飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
あなたとハッピー
ニッポン放送ケータイ
飯田コージの外はおまかせ!
 
香港競馬通信
4月29日
クイーンエリザベス2世杯は日本のウインブライトが勝ちました。
このレースで初めて1分59秒の壁を破り、1分58秒1の勝ち時計をマーク。トップレベルの実力である事を香港のファンにもアピールしました。畠山吉宏厩舎の5歳馬は、エイシンプレストン(2002年と2003年)、ルーラーシップ(2012年)、ネオリアリズム(2017年)に続き、日本馬として4頭で5度目のQEII制覇となりました。

14ヶ月前に始めてタイムワープが2000m2分の壁を破りましたが、今回は優勝したウインブライトから8着のディノッゾまでが2分を切るタイムをマークしています。
「水曜日の朝、ウィンブライトは追い切りで速い時計をマークしたので、今日も時計勝負になれば勝機があると思っていた。勝ったのは予想外ではなかった」と勝利ジョッキーの松岡正海騎手は単勝47倍の番狂わせについても平然と語りましたた。

松岡騎手は、10年前にマイネルキッツで天皇賞・春を制して以来のG1勝利。その上今回は沙田で初騎乗でしたが、非常に冷静な騎乗を見せました。道中は内ラチ沿いの中団で折り合って待機し、直線に向いたところで外へ。そこから末脚を存分に発揮し、一気にスパート。ゴールまで愛馬を叱咤激励し、見事に勝利に導きました。10年ぶりに溜飲を下げた松岡騎手は記者団に、
「最高の日です!」と言いました。「今回ゲートの出はあんまり良く無かったんだけど、道中は良い場所を見つけてうまく移動することができました。おかげで直線ゴール前まで非常にうまく伸びてくれたね」

畠山調教師も香港初参戦での勝利しました。調教師、ジョッキー共に香港初参戦でQEIIのタイトルをさらっていくのは、香港のファンにとってはステイゴールドを思い出させます。
この勝利は偶然のものではなく、陣営は2月にG2中山記念で5頭のG1馬を相手に勝利した後、このレースにしっかりと照準を合わせてきました。

「ウインブライトはG2とG3では勝ったんだけど、G1だと常に負けていたん。でも、今シーズンの彼の2つのレースの勝ちぶりから、馬が成長し、良くなっていると思っていました」
「この馬はトップレベルの力があると確信していた。もちろん、彼が勝つとは断言できなかったけどね。可能性は十分にあった」
と、畠山師は語りました。
前走から今日の勝利までレース間隔が空きましたが、それもプラスに作用したようです。今週、ウィンブライトは非常に調子が良く見え、調教中の動きも非常に良かったようです。
「昨年、中山金杯(G3)の後で、G1の大阪杯に行きましたが、前シーズンの終わりから休みがなくてね」と畠山師。続けて、「今年は大阪杯をスキップして、QEIIを目標に設定しました。つまり、このレースの前に休養のために彼を牧場に送ったのですが、それが非常に良かった。そこでリフレッシュしたことで、今回力を出し切ることができたね」
「気がかりだったのは、香港の湿度が高く暑いことだったんだけど、この馬は平気で予定通りの調教が出来たね。今後ももっと力をつけて、勝ち星を重ねてくれることを願っています。12月に香港カップでまた戻ってきたいと思います。」
と締めくくりました。
ウインブライトは、昨年の覇者パキスタンスターを残り70メートルで交わし、香港の古豪エグザルタントを4分の3馬身抑えてゴールを駆け抜けました。トニー・クルーズ厩舎のエグザルタントは、3着に入った日本のリスグラシューを短頭差退けて2着。このエグザルタントとリスグラシューは、去年12月のG1香港ヴァーズの1、2着。その時の着差は首差でした。

「完璧なレースではなかったね。(騎乗した)ザック(パートン)は、内枠を引いていたら別のレースになったかもしれないと言ってたけど、非常に良いレースをしてくれたよ。日本勢が勝つのは織り込み済みで驚かないよ。彼らはここ香港に遠征するのが大好きだからね」とクルーズ師サバサバとした表情では言いました。

一方、オイシン・マーフィー騎手は手綱を取ったリスグラシューの飛ぶような末脚に喜びを隠しきれませんでした。
「この馬の能力に興奮しているよ!道中も非常に満足で、ダークドリームの後ろに付いて良く折り合って走ることができたと思いました。直線でゴーサインを出すと、一瞬勝てると思うほどの素晴らしい末脚を繰り出してくれたよ」
そして、勝ったウインブライトと騎乗した松岡騎手を称えました。
「日本の馬は本当にフェアに勝負してくるんだ!松岡は外に出してボクの馬の進路を塞がないように乗ってくれた。勝ち馬との差は、向こうががあまりにも良かったということ。うまくいけば、いつかリスグラシューは香港で勝利を手にするだろうね。それにしても、なんてタフな女の子なのか!」
今回は日本馬が目立つクイーンエリザベス2世杯だったようです。


 
前のページ 最新のページ 次のページ
 
 
  ニッポン放送トップページ夜の番組ページ
Copyright © 2012 Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.