、蝦蟇の油と蔵前駕籠のお稽古を始めました。
こりゃーくせになるわ・・・。           
 
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