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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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5月 2日 |
日曜日のもう一つのメイン、G3クイーンマザーメモリアルカップ(2400m)は、ジョン・ムーア厩舎期待の若駒、イーグルウェイが勝利。
今年後半のオーストラリア遠征が具体的に見えてきました。
もともとオーストラリアからの移籍馬のイーグルウェイ。
オーストラリアでは去年の6月、G1クイーンズランドダービー(2400m)を勝っていて、もともと長距離には定評がありました。
今回は、同じように移籍前にフランスでG1パリ大賞(2400m)を勝っていたヘレンカリスマを4分の3馬身抑え、香港で唯一の2400mハンデ重賞を制しました。
ムーア師にとっては、このクイーンマザーメモリアルカップの勝利は5度目。
実はこの馬がオーストラリアのブライアン・ガイ厩舎時代、ムーア師はオーナーでもありました。
その立場からも、この馬を香港に連れてきて良かったと評しています。
「結果には非常に満足しているよ。イングリス・イースターセールでイーグルウェイを手に入れたんだけど、すぐに香港に連れてくることはせず、クイーンズランドのブライアン(・ガイ師)の手に委ねたんだ。彼は非常にいい仕事をしてくれたよね。(クイーンズランド)ダービーを勝ったんだから。それを見て、我々は今のオーナーの蕭百君氏に売ることにしたんだ。彼はウチの厩舎を支えてくれる、信頼するオーナーの一人だから。そして、今回は馬がやるべき仕事をしてくれたね!」
ムーア師は興奮して話しました。続けて、
「1着2着は言うことないくらい素晴らしい競馬を見せてくれたよ。芝がもう少し刈られていたら、差はもっと詰まって、ひょっとすると逆転するぐらいの僅差になっていたんじゃないかな。ヘレンカリスマはもう1馬身ほどは伸びていたんじゃないかな。両馬ともチャンピオン&チャーターカップを目指すし、その後も楽しみになってきたよ」
と、今後を展望しました。
チャンピオン&チャーターカップ(2400m)は香港競馬の今シーズン最終G1。
5月28日に予定されています。
勝利ジョッキーのホアオ・モレイラは、この日のメイン2つの重賞を連勝。
昨日ご紹介しましたが、クイーンエリザベス2世杯を日本のネオリアリズムで制しています。
乗りに乗っている名手は、イーグルウェイの今後について、調教師と同じくチャンピオン&チャーターカップのみならず、その先、来シーズンまで言及しました。
「この馬は真面目な馬だね。真面目なステイヤーだよ。ここ何走かで見せた通り、この馬の最適距離は2400mだね。もちろん、それはすでにクイーンズランドダービーを勝つことでで証明されていたんだけど。今日はこの馬のベストの競馬を見せてくれた。でも、ジョン(・ムーア師)にはもっと良くなるはずだよって言ったんだ。もちろんいいデキだったけど、ジョンの調教師としての手腕を考えると、この馬を次のステージに上らせてくれると思うんだ。そう、G1級の馬にね」
ヘレンカリスマに騎乗したダグラス・ホワイト騎手は、ムーア師が指摘した馬場が違えば結果も違っていたかもしれないということを裏付けるようなことを言っています。
「正直、勝てると思ったんだけど、イーグルウェイがもう一伸びして掴まえきれなかった。もう少し馬場が悪化していたら、結果は変わっていたんじゃないかな。でも、失望することはないさ。ホアオ(・モレイラ騎手)が上手く乗ったってことさ」
ムーア師はイーグルウェイとヘレンカリスマの双方ともに、今年後半にオーストラリア遠征することを示唆しました。
具体的には、10月のG1コーフィールドカップ(2400m)と11月のG1メルボルンカップ(3200m)を目標とするようです。
「メルボルン遠征にはうってつけの2頭じゃないかな。1マイル半から2マイルが最も合う馬だよ。そこでも今日のようなこの2頭のつばぜり合いが見られたらうれしいね。なにより、2頭とも素晴らしいステイヤーだよ。メルボルンではスタートはそんなに気にしなくてもいいだろうしね。香港のオフシーズンに調子を維持するのは難しいけれど、2頭とも勝負になると思うんだ」
と、ムーア師は自信を見せました。
3着に入ったのはゴールドマウント。
香港ダービーでの惨敗から、今回ある程度巻き返しに成功しました。
トニー・クルーズ厩舎のこの若武者も、やはり移籍前に長い距離の実績がありました。
この馬は去年の6月のロイヤルアスコット開催で、キングジョージ5世ハンデを制しています。
今回騎乗した、シルベストリ・デソウサ騎手はこの馬の変わり身に非常に満足げでした。
「いいレースだったよ。序盤は行き脚が付かなかったんだけど、最後までしっかりと伸びてくれたね。もし好位に付けることができていたら、もっと勝負になっていただろうね。でも、全体としてはいい感触だったよ」
と、次回につながる3着だったようです。
ジョン・サイズ厩舎のディノッゾとプラウンババはそれぞれ4着と5着でした。
この2頭も4歳馬でダービー組。
ということで、1着から5着までが若い4歳馬が占めるという珍しい出来事となりました。
ダービーではこれらの上に、今週末にチャンピオンズマイルに出走するラッパードラゴンがいたわけです。
いかにこの現4歳世代の層が厚いかがわかります。
一方、期待を大きく裏切ったのがムーア厩舎のビューティジェネレーション。
前走4月9日のクラス2戦では、勝ったイーグルウェイを負かしただけに、今回好位に付けながら全く伸びず13馬身差の8着に沈んだのは意外でした。
「この馬なりにいいレースをしたとは思うんだけど、すでに調子のピークを過ぎちゃった感じだね」
と、ムーア師が言えば、騎乗したザック・パートン騎手も、
「位置取り的にチャンスはあったんだけど、そこから全く伸びなかったね…」
勝ち時計の2分25秒48は非常に優秀で、香港競馬史上2400mの重賞級レース71レースのうちで3番目に入る好時計。
上にランクしているのは、ビバパタカが記録した2007年チャンピオン&チャーターカップの2分24秒60と、
1994年の香港ヴァーズでレッドビショップが記録した2分25秒10。
これも、1着から5着までを占めた現4歳勢のレベルの高さを物語ります。
さて、今週末はどうなるでしょうか?
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