 |
 |
 |
 |
飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
|
 |
|
|
 |
 |
 |
 |
|
 |
 |
香港競馬通信 |
|
 |
3月13日 |
今シーズンの香港競馬のジョッキー部門で旋風を巻き起こしているのが、オーストラリアの若武者、サム・クリッパートン騎手。
日曜の沙田開催では1日3勝の固め撃ちを行い、存在感を示しました。
地元シドニーで前日の土曜日に乗り、とんぼ返りで参戦したこの沙田開催。
ちなみに、シドニーではG1クールモアクラシック(1500m)でG3ウィナーに騎乗し、ハナ差の2着でした。
タイトなスケジュールでしたが、沙田でもそれを感じさせぬロケットスタートを見せ、最初の3レース中2勝。
いずれもトニー・ミラード厩舎の所属馬でした。
まずはクラス5のスナップドラゴンハンデをアトミックブラストで物にし、続いてクラス4のオンシディウムハンデをボールドスティッチで勝利。
そして、クラス2のシンビディウムハンデをジョン・ムーア厩舎のピープルズナイトで勝ち、1日3勝を達成しました。
「本当に、めくるめく24時間だったよ。」
と、クリッパートン騎手。続けて、
「でも、週末にオーストラリアと香港の両方で勝つことができるなんて夢のようで、いまだに信じられない。今シーズンは充実している実感があるし、とても幸せだよ」
この勝利で今シーズン通算29勝としたクリッパートン騎手はジョッキーランキングで、同じシドニー出身のナッシュ・ラウィラー騎手とならんで4位タイに浮上しました。
一方、ジョン・ムーア調教師は弱冠23歳の若武者、クリッパートン騎手の今シーズンの充実ぶりについて称賛を惜しみません。
むしろ、以前からその実力を非常に高く評価してきた調教師の一人なのです。
「香港に来たその日から、彼は我々のチームの一員に加わったも同然さ」
と、名伯楽。
「というのも、トミー(・ベリー騎手)が彼が香港に来るよって電話してきたんだ。彼ほど素質のある若手は他にいないって言ってね。昨日、シドニーでの騎乗を見ていて聞かれたんだけど、僕はいい騎乗をしていたと思うよ。いい枠を引き当てていれば、勝てたかもしれない。今回は、タイ・アングランド騎手の素晴らしい騎乗に負けたようなもんだね」
続けて、
「僕は、香港での騎乗経験ってのは騎手を育てると信じているんだ。ここには何人もの若いジョッキーが来て、いい騎乗をして、そして帰っていったけれど、彼らはホームグラウンドに帰ってからより一層上手くなっているもんね。ここへ来ると勝負勘が研ぎ澄まされて、多様なレーススタイルにも対応できるようになる。昨日見たサム(・クリッパートン騎手)の騎乗もそう。もちろん、彼にはもっともっと香港にいてほしいんだよ。彼には才能があるからね」
ムーア師は、クリッパートン騎手の4歳クラシック路線のお手馬、ブーミングディライトに香港ダービーでは騎乗させないことを決めました。
ブーミングディライトはクリッパートン騎手とのコンビで今シーズン3勝。騎乗に落ち度はありません。
しかしながら、この大舞台には名手ライアン・ムーア騎手が限定免許で騎乗することが決まっていて、ここは手綱を譲ることになったのです。
クリッパートン騎手は同じムーア厩舎で、オーストラリアのクイーンズランドダービー2着、ロドリコに騎乗することが決まっていますが、調教師はそれ以上の埋め合わせをダービーデーの別のレースに用意していました。
「来週彼には、エイブルフレンドに乗ってもらうよ」
と、ムーア師。
エイブルフレンドと言えば、2014/15年シーズンの年度代表馬。
今回、ヘレンパラゴンやダッシングフェロー、インビンシブルドラゴンなどと共に、クラス1の1400mハンデ戦に出走します。
「(主戦の)ホアオ(・モレイラ騎手)がインビンシブルドラゴンに乗る予定だからね。サム(・クリッパートン騎手)は我々のチームに非常hに貢献してくれているから、喜んで乗ってもらおうと思うんだ」
ピープルズナイトの勝利で、ムーア厩舎とクリッパートン騎手の組み合わせでは13勝目となりました。
この馬とは、昨シーズンの終わりに一週間で2勝したこともある相性の良さ。
また、ムーア師はこの馬は今回勝ったオールウェザーの馬場と以外と相性が良いのではないかとの感触を持ったようです。
「まず、鼻出血はいつものことで、ああダートを楽しんでるんだなぐらいのものだけどね」
と、周囲を笑わせ、
「お父さんのエクシードアンドエクセルはダートOKなんだけど、母系のデヘアがちょっと心配だったんだ。でも、今日の加速なんかを見ていると、こりゃ馬場を楽しんでいるよね。なので、今後も基本的にはこの距離、このコースでいこうと思うよ。次のステージが見えてくるまではこのままだね」
と話しました。
ピープルズナイトの勝利の35分前、ムーア厩舎のゴービューティゴーはジョン・サイズ厩舎のワットエルスバットユーと一着同着というデッドヒートを演じました。
この馬は香港国際セールで取引された馬。
今年の国際セールは17日ですから、それを前に先輩が面目躍如です。
ゴービューティゴーは去年の国際セールで600万香港ドルで取引され、今回ザック・パートン騎手とのコンビでの同着優勝で、4戦して3勝となりました。
「オーナーがこの馬を去年落札したとき、私はこの馬を調教できるとはラッキーだと思ったんだ。この馬自身も非常に素晴らしい素質馬だし、兄がG1を何勝もしているアラモサだしね。その上、選んだのが過去に非常に実績のあるマーク・リチャーズ。彼はこの金曜にもウチの厩舎のために馬を選んでくれているよ」
そして、
「この馬はここ数週でグッと力をつけたんだ。今じゃこの通り勝利への執念を見せてくれるまでになった。お兄さんのアラモサはマイルがベストだったけど、この馬は少なくとも1800mまでは行けるんじゃないかな。ザック(・パートン騎手)は前々で折り合ってくれて、最後までしっかりと追ってくれたね。」
と、馬と騎手を称えました。
|
|
 |
|
|
 |
 |
 |
|
|
|