飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
4月30日
香港春の国際レースカーニバル。1日に3つのG1レースを行うという大イベントですが、香港のファンが最も期待していた総大将が、現役で世界最高評価をされているビューティージェネレーション。期待に応え、G1 FWDチャンピオンズマイルを勝利しました。

騎乗したザック・パートン騎手はこの6歳のスーパースターの筋肉をほとんど動かさずほぼ馬なりで勝利を掴みました。

ビューティジェネレーションはこれで9連勝で、今シーズンは8勝目。エントラップメントとアンビシャスドラゴンが持つ1シーズン最多勝利数の7を更新しました。
さらにもう一つ、ビバパタカが持つ香港の最多獲得賞金のタイトルも更新しています。今日の勝利で通算獲得賞金は8477万香港ドルになりました。同じくムーア調教師が手がけたビバパタカが2010年のQEIIの勝利で達成した最多獲得賞金の記録よりも約150万香港ドル上回ったわけです。

ビューティージェネレーションは昨年、史上4頭目の同じシーズンにG1香港マイルとチャンピオンズマイルを連覇しました。前の3頭もいずれも当時のチャンピオンマイラーとして知られたモーリス(2015/16)、エイブルフレンド(2014/15)およびグッドババ(2007/08)。押しも押されもせぬマイルのスペシャリストと肩を並べたことで将来を嘱望されていましたが、ついに大記録達成となりました。

もはや、香港は敵なし、未開の荒野を一人行くかの如きビューティジェネレーションですが、この驚異的な連勝で、非常に高い国際レーティングを獲得しました(127ポンド)。

「今日は期待していたよ」とパートン騎手は切り出しました。いつものようにレース中盤で先頭に立ち、そこからは完全な一人旅。もはやプッシュする必要もないぐらいでしたが、先頭に立つとこの馬は少し気を抜くところがあるので、パートン騎手の仕事は馬をレースに集中させてることでした。記者団にそうだろう?と聞かれると、

「その通り!」と苦笑しました。次走への上積みがどれだけあるか尋ねられた、「ジョン(・ムーア調教師)はもうちょっと追って欲しそうだったんだけどね…」
と、むしろ楽勝すぎたことが問題かのように答えました。
それに付け加えて、
「彼がどれだけのレベルにあるかを言うのは難しいけど、彼は仕事をしたんだ。言えることはそれだけかな」

ムーア師は今回の勝利を受けて、6月2日にG1安田記念で日本に向かう可能性を否定しませんでした。
「間違いなく素晴らしい成果だよ」と彼は今日の勝利について語りはじめました。
「すべてのスタッフが彼をサポートし、体調を維持したからこそ今回の楽勝がある。香港の優れた環境のおかげでここまで来ることができた。チャンピオンマイラーは健在で、世界中の競馬関係者は、マイルで香港に乗り込むことがいかに難しいかを知っているはずだよ」
「日本には行きたいけど、まずはオーナー次第だね。パトリック(クォック)と彼の父親(サイモン)と良く相談して決めないと。今日は楽勝だったと言ったが、長いシーズンを考えると消耗が少なかったのは助かるよ。まだまだ今シーズンも戦えると思う。まぁ、今日はディナーを取りながら作戦を練るよ」

ムーア師は、オーナーに対して「他の目標を設定した」と言ったようですが、ビューティージェネレーションが香港を飛び出して自分自身の強さを証明することを望んでいることを明確にした。 「オーナーは、この馬が17連勝のサイレントウィットネスの記録を破ることを望んでいます。こんなプレッシャーはないよね。私は1日に2錠の強心剤を服用しなくちゃ」
とおどけました。
「こういった馬を手元に置いておくことはどんな調教師の夢だけど、日本に殴り込みをかけて勝つことがこの馬のキャリアにとって真に重要なんだと思うよ」と付け加えました。

一方、パートン騎手は、ジェラール・モッセの持つ記録にあと一つと迫る、香港G1勝ち鞍21となりました。

2着に入ったのは、トニー・ミラード厩舎のシンガポールスリングでした。 「とても良いレースだったよ」とミラード師。「今日はこの馬本来の出来に戻っていたね」と上機嫌でした。
「1600メートルはこの馬の最適距離ではない。この馬は1800メートルの馬なんだ。今後については、すでに安田記念に招待されているけれど、そこに行くかシンガポールに行くか、これはオーナーにお任せだね。今日は、我々が知る限り最良のレースだったし、最後までしっかりと伸びてくれた。素晴らしいレースだったね」
次に向けて、手応えをつかんだようでした。


 
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