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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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10月 3日 |
香港には2つの競馬場がありますが、市内、香港島のど真ん中にあるハッピーバレー競馬場も、郊外の沙田競馬場も比較的平坦の小回りです。
それゆえ、枠順が非常に重要になり、どちらかといえば内枠を引いたほうが有利というのがセオリーとなっています。
香港競馬は日本と違い、馬券を買う時の番号、馬番とゲート番号(枠番)が一致していません。
馬番はレーティングの評価の高い順に並べられ、ゲートの番号は別に記されています。
したがって、1番のゼッケンを付けた馬が必ずしも最内のゲートに入るわけではないのです。
香港で馬券を検討していると、実績も十分で騎手もいい、ハンデも恵まれているのにイマイチ人気がないなぁ、これは美味しい馬券だなぁと思うことが多々あるのですが、そういう時、その馬は決まって大外枠に入っています。
そして大抵、惜しくも馬券に絡まずに敗退してしまいます。
今回セレブレーションカップ(1400m)を勝ったビューティジェネレーションなど、まさにそうした危険なサインが出ている馬でした。
去年の香港クラシック3冠のうち、初戦の香港クラシックマイルと3戦目の香港ダービーで3着。
デレク・リョン騎手を背に、113ポンドという恵まれたハンデ。
でも、13頭立ての大外13番枠でした。
香港の競馬ファンはそこをよく見ていて、単勝は7番人気の18倍。
買うにしても抑え程度の評価でした。
直線、そんな評価を嘲笑うかのように、逃げるビューティジェネレーションの末脚は衰えません。
あれよあれよという間に逃げ切り、この馬としては初の重賞制覇を見せつけられました。
「ニュージーランド産の馬って、今日みたいに力の要る馬場は好きなんだよ」
と、この日のメインの2つの重賞をともに制したムーア師はご満悦です。
「本来この馬は控えた方が持ち味が出るんだけど、母なる自然は雨を降らし、芝は重く逃げ馬に有利。だからデレク(・リョン騎手)には躊躇せず逃げろって言ったんだ」
ウィナーズウェイとニューアジアサンライズも好スタートを切りましたが、すぐに控えてしまいビューティジェネレーションの一人旅を演出。
ビューティジェネレーションは8戦して3勝目をつかみました。
雨の稍重馬場で勝ち時計は1分21秒80でした。
「ゲートからはポンといいスタートを切ってくれたから、押して押して無理して先頭に立つというわけではなくスッと前に出られたよ」
と、リョン騎手は振り返りました。彼にとっては、国際重賞の勝利はこれが初めてです。
「周りからのプレッシャーもさほどなく折り合っていけたし、何よりこの馬のスタミナが今回はモノを言ったよね。昨シーズンはもっと長い距離を使ってきたから、今回は大幅な距離短縮。その分最後までスタミナが尽きずにしっかり伸びたね」
2着には1馬身半差でシーズンズブルームが入りました。
9月3日にクラス1のハンデ戦を鮮やかに勝っていたので、今回は単勝2.3倍の一番人気に押されていましたが、今回は逃げ馬を捕まえきれませんでした。
騎乗したホアオ・モレイラ騎手は、
「素晴らしい競馬をしてくれたよ。内ラチ沿いで折り合って、美しい競馬だった。でも、ウチよりもいい馬が一頭いたということさ」
と悔しそうに語りました。
シーズンズブルームの上り400mは22秒29。メンバー中2番目に速い末脚でしたが及びませんでした。
ちなみに、今回のメンバーで上り400mが一番速かったのはトップハンデ133ポンドを背負ったビューティオンリー(ザック・パートン騎手)。
道中の12番手から直線一気で5着に入り、その末脚は22秒05。
昨シーズンの香港最優秀マイラーにして去年の香港マイル馬のプライドを見せました。
この日までビューティジェネレーションの主戦ジョッキーはザック・パートン騎手でした。
むしろ、香港デビューから一貫してパートン騎手が手綱を握っていました。
香港移籍前はモンテーニュという名前で、豪州のG1ローズヒルギニーで2着と好走。
その素質は以前から評価の高かった馬。それゆえ、パートン騎手がビューティジェネレーションについても言及するかと報道陣も注目しましたが、今回は騎乗したビューティオンリーの話題に終始しました。
「良い競馬だったよ。これだけのハンデを背負って、しかも不得意な重い馬場でよく伸びたね」
3着にはタイムラップが入りました。
この馬は昨シーズンの終わり、逃げて3連勝してきた馬。今回は控えた競馬が裏目に出ました。
そして、同じく控えてしまったウィナーズウェイが4着です。
一方、勝ったビューティジェネレーションと同じジョン・ムーア勢ではイーグルウェイとブーミングディライトという2頭のG3ウィナーが期待されていましたが、それぞれ6着と7着に沈んでいます。
期待とは裏腹は結果にムーア師は、
「前を向いていこう!ビューティジェネレーションについては、オーナーにこのままマイル戦線で行きましょうと進言するつもりさ。おそらく、この馬のベスト距離なんだと思うよ。それでゴーサインをもらえれば、今月末のマイルG3に挑戦するつもりさ」
今月末のマイルG3、10月22日の沙田トロフィーです。
「ブーミングディライトも同じローテーションだろうね」
とも付け加えました。そして、イーグルウェイについては、
「この馬のパフォーマンスは想定の範囲内。満足しているよ。この馬には1400mってのは短すぎるんだ。次走はササ・レディースパース(1800m・11月5日)に進むつもり。そこから、2000mのトライアル(11月19日のジョッキークラブカップ)だね」
と、今後に思いを馳せました。
去年のジョイフルトリニティに続いてこのレースを制したジョン・ムーア調教師。
ゲンのいいレースで上機嫌に競馬場を去りました。
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