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飯田コージ |
1981年12月5日、神奈川県出身。2004年ニッポン放送入社。年齢当てクイズでは必ずプラス20歳上で答えられる。不自然な笑顔が魅力のニッポン放送アナウンサー。 |
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香港競馬通信 |
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10月23日 |
12月の10日に予定されている香港国際レース。
スプリント、マイル、カップ、ヴァーズという距離別に4つの国際G1が組まれています。
香港の競馬関係者は9月に新シーズンがスタートしてから年明けまではこれを大目標に調整を重ねていきます。
そのためのステップレースが整備されていて、本番の3週ほど前にジョッキークラブカップ、マイル、スプリントの各レース。
そしてその3週前。10月の半ばから終わりごろに沙田トロフィー(1600m)とプレミアボウル(1200m)という2つのG2が設定されています。
この週末はそのステップのステップ、沙田トロフィーとプレミアボウルがメインの沙田開催がありました。
本番とステップレースは定量戦ですが、このステップのステップはハンディキャップレース。
その上ハンデがきつい実力馬はこのレースを休み明け初戦に使うことが多いので、実力馬がその力通りに勝てるわけでもなく、上り馬にも十分チャンスがあるという、馬券的妙味に富んだレースです。
今回の沙田トロフィーもそんなレース展開。
勝ったのはジョン・ムーア厩舎のビューティジェネレーション。
2着も同厩のブーミングディライトという若武者たちでした。
去年のクラシック戦線、香港クラシックマイルと香港ダービーでともに2着と涙を呑んだビューティジェネレーション。
今シーズンは、10月1日のセレブレーションカップ(G3・1400m)を勝ってこのレースに駒を進めましたが、単勝9.5倍の7番人気。
ダークホースに甘んじました。
ウィナーズウェイが引っ張ったこのレース。
そのスローペースに上手く合わせて、前を見ながらレースを進めます。
そして直線に入ると瞬発力勝負。
スローだっただけに先行勢がそのまま残りたたき合いを演じます。
ゴールでは、同厩のブーミングディライトにアタマ差競り勝っての勝利。
以下、ジョリーバナー、ウィナーズウェイと軽ハンデの先行馬が続き、勝ち馬との差は半馬身。
熾烈なたたき合いだったことが見て取れます。
勝ち時計は1分33秒56でした。
「ハンデ差を考えると、今回はビューティジェネレーションとブーミングディライトにチャンスがあると思ってはいたよ。」
と話すのは、管理するジョン・ムーア調教師。
ムーア師は実に7度目の沙田トロフィー制覇となりました。
「勝ち馬は堅実を絵にかいたような馬でね。しかも今回は引いた枠もよかった。ホントは逃げてほしかったんだけど、ウィナーズウェイが先に行ったからね。そこで(騎乗した)デレク(・リョン騎手)はプランBに移行したね。逃げ馬の外に控えてマークしながら行くという方に。最後までよく伸びてくれたよ」
と語ってくれました。
29歳のリョン騎手にとって、今までG3は3度勝ってきましたが、G2は初制覇でした。
「G2を勝てたのは素晴らしいね。しかも、ムーア師に貢献できたのは本当に嬉しいよ!何しろ、8年前の今日、プレミアボウルでインスピレーションに騎乗させてくれて、初めて重賞を勝たせてくれたのがムーア師だったんだ。それだけに、この勝利は大きい。世界の頂点にいるようさ。ビューティジェネレーションはもっともっと充実すると思うから、今後もマイルレースで勝負になると思うよ」
と、リョン騎手は手放しで勝利の美酒を味わっていました。
これに答えるように、ムーア師は12月の香港国際レースでもリョン騎手に騎乗依頼を出すことを約束しました。
「重賞2連勝に導いたジョッキーをどうやって降ろせるって言うんだい?オーナーも彼をビューティジェネレーションに乗せることに同意してくれているしね。今後は、当初はササ・レディースパースに行こうと思っていたんだけど、今回の勝利でジョッキークラブマイルから国際レースという王道を歩ませようと思っているよ」
ジョッキークラブマイルは11月19日、そして本番の香港国際マイルは12月10日の
予定です。
ムーア師はビューティジェネレーションの勝利に喜ぶ一方で、2着に入ったブーミングディライトのパフォーマンスにも非常に興奮していました。
こちらは、僚馬イーグルウェイやヘレンカリスマとともに、11月5日のG3ササ・レディースパース(1800m)に向かう予定です。
「この馬は階段を一つ上ったようだね。最後の首の上げ下げでグッと首を出していたら勝っていたかもしれない。最後の最後で力尽きたような印象だね」
と、ムーア師。騎乗したカリス・ティータン騎手も、
「勝てると思ったんだけど、外から馬が来た時にちょっと怯んで、それまでになっちゃったね。でも、ここまできわどい勝負ができたというのは素晴らしいレースだったよ」
重賞多頭出しでおなじみのムーア師。
今回も6着のウェルテル、7着のヘレンパラゴン、11着のジョイフルトリニティに12着のハーバーマスターと多数出走させていました。
「ヘレンパラゴンは一叩き必ず必要な馬だからね。あと、ウェルテルは最後まで平凡なレースだった。直線の入り口で、ああ今回は休み明けで見どころなく終わるなぁと思っていたんだ。それも想定内さ。2頭に関しては、最終目標は12月だから、ここに関しては結果は気にしてないよ」
表彰式に出席したオーナーのパトリック・クォック氏は、もう一頭持ち馬を出走させていました。
それが、トニー・クルーズ厩舎のビューティオンリー。単勝3.8倍の一番人気でした。
勝ち馬からは4馬身4分の1差の9着に沈みましたが、下馬したザック・パートン騎手は満足だったようです。
というのも、直線入り口では先頭とはるかに差があり、かつスローペースで先行馬圧倒的有利な展開。さらにハンデの差もあるという、ビューティオンリーにとっては圧倒的に不利な状況。
しかしここから果敢に脚を伸ばし、上りの400mが21秒94。メンバー中2番目の鬼脚を見せたのです。
徐々に国際レースに向けボルテージが上がっていく香港競馬。
本番に向け、代表馬が絞られていきます。
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