飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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飯田コージの外はおまかせ!
 
香港競馬通信
5月 8日
昨日の沙田競馬場のメイン、G1チャンピオンズマイルは、様々な波乱がありました。
勝ったのも単勝26倍の番狂わせ、コンテントメント。
2着に入ったビューティオンリーのザック・パートン騎手からの抗議があり、レース確定がかなり遅れたのですが、最終的には裁決委員は抗議を却下。
ジョン・サイズ調教師、ブレット・プレブル騎手の顔に笑みがこぼれました。

「ボク自身は(抗議は却下されると)自信を持っていたよ。だって、ザック(・パートン騎手)は競馬を止めたわけじゃなかったからね」
プレブル騎手は強気に答えました。

この個性の強い6歳馬、コンテントメントをどう御すかが問題でしたが、展開は向いていました。
コンテントメントは7頭立ての1番枠からゲートをポンと出て先手を奪い、折り合って気分よく進みました。
残り900mの地点でスローペースに焦れたイギリスのストーミーアンタークティックが、初めて装着したブリンカーの影響か外を大きく捲って出て先頭に。
直線の前に一息入れたいところでちょうどよく、スリップストリームの形で進むことができました。
「レースそのものはプラン通りではなかったよ。中盤でちょっと馬群に揉まれそうになったしね。でも、先行争いに巻き込まれずに行けたから、全体的にはいい感じだった」
と、プレブル騎手。
ストーミーアンタークティックは直線の入り口で早くも一杯一杯になり、代わってヘレンパラゴンが早目に仕掛けて先頭に立ちます。
しかし、コンテントメントには余力があり、内からスルスルと脚を伸ばして最後の200mで先頭に並びかけ、抜け出します。
最後にやはり内から猛追したビューティオンリーを抑えて一着でゴールしました。
「ヘレンパラゴンが直線かなり早く先頭に立った時には、しめたと思ったね。ストーミーアンタークティックに代わって、今度はこのビューティオンリーがコンテントメントを引っ張ってくれる目標になると思った。最後の勝負の時にこの馬は周りをきょろきょろと物見する癖があるから、早目に先頭に立ちたくはなかったんだ。だから、前走ではブリンカーを付けたんだけど、それが裏目に出ちゃったんだよね。だから今回はハミを替えただけに抑えたんだけど。今回も先頭に立った時には周りを見渡して後続を待っちゃうような癖を見せたんだ。その時にビューティオンリーが来てくれたんで、もうひと頑張り脚を伸ばしてくれたんだ。ホント、変わった馬なんだけど、今回は馬が実力通りに走ってくれた。それもひとえにジョン(・サイズ調教師)のおかげだよ。彼は天才だね」
と、プレブル騎手は饒舌に語ってくれました。
プレブル騎手にとっては2006年ブリッシュラック、2009年同じジョン・サイズ厩舎のサイトウィナーに続き3度目のチャンピオンズマイル制覇となっています。
勝ち時計は1分35秒23。
コンテントメントは去年3月のクイーンズシルバージュビリーカップ以来のG1制覇。
去年のこのレースではモーリスの2着と涙を呑んだコンテントメント。それ以来、9度レースに出て一度も勝てませんでしたが、今回は低評価に抗うように頂点に立ちました。

ジョン・サイズ調教師にとっては、2003年のエレクトロニックユニコーン、2009年のサイトウィナーに続き3度目のチャンピオンズマイル制覇でした。
「今日はコースのコンディションがちょっと違っていたね。ちょっと軟らかめの馬場だったから、先行したこの馬には有利に働いたかな」
と、サイズ師。そして、次走については去年に続いて6月の日本・東京競馬場のG1安田記念への遠征を明言しました。
去年は力を見せることが出来ず、12着に大敗したレースです。
「このレースに勝ったからには、次は日本に行くよ!オーナーが許してくれればね」
調教師は、去年の雪辱を誓いました。

ジョン・ムーア厩舎のヘレンパラゴンは直線早め先頭に立ちましたが、結局残り200mのマークまでがピーク。3着に終わりました。
レース後、トミー・ベリー騎手は、
「直線に向いて、ビューティオンリーもラッパードラゴンも後ろにいたからこりゃ勝てるって思ったんだけどね。早めに先頭に立つこと自体は心配していなかった。もうちょっと長く脚を使えると思ってたからね。人気馬を負かすプランで勝負をかけた競馬をして負けたんで、これは仕方ない。いい競馬をして、納得の3着だよ」
と、自分に言い聞かせるように話しました。
ダニー・シャン厩舎のサーキットランドが4着、5着はイギリスのストーミーアンタークティック。そして、同じくイギリスのコンベイが6着と最後方でのゴールでした。
なお、一番人気を背負ったラッパードラゴンは競走を中止しています。
これについては、また後日。


 
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