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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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12月 7日 |
香港国際レースへは沢山の日本馬が挑戦しています。
4つの国際レースがある中で、最も高いハードルだったのが香港スプリントでした。
香港ジョッキークラブが4つの国際G1を開催するようになってからしばらく日本馬は活躍できなかったんですが、風穴を開けたのがロードカナロア。
2012年と2013年の香港スプリントを連覇し、特に2013年の勝利はそれが決め手となって日本の年度代表馬に輝きました。
今年の香港スプリントには、ビッグアーサーとレッドファルクスという2頭の強力な日本馬が参戦。偉大な先輩に続けと調整を続けています。
ビッグアーサーはサクラバクシンオーの晩年の仔。
すでにお父さんは亡くなっていますから、最終年度の1年前の仔ということになります。
お父さんは1993年の最優秀短距離馬。
全12勝の内、実に11勝が1200mか1400mだったという生粋のスプリンターでした。
種牡馬としても非常に優秀で、15年連続重賞ウィナーを輩出しています。
ビッグアーサーはそのなかでも孝行息子で、デビューから5戦全勝。
そして重賞で入着後、この春の高松宮記念(1200m)でG1初勝利。
日本の競馬番組表で2つしかない6ハロンG1の1つを制しました。
しかしながら、秋に行われたもう1つの6ハロンG1スプリンターズSでは驚きの惨敗。
12着という衝撃の着順でした。
ただし、実際は着差ほどは大きく負けておらず、勝ったレッドファルクスから2馬身4分の1しか差はありませんでした。
「前走は馬にとってはかわいそうなレースだったね。前が完全に塞がれちゃって、抜け出るチャンスがまるでなかったもの」
と、今回コンビを組むライアン・ムーア騎手。
本来は主戦の福永騎手とコンビを組むはずが、福永騎手が先週の開催で怪我。
そこで世界の名手にお鉢が回ってきました。
ただ、前走の馬群に沈んだ印象が残る日本のファンは特に、ビッグアーサーを信頼することができないかもしれません。陣営もその事は気にしていて、管理する藤岡調教師は、
「不利を受けないためにも、出来れば真ん中の枠、5、6、7番枠のどれかがほしいね。ライアン(・ムーア騎手)にはまずは折り合いに専念するように言うけど、誰も前へ行かないようならウチのが先手を取るのも選択肢の1つだね」
と語りました。
日本馬には珍しく、オーナーの中辻氏も積極的に取材に応じていて、
「オーナーとしてこのような場に出られるというのは、藤岡調教師とビッグアーサーが私の夢を叶えてくれたようだね」
と感慨無量といった様子。
「香港に来られたのは本当にラッキー。日曜はいいレースをしてくれたらいいね」
と、上機嫌に語りました。
2012年の北海道セレクションセールで960万円だったビッグアーサー。
今や2億6千万円を遥かに越える賞金を稼ぎ、オーナーに貢献しています。願わくばそれに追加を。中辻氏はそう思っているようです。
一方のレッドファルクスは個人オーナーではなく一口馬主の信じゲート、東京ホースレーシングの持ち馬。
芝とダートを行ったり来たりしているという変わった経歴の持ち主です。
すでにダートのスプリント戦でも4勝、そして芝でも4勝。
近走ではCBC賞とスプリンターズSを勝利。勢いで言えばこちらのが上ということになります。
どちらも僅差の勝利でしたが、その柔軟性は折り紙つき。
かなりの外枠と内枠、どちらでも対応できるところをしめしました。
乗るのは、過去2戦の勝利もコンビを組んだミルコ・デムーロ騎手。
それだけに馬のいいところを引き出してくれるでしょう。
前走のスプリンターズS勝利は、父のスウェプトオーバーボードにとっても、管理する小関調教師にとっても初のG1勝利となりました。
今回は日本のG1、JBCスプリント(ダート)に参戦する選択肢もありましたが、香港遠征を選びました。
「JBCに出ようと思うと、ちょっとスプリンターズSから感間隔が詰まりすぎるんだよ。それに、芝で目一杯の競馬をしたあとダートに変わるとなると、馬がその対応に一杯一杯になっちゃうからね」
と、小関師。続けて、
「輸送は非常に順調。周りの環境の変化にも、今のところ動じてないね」
ひょっとしたら日本馬のワンツーだってあるかもしれない。
香港の競馬ファンは危機感をもって見守っています。
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