飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
3月 8日
来週末の香港ダービーに向けて、今日、ハッピーバレー競馬場で出走馬に関する記者発表が行われました。
今年で実に140回を迎える競馬の祭典、ダービー。
日本のホースマンなら皆日本ダービーを目指すように、香港のホースマンは皆、この香港ダービーを勝ちたいと願っています。
今年の注目は、何と言ってもラッパードラゴン。
昨日も書きましたが、現行の香港クラシック三冠体制になってから初の三冠馬に輝くかどうか、香港中が注目しています。
記者の前でコメントした、レースビジネスと運営担当役員のアンソニー・ケリー氏は、
「香港ダービーは世界で2番目に賞金の高いダービーだし、非常に歴史あるダービー。香港競馬にとっても特別なレースです。何と言っても、一生のうち一度しか出走できないレースで、このレースの勝ち馬はその世代のリーダーになるのみならず、その後のG1戦線の常連になっていく、次世代のスターホースを探すレースなんですよ」
と、まずこのレースの意義を語りました。そして、
「不思議なことに、クラシックマイル、クラシックカップを勝ってダービーまで勝ったという馬はいないんですね。ラッパードラゴンはすでにマイル、カップでずば抜けた才能を見せてくれています。レーティングも114ポンドまで上昇。これは、近年のダービー馬たち、アンビシャスドラゴンやアキードモフィードよりも上ですし、デザインズオンロームとも1ポンドしか差がないのです」
と、やはりラッパードラゴンに話が及びました。一方で、
「ラッパードラゴンが三冠を達成するには、非常に強力なライバル達を相手にしなくてはいけません。いずれにせよ非常にエキサイティングなダービーになるのは間違いないし、私も、もちろん多くの競馬ファンも、どの馬が栄冠を勝ち取るのか、その瞬間を楽しみに待っていますよ」
と語りました。

レーティング114ポンドのラッパードラゴンは、当然出走14頭のメンバー表の筆頭です。
2007年のフローラルペガサス、2016年のサンジュエリー以来の二冠を引っ提げてのダービー挑戦。
この2頭はいずれも最後のダービーで涙を呑みました。
管理するのは、香港が誇る名伯楽、ジョン・ムーア調教師。
去年はウェルテルでダービーを制しています。
今回は、このラッパードラゴンを含め6頭の多頭出しということで、僚馬もライバルです。

たとえば、南北両半球でのダービー制覇を狙うイーグルウェイ。
この馬は去年の6月にオーストラリアのクイーンズランドダービー(2400m)を制しています。
また、同じくムーア厩舎のヘレンカリスマは7月のパリ大賞典の勝ち馬です。
イーグルウェイは12月のクラス2戦で香港デビューを勝利で飾りました。
その後香港クラシックマイルで6着、クラシックカップで4着でした。
一方ヘレンカリスマは香港クラシックマイルが香港デビュー戦。
末脚を伸ばしたものの及ばず9着。
その後はG3センテナリーヴァーズ、クラス2のハンデ戦でいずれも入着できずでした。

また、ムーア勢では他に、昨日も少し紹介したビューティジェネレーション。
オーストラリアのG1で入着経験のあるこの馬は、香港デビュー2戦目のクラス2戦(1600m)で勝利。
その後、クラシックマイルで3着、クラシックカップでは勝てるレースを落として陣営をがっかりさせましたが、この中間は非常に順調。
昨日7日の調教試験でも非常にいい動きをしていました。
さらに、イギリスからの移籍馬ブルーミングディライト。
香港移籍後は1800m、2000m、1600mと中距離を3戦して勝ち星なし。今回初めてクラシック戦線に挑戦します。
それに、イーグルウェイが勝ったクイーンズランドダービーで2着に入ったロドリコが加わって、ムーア勢の揃い踏み。
まったく、自厩舎内の戦いに勝たなければ、ダービーを勝つことが出来ないわけですね。

他厩舎筆頭は、トニー・クルーズ厩舎のパキスタンスター。
この馬は香港国際セール出身馬ということで、香港の競馬ファンからは特別な思い入れがあります。
その上、3歳時から香港競馬で走っていたので、その意味でも香港の競馬ファンから見れば顔馴染み。
去年のグリフィントロフィーを制し、当時はダービー候補の最有力と言われていました。
クラシックカップでラッパードラゴンの2着に入り、レーティングも100ポンドまで上昇。
3頭いるトニー・クルーズ勢では大将格となっています。

また、香港クラシックカップで3着だったのが、ダニー・シャン厩舎のシーズンズブルーム。
この馬はクラシックマイルでも2着で、あと一歩で栄冠を逃し続けています。
殻を破れるか、ダービーは試金石となりそうです。

他にも、ロイヤルアスコットで勝ち鞍のあるリミットレスとゴールドマウントも侮れません。
ピーター・ホー厩舎のリミットレスはブリタニアハンデの勝ち馬。直近で1400mのクラス2を勝ってダービー挑戦権を得ました。
先週末には同じクラス2の1800m戦で3着と、間隔を詰めてダービーに挑みます。
一方、キングジョージ5世ハンデの勝ち馬ゴールドマウント(トニー・クルーズ厩舎)は1600mの香港デビュー戦を鮮烈な勝利で飾ってのダービー出走です。

クルーズ厩舎の3番手はニュージーランドからの移籍馬サーキットハスラー。
香港クラシックマイルでは8着、その後クラス2戦で2度掲示板に乗って、ダービーへの切符を手にしました。

また、昨シーズンのチャンピオントレーナー、ジョン・サイズ厩舎からは3頭が出走。師としては、2012年フェイフェイ、2015年リューガーに続く三度目のダービー制覇を狙います。
その筆頭は、日曜のクラス2、1800m戦で見事な勝利を収めたプローンババ。
ホアオ・モレイラ騎手の1日8勝の一翼を担いました。

アンソニー・ケリー氏が言うように、ここからさらにG1戦線に、世界の舞台に羽ばたいていった馬は枚挙にいとまがありません。
2005年のヴェンジャンスオブレイン、2006年ビバパタカ、2011年アンビシャスドラゴン、2013年アキードモフィード、さらに2014年デザインズオブローム、そして去年のウェルテル。
果たして今年は・・・?


 
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