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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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4月10日 |
今や香港競馬の千両役者になりつつある三冠馬ラッパードラゴン。
香港ダービーを鮮やかに勝利し、春の国際レースへ着々と準備を進めていますが、先週末のステップレース、G2チェアマンズトロフィーを行きがけの駄賃のように勝利しました。
香港クラシック三冠プラス今回で4連勝を決めた後、主戦のホアオ・モレイラ騎手は愛馬を香港No.1と太鼓判を押しました。
「今や、この馬は香港のベストホースと言えるんじゃないかな。おそらく、今香港No.1の座は空位で、誰がその座に就いてもおかしくない状態だと思うんだ。もちろん、この馬はその座に一番近いけどね」
香港ダービーを含め、ここ3戦は同世代相手に戦ってきたラッパードラゴン。
今回は古馬一線級と初めて当たるということで、この先のG1チャンピオンズマイルに向けて試金石になると言われていました。
「レースを上手く乗り切ってくれたよ。道中は前に壁がある方が落ち着く馬なんだけど、今回はちょっと早めに外に出して仕掛けたんだ。レースが早目に動きそうだったし、不利を受けるのが嫌だったからね。抜け出してからもしっかりと最後まで伸びてくれたよ」
と、モレイラ騎手は振り返りました。
1.6倍の圧倒的一番人気に推されたラッパードラゴン。
相手は、10頭立てのうち6頭までもがG1馬という強力なメンバーでした。
レースを引っ張ったコンテントメントを見ながら、道中は3,4番手を進みます。
抜け出したのは残り350m。前が開いた瞬間でした。
その後、差を詰めてきたビューティオンリーを2分の1馬身差振り切り、勝利しました。
勝ち時計は1分33秒74でした。
最後に差を詰めたビューティオンリー(トニー・クルーズ厩舎)は上がりの400mをメンバー最速の21秒96で走破する鬼脚で迫りました。
一方のラッパードラゴンは22秒03。
ビューティオンリーのザック・パートン騎手は必死に追いましたが、最後にモノを言ったのは5ポンドのG1勝利馬に課されるハンデ差のようにも見えました。
しかし、モレイラ騎手は、
「ラッパードラゴンは2着(ビューティオンリー)を何とか抑えられて良かったよ。残念ながら、抜け出してから物見していて、ボクはレースに集中させるのに四苦八苦していたんだ。まだまだ幼いね。その分さらに伸びしろがあるってことだし、ムーア師はさらなるレベルアップに導いてくれると思うよ。ボクも、さらに伸びるだろうって思っているよ」
と話しました。
ムーア師も、5月7日のチャンピオンズマイルに向けてまだまだやり残したことがあると認めています。
「たしかにまだまだ伸びしろはあるね。もう一叩きできるね。ここが目標ではなく、国際レースこそが目標だから、今日は100%の仕上げではなかったんだ」
と明かしてくれました。
2015年にはこのレースをステップに、エイブルフレンドをチャンピオンズマイル馬に押し上げたムーア師。
それだけに、ラッパードラゴンはエイブルフレンドの再来であると認めています。
「たしかに、今のところ同じようなローテーションで来ているね。エイブルフレンドが晩年を迎えている以上、この馬が現状厩舎の総大将であることは認めるよ。もしチャンピオンズマイルを勝つことができれば、レーティングも128ポンドから130ポンドに上昇して、名実ともに厩舎の総大将になってくれるかな」
と、若武者に期待を込めています。そして、その後については、
「チャンピオンズマイルの後についてはまだ分からないな。限界まで使おうとは思わないから、チャンピオンズマイルで今シーズンは終えるかもしれない」
と、明言を避けました。
3着に入ったのは、ダニー・シャン厩舎のサーキットランド。2着とは2馬身4分の1差でした。
そこからアタマ差の4着には、ムーア厩舎のもう1頭の実力馬で去年の年度代表馬、ウェルテル。
騎乗したサム・クリッパートン騎手は、4月30日のクイーンエリザベス2世杯に向けて視界良好とコメントしました。
「ウェルテルはいい走りだったよ。淀みない流れの中で残り600m地点でバランスを崩す不利。なんとか立て直したんだけど、ここが本番じゃないから無理して追うことはしなかったんだ。たしかにそこで立ち遅れた分勝つことは出来なかったんだけど、この馬の走りには満足しているよ。ゴール前はしっかりと伸びてくれたし、本番は2000mだからね」
ムーア勢で陣営を失望させたのは、ヘレンパラゴン。
今シーズン前半のG1スチュワーズカップ(1600m)とG1クイーンズシルバージュビリーカップ(1400m)を勝った新星でしたが、今回はダグラス・ホワイト騎手を背に7着に沈んでいます。
「ま、良くもなく悪くもなくって走りかな。外に出すところまでは手応えがあったんだけど、そこまで。ん〜、今シーズンは使い果たしたってところかな…」
と、下馬したホワイト騎手は感触を語りました。
前哨戦を終え、各陣営国際レースへの最後の調整に入ります。
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