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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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11月22日 |
12月の香港マイルへの前哨戦、ジョッキークラブマイルは順当と驚きの交錯したゴール前になりました。
人気の1頭ビューティオンリーが見事な勝利を決めた一方、2着には同厩の伏兵ロマンティックタッチが単勝97倍の低評価に反発するかのように入り、馬連や三連単などの連勝馬券を持っている人にとっては大番狂わせとなりました。
両馬を管理するトニー・クルーズ調教師は、
「彼(ビューティオンリー)は勝てるんじゃないかと期待していたんだ。もちろん、ロマンティックタッチだってレースに出す以上はある程度は期待していたよ。でも、まさか2着に来るとはね。想定外だったよ!」
と、正直に明かしました。
レース前の単勝倍率もそんな空気を反映していて、ビューティオンリーは単勝3.3倍の2番人気に推されていました。
これは、昨シーズンのチャンピオンマイラー、サンジュエリーが3.2倍の一番人気でしたから、ほぼ差のない期待を集めていたことになります。
ちなみにサンジュエリーは道中ほぼロマンティックタッチと同じような位置取りで、残り150mから叩き合いし3着。
一方のビューティオンリーはこの2頭をまとめて交わし去り、勝利を手にしました。
勝ったザック・パートン騎手は、
「ペースが僕らにとっては良かったね。直線の入り口までは前とはだいぶ差があったから、かえって他の馬に煩わされずに気持ち良く走れたんじゃないかな。残り200mで闘争心に火がついてごぼう抜きできたんだけど、手応えは常に抜群だったよ」
と、レースを振り返りました。
事実、ビューティオンリーは相棒パートンの力強い追いっぷりに良く応え、短頭、ハナの熾烈な優勝争いを辛くも制しました。
勝ち時計は1分33秒79で、上がりの400mは22秒29。
ビューティオンリーにとって香港移籍後23戦で6勝目となりました。
「この馬は本当に頭のいい馬で、おそらく勝つために何をすればいいのかを理解して走っているんだね。そして、勝つと周りがハッピーになることもわかっているはずなんだ」
と、パートン騎手は愛馬を分析しました。かつて年間最多勝を獲得したこともある名手は、当然本番の香港マイルでもコンビを組む予定です。その上で、
「トニー(・クルーズ調教師)はいつもビッグレースにピタリと照準を合わせて調整してくるから、おそらく12月の本番にはさらに上積みがあるだろうね。もう少しだけネジを巻いて、完璧に仕上げてくると思うよ」
この日4勝の固め撃ちだったジョッキーはとても饒舌でした。
パートン騎手にとっては、2009年のフェローシップ以来2度目のジョッキークラブマイル制覇。
トニー・クルーズ調教師にとっては実に4度目の制覇です。
2003年のラッキーオーナーズ、08年エジプシャンラー、そして去年のビューティフレイムです。
「ビューティオンリーはまだまだ潜在能力はこんなもんじゃないよ」
と、クルーズ師は愛馬は底を見せていないと言います。
「堅実なマイラーというイメージで、良馬場じゃなきゃ真価を発揮しないって思われているけど、今日の目の覚める末脚を見たかい?ザック(・パートン騎手)も言ってたけど、あんなの今までなかったからね。やっぱり、速い馬場では走るね。国際レース本番でも人気の一角を担うと思うよ。去年のこの時期と比べて、遥かにいい馬に成長してくれた。精神面でも成長して、走りのプロになってきているし、本番が楽しみだよ」
一方、今回は3着に敗れたサンジュエリー。
前走がシーズン初戦の沙田トロフィー(G2)で6着。
そこからは順位を上げたわけですが、騎乗したホアオ・モレイラ騎手はこの結果に満足のようです。
「いいレースだったよ。前走と比べたら遥かにいいレースだったし、次走はさらに良くなってくれるんじゃないかな」
と前向きに語りました。
このレースでもっとも不運だったのが、同じジョン・ムーア厩舎のヘレンパラゴン。
直線入り口で挟まれ、前をカットされ、鞍上ヒュー・ボウマン騎手はどこか隙間を探しますが脚を余らせ7着に敗れています。
下馬してきたボウマン騎手は、
「いやぁ、不運だった。でも、道中は上手く折り合えていて非常にいい感触だった。次走はいい勝負になると思うよ」
と、陣営の不安を鎮めるように言いました。
なお、香港マイルの最終エントリーは明日水曜日に発表されます。
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