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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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12月 8日 |
昨夜のハッピーバレー競馬で、世界中の騎手のコンテストが行われました。
4つのレースを指定し、抽選で乗る馬を決定。
1着12ポイントから順にポイントが割り振られていて、その合計ポイントの高い騎手が優勝となります。
今回はデッドヒートの末、オーストラリアのヒュー・ボウマン騎手が3度目の挑戦でついに戴冠しました。
2009年、2015年と挑戦しながら良績を挙げられなかったボウマン騎手。まさに3度目の正直となったわけです。
ボウマン騎手は4つあるレースの内、最初のレースでロケットスタートを決めました。
ジョン・サイズ調教師が管理するプルミエールで早々に12ポイントを獲得。
ライバル達にリードを見せつけます。
逃げ馬の直後に控えるという理想的なポジションから直線抜け出しという教科書のような騎乗で、プルミエールの連勝に花を添えました。
フロレント・ゲロワ騎手騎乗のシークレットエージェントが2着に入り6ポイント、パット・スミューレン騎手のパワーマックス(リチャード・ギブソン厩舎)がスタートで躓きましたがなんとか踏ん張り3着。スミューレン騎手は4ポイントを獲得しています。
「逃げ馬の後ろに上手く控えることができて、直線でもしっかり伸びてくれたね。幸先よく最初のレースで勝てて、とても嬉しいよ!」
とボウマン騎手は話しました。
第2レグはお馴染みライアン・ムーア騎手の独壇場。
トニー・ミラード厩舎の人気馬ジャイアントタートルを駆り。2着にダグラス・ホワイト騎手のカーサマスター(ダニー・シャン調教師)を従えての堂々ゴール。
3着にはホアオ・モレイラ騎手のグッドチャンスが4ポイントを拾いました。
全部で4レースの内の半分が終わったところで、6人がポイントを獲得しているという大混戦。
ヒュー・ボウマン騎手とライアン・ムーア騎手が12ポイントで並び、フロレント・ゲロワ騎手とダグラス・ホワイト騎手が6ポイントで並んで3位タイ。
さらに、パット・スミューレンとホアオ・モレイラが4ポイントで続いていました。
そして注目された第3レグはドラマティックな展開でした。
このレース、ボウマン騎手は傍目には勝ち目がないだろうという馬に乗っていました。
しかし、騎乗したデヴィッド・フェラーリ厩舎のキラムはまさにドリームランの激走を見せました。
その光景にはライバル達も脱帽。
ライアン・ムーア騎手も、
「馬も騎手も、素晴らしいレースだった!これぞプロの騎手の騎乗だよというお手本のような、素晴らしいレースだったね!」
と、我が事のように興奮していました。
キラムはゲートが開くや否やスルスルと先頭に立ち、そのままあれよあれよという間に逃げきりを計ります。
結局、ミルコ・デムーロ騎手のミューチュアルジョイ(ピーター・ホー厩舎)がゴール前辛くも捉えたのみで、それも短頭差。
最後まで手に汗握るレースぶりでした。
勝ったデムーロ騎手は、
「はじめてのブリンカーで、ゲートではちょっと驚いていたようだったね。それにしても絶妙なペースで逃げられちゃって、こっちは後ろで自分の競馬に徹するしかなかったよ。直線は外に出してなんとか捉えられたけど、手応えは十分で最後まで伸びてくれたんで良かった」
とはいえ、ボウマンは残り350mで先頭に立ち見せ場十分の2着。
このことについては、
「最後は神のみぞ知るってやつかな」
と語りました。
さらに第3レグがドラマティックだったのは3着争い。
フロレント・ゲロワ騎手のワークスオブアートとライアン・ムーア騎手のミッドナイトプロミスがなんと同着。
お互い、2ポイントずつを分け合うことになりました。
ということで、最終の第4レグを前にして、トップはボウマン騎手の18ポイント。
それにライアン・ムーア騎手14ポイント、ミルコ・デムーロ騎手12ポイント、フロレント・ゲロワ騎手8ポイントで続きます。
一着が12ポイントですから、今挙げた4人はすべて、第4レグの成績次第でチャンピオンになる可能性を残していたわけです。
そして迎えた最終レグ。
結果は、ボウマン騎手に微笑みました。
自身も着外でしたが、優勝の可能性のあった3人がすべて不発。
最終レグを制したのは、日本の戸崎圭太騎手。
ジョン・サイズ厩舎のビッグバンボンが、ザック・パートン騎手騎乗のバラパール、ダグラス・ホワイト騎手のチアフルボーイを2、3着に従えてゴール。
3着争いは、ムーア騎手をハナ差抑えてというドラマもオマケでついていました。
戸崎騎手は、
「この素晴らしい夜に勝てたことが嬉しい。第3レグまではいいレースが出来なかったからね。でも、楽しむことが出来たよ」
結果、ボウマン騎手が18ポイントで優勝を飾りました。
ライアン・ムーア騎手が14ポイントで2位。
ミルコ・デムーロ騎手と戸崎圭太騎手がそれぞれ12ポイントで3位タイ。
結局、第3レグの逃げ粘りが勝敗を左右した結果になりました。
表彰式でボウマン騎手は、
「最終レグでライアン(・ムーア騎手)よりもポイントを稼ぐか、さもなくばお互いゼロポイントじゃないと勝てなかったわけで、彼の馬の方が人気していたからどうかなぁと思ったんだ。レースでは、ボクの馬も勝てないまでも着は拾えると思っていたんだけど、そこは期待はずれだったね。一方で、彼(ムーア騎手)は全く諦めていなかった。ライアンは3着に入ったと思ったよ。だから、着順が出るまでドキドキしたけど、勝てて良かった」
と、正直な胸の内を明かしてくれました。
「今回はちょっと自信があったんだ。騎乗馬抽選で、馬の実力通りに走ればポイントを稼げると思ったからね。でも、やっぱり競馬には運が必要だし、重要なんだと痛感したよ」
この夜のハッピーバレー開催には29601人が詰めかけました。これは、1999年以来の人出。
この日の総売上12億3800万香港ドルも、国際ジョッキーチャンピオンシップ開催日としては史上2番目の売り上げを記録しました。
この興奮が、今週末の国際レースデーへと繋がっていきます。
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