飯田コージ
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。
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香港競馬通信
5月 9日
日曜に行われた2つのG1。
今日は、チェアマンズスプリントプライズ(1200m)についてご紹介します。
国際G1ではありますが、海外馬が取り消して香港馬のみのレースとなった今回。
混戦を制したのは、フランシス・ルイ厩舎のラッキーバブルズ。
去年のこのレースで、オーストラリアのトップスプリンター、シャトーカに最後の最後に差し切られた無念を晴らしました。

去年のレースで香港トップスプリンターの仲間入りをしたラッキーバブルズ。
今シーズンの初戦、10月のプレミアボウル(G2・1200m)では後方一気の末脚で見事に栄冠に輝きました。
しかし、その後同じ沙田の1200mで4戦していずれも勝ち鞍なし。
しかも、惜敗続きという陣営としては非常に歯がゆいレースを続けました。
G2ジョッキークラブスプリントで2着、G1香港スプリントでも2着、さらにG2センテナリースプリントカップも2着…。
そして、前走G2スプリントカップでは不利もあり5着に甘んじています。
名前に“ラッキー”が入っているラッキーバブルズですが、管理するルイ師は今シーズンは「アンラッキーだよ…」と嘆きました。
「まったく、タフな一年だったよ。馬は一生懸命走ってくれているんだけど、どうも不運が続いていたんだ。ここ2,3走は何かしらのトラブルに遭遇していたし、本来ならもう2,3鞍勝っていてもおかしくないと思うよ」
と、ルイ師はこの1年を振り返りました。

さて、ラッキーバブルズの主戦ジョッキーはブレット・プレブル騎手です。
今まで香港移籍以降の16戦すべてに騎乗し、調教でも今シーズンだけで175回騎乗しているという惚れ込みっぷり。
ところが、今回念願のG1勝利の鞍上にいたのはそんなプレブル騎手ではなく、プレブルのライバル、ヒュー・ボウマン騎手でした。
「何度も言っているんだけど、ブレット(・プレブル騎手)は何も悪くないんだ。むしろ、感謝しなきゃいけない。本当に彼はこの馬に尽くしてくれた」
と、ルイ師はプレブル騎手について話しました。そして、
「彼は献身的にこの馬を世話してくれたし、教えてくれた。ただ、ヒュー(・ボウマン騎手)は彼とは騎乗のスタイルがちょっと違うんだ。この馬には、こうしたちょっとした変化が必要だと思ったんだよね。それに、今回はいい枠を引いたよ。それも助けになったね」
と、心境を話しました。
3.6倍の二番人気に支持されたラッキーバブルズ。
近走と違って、今回はゲートを出て好位につける作戦に出ました。
それは、昨シーズンの勝利シーンを再現するように、先手を奪ったペニアフォビアとダッシングフェローを見ながら4番手の内々に付けます。
「いい枠からスタートできたし、レースの流れを予想すると好位から先頭を見て進むのがいいと思ったんだ」
と、ボウマン騎手。
「そんなにキツイ流れにはならなかったので、好位に付けて道中折り合って進むことが出来たね」
と序盤について解説してくれました。

直線の入り口でラッキーバブルズは先行2頭の直後で一瞬前が塞がりました。
その後、残り250mで逃げたダッシングフェローが道を譲り、前が開きました。
そこからボウマン騎手は追い始め、内ラチ沿いに末脚を伸ばして外から襲い掛かる追い込み勢を凌ぎ切りました。
「直線の入り口で前が詰まってちょっと焦ったよ。でも、これはもう待つしかないなと観念した。ちょっと我慢すれば道が開けると思ったんだ。この馬はそんなことで萎えるような馬じゃないし、タフな馬だからね。今回はそれを証明したし、運が残っていたことを見せられたよね」
と、ボウマン騎手は勝負所での判断を説明してくれました。

ルイ師にとっては初G1制覇となった今回のレース。
ラッキーバブルズとは過去、昨シーズンのスプリントカップと今シーズン初戦のプレミアボウルの2つのG2を制しています。
さらに、2006年のHKG2香港ダービートライアル(現G1香港クラシックカップ)をハロープリティで勝ちましたが、不思議とG1とは縁遠い調教師でした。
「今だに信じられない!本当に興奮しているよ!!!」
レース後喜びを爆発させたルイ師は続けて、
「この馬の実力はボク自身良く知っているつもりだけど、それでも今回の勝利は大きいね。よくやってくれた。願わくば、これが最後にならないといいね!」

ルイ師はラッキーバブルズの今後について、まずは来シーズンを目指して休養に入ると明かしました。
その来シーズンですが、10月に日本で行われるスプリンターズSからの始動について水を向けられると、
「ちょっと線の細い馬なんで、輸送に適応できるかどうかちょっと心配なんだ。中山競馬場のスプリンターズSは素晴らしいレースだと思うんだけど、やっぱり地元香港のレースを目指すのが今のところの目標かな。今シーズンと同じようにね。だから、2つのG2レースをステップに、12月の国際レース、香港スプリントへ向かうスケジュールだね」

一番人気に推されたミスタースタニングは、今回完全な引き立て役に終わりました。
まだ4歳ということで将来を嘱望されるこの馬、レース終盤外から末脚を伸ばしましたが、クビ差ラッキーバブルズを捕まえきれず2着に終わりました。
「素晴らしいレースだったよ」
と、騎乗したホアオ・モレイラ騎手。
「ノットリスニントゥミーと馬体を併せたときにちょっと怯むようなところがあって、その分勝つには至らなかったけど、レース全体を見ると素晴らしいものだったし、将来楽しみなレースだったよ」
と語りました。
そのノットリスニントゥミーが3着、ザウィザードオブオズが4着。勝ち時計は1分8秒96でした。


 
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